①仕事のタスク | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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それでは、「人生のタスク」を一つ一つ説明していきたいと思います。私の説明は、あくまで森田療法的独断と偏見に満ちた解説なので、もっと詳しく知りたい方は専門の書籍やサイトを参考にしていただければ、間違いないと思いますよ。←無責任!

 

ではまず「仕事のタスク」から行きますよ。

ここでは「仕事」と言う表現をしていますが、これは必ずしも会社に行って働くことだけではありません。生産活動としての取り組みを言うのであって例えば学生ならば学業と言うことになりますし、家庭の主婦ならば、家事や育児が「仕事」になります。あるいは家族の介護なども「仕事」のうちに入るかもしれませんね。

一般に役割や義務や、責任が強く問われる課題と言えそうです。

 

 

アドラーは「仕事のタスク」について、こんな風に言っています。

「一般に、仕事で成功するかどうかは、社会適応のいかんにかかっていると言える。隣人や顧客の要求を理解し、彼らの眼で見て、彼らの耳で聞き、彼らが感じるように感じることは、仕事を進めるうえで大変有利な事である。」

仕事は私たちが生きるうえでベースとなるものです(上図参照)。仕事がきっちりできていることで、初めて交友や愛のタスクをこなしていけるのです。つまり、満足に仕事もこなせない人は、他の課題も満足に果たせないことになるのです。

 

「仕事のタスク」を別の見方で言うと、「仕事」をしている状況で取り組んでいく人間関係の状況や課題。ともいえるでしょう。

「仕事の結果」と言う共通目標に向けて、生産性を上げ、より効率化していくために、必要な人間関係を保つことが要求されてきます。

だからそれらの目標が達成できていれば、別に相手を好きになったり、仲良くしたり、嫌われないように立ちまわる必要などありません。ただし様々な立場や価値基準の異なる人々と協力し合わなければならず、関係性は(交友や愛と比較して)最も薄いと言えるでしょう。

 

 

どんな種類の仕事であれ、一人で完結するものはありません。一見一人で仕事を続けている作家のような人でも、編集者や装丁家、さらに印刷所の人たち、または流通や販売などの助けがあってこそ、初めて成立する仕事ですよね。他者との協力なしに、完全に自己完結する仕事などありません。

仕事の対人関係は一見とても複雑で煩わしそうに思えますが、他の二つに比べてとてもハードルが低いのです。先ほども言ったように仕事の人間関係は「仕事の成果」と言う目標のみで、つながっているものです。だから少しくらい気が合わなくても、協力することは出来るのです。(多少納得いかないところもあるでしょうけど)

 

とにかく「仕事」と言う一点だけで結ばれている関係ですので、就業時間が終われば各自バラバラになりますし、誰かが転職したり離職したりすれば、関係はそこで終了します。つまり比較的簡単に「他人の関係」になれるのですね。つまり、仕事のタスクにおいては、多くの人たちがそれぞれ折り合いをつけながら、互いに接しているので、比較的トラブルは起きにくいとされているのです。ところが「交友」や「愛」の関係性では、こうはいきませんね。

 

参考・・・「幸せに生きる方法」、「嫌われる勇気」