もう一月以上まえのことになるが、大学の同級生のおっさんたちで、
金沢に小旅行に行ってきた。時は九月のおわり。
後期の授業が始まる前に、いっちょ景気づけようというわけである。
あのころは、この恐ろしい二学期が待っているとは思っても見なかった。
あさ9時くらいに、京都駅に集合して、ビールを買い込み、いざ
サンダーバードへ。天気は曇り。少々肌寒い感じではあったが、
暑苦しいよりはだんぜんよい。
2時間ほど、夏休み中の出来事を情報交換しているうちに、いつのまにか
金沢駅に到着。まずは、おいしいものを食べて、腹ごしらえということで、
市場にむかい、金沢出身の同級生がすすめるお店で、海鮮丼を注文。
でてきて、びっくり。こんな贅沢な海鮮丼は初めて拝見いたしました。
あまりにおいしかったのと、ビールがすすんだのもあったのだろうが、
調子に乗って、飾りの貝殻を持って帰ってきてしまった。
あとで聞くとそんなことをしていたのは、僕だけだったらしい。旅の恥は
なんとやらである。
すこし、あかくなりながら、金沢市内を散策。目指すは兼六園ではあるが、
兼六園に向かう道の途中に、尾上神社という風変りな神社があったので、
立ち寄ってみた。
明治初期に建てられたこの神社は、一部洋風なテイストを盛り込んだ
門をもっている。これは、へんてこだ。神社のなかでは今まで見た中で
最高の変わり種ではないだろうか。神社建築はどの神社も基本的には、
社殿の作りが似ているので、あまり変わり映えがしないのだが、この
尾上神社の門は、よい。
神社境内を一蹴して、腹ごなしと酔いざましを済ませたつもりになって、
いざ、兼六園に。
園内の時雨亭の縁側から庭を望む。単に庭をみるのと、こうして建物の
中からみるのでは、だいぶ印象が異なる。休憩をかねて15分ほど、庭に
見入ってしまった。
兼六園の見学がおわって、次は金沢城をとおもっていたら、なんと現在は
修復中ということで、肝心のタイルが飾られた城壁が拝めなかった。無念。
宿の近くの宝泉寺の境内から、金沢市街を眺めた。落ち着いた街並みは
とても上品で、京都よりもゆとりを感じさせる。あまりかっこつけていない
ということなのだろう。
夕食は全員で焼き鳥を食べに行き、そのあとは自由行動。久々に麻雀を
やって、ちょびっと負けた。寝たのはあさの5時。
翌朝7時に起きて、チェックアウト。雨だったので、21世紀美術館に向かった。
社会科見学かなんかの中学生たちのあとをついてまわって、館内を一周
した後に、すぐ近くにある旧制第四高等学校の記念館に行ってみた。
旧制第四高等学校といえば、西田幾多郎や鈴木大拙の母校である。
無料で見学できる記念館で展示されている写真の中で、西田の容貌は、
予想以上に宇宙人っぽかった。目が少しつりあがり、耳殻がとがっている
ので、集合写真であっても、まっ先に西田へと目が行ってしまう。
西田の眼力は、いともたやすく写真からはみ出してくる。
再び21世紀美術館にもどって、そこから市場までいってでお昼ごはん。
食事後、ぶらぶら相方さんのお土産をみてから、サンダーバードで帰京。
夏休み最後の息抜きにはちょうどよい小旅行となった。

