アトリエサードさまより、七月五日ごろ発売の『ナイトランド・クォータリーvol.36 夢魔がもたらす幻想』を献本いただきました。
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タイトルの通り今回のテーマは夢魔です。夢を題材にした恐怖幻想小説は古来数多く、小説や批評を通じて紹介される夢の時間を、ルネ・シャールが「生と死を隔てる壁の上に、次第に裸形の度を深める剥き出しの一本の梯子」と書きつけたそのような夢の可能性、仮死としての文学の似姿であったのかもしれない、というようなことをぼんやりと思い浮かべたりしました。巻頭の鼎談は情報満載、掲載されている作品はどれも面白く読みましたが、特にブラム・ストーカーの『ドラキュラ』からごく短い部分を抄訳しているのは内容の面白さもさることながら強く批評性を感じました。毎度のことながら充実した本です。