東京創元社さまより、円城塔『ムーンシャイン』廣嶋玲子『王たちの戯れ』高島雄哉『ホロニック:ガール』宮西建礼『銀河風帆走』の四冊を献本いただきました。
作者ひさしぶりの短編集です。デビュー前の新人賞応募落選作なのになぜか年間SF傑作選に収録された作品から始まって、短編集にまとめることを意識して書いた近作まで四編を収録し、その経緯を書いた後書きを付した仕様になっています。小説の書き方の変化と変わらないものが同時に楽しめるようになっていて、なかなか深い味わいのある本です。
異世界ファンタジー三部作の単独短編集です。連作仕立てになっていて、長さがまちまちのシンプルな物語がゆっくり語られています。ロマンスの雰囲気が濃い物語で楽しく読みました。
人気アニメシリーズの今年公開の劇場版『ゼーガペインSTA』のスピンオフ小説です。何気ない学園者の日常場面から始まってとんでもないスケールの物語が展開します。ハードSF作家の本領がいかんなく発揮されていますが、もうちょっと何がどうなっているのか全然わからないとか思いました。でもとにかくエモいのは確かです。
第四回創元SF短編賞受賞作が収録された待望の第一短編集です。タイトルからして堀晃さんを想起させますが、寡作故にかなりスタイルの違うと言うか、それぞれ別の短編集にまとめた方が良かったのではと思える高校生が科学で地球の危機に立ち向かう3作と遠宇宙を舞台にした壮大なスケールの2作が同居しているのも堀晃さんっぽいです。もっとも内容のみずみずしい青春っぽさはやっぱり非常に現代の若者的で、読んでいるととてもほっこりします(おっさんの感想)。