野村哲也氏インタビュー
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──せっかくですので、描かれた各キャラクターへの思い入れを聞かせてください。まずは左端にいるスコールですが……。
野村:ここは『ディシディアFF』のキャラクターを入れようと思ったんです。『ディシディア』と『FFVII』と『キングダムハーツ』に絡ませられるのでスコールにしました。
──『ディシディア』のスコールなんですね。
野村:腰のふさふさした飾りで、そうだとわかるようになっています。スコールは意外と『好きなんです』という女性の声を耳にしますね。クラウドじゃないんだ?と思いますが。
──スコールはふつうに男前ですよね。クラウドに比べ、まだ身近にいそうなカンジです。
野村:そうなんだ、といま聞いて思いました。隣のお兄さんなんですね(笑)。
──『FFVIIアドベントチルドレン』のクラウドも、野村さんのイラストとしてはほとんど露出していませんよね。
野村:ラフのものがあるくらいで、キチンと描いたものは出ていませんね。クラウドは、あまりに回数を描いているので、何の苦もなく描けるんですよ。自分の代表キャラクターと言うと、やっぱりクラウドになるんだろうな、という思いはある。言い換えれば世話になっているので(笑)、愛着はありますね。
──10年前はどういう思いでデザインを?
野村:左右非対称の髪型なので、角度でガラッと印象が変わるんです。ですので、『FFVII』当時は、トンガリの角度や位置をけっこうこだわって調整していましたね。もともとツンツン頭は、使えるポリゴン数の制約を考慮して記号的に判別できるように、あの形になっています。そういう意味で、暗い背景の中でも目立つ金髪に。プレイのしやすさを考えて作ったキャラクターなんですよ。
──また、アヤがライトニングとは違うタイプながらカッコいいですね。
野村:デニム描くのがけっこうめんどうなんですよ(笑)。さらにカラダにフィットした服なのでラインがごまかせません(笑)。
──アヤとは数奇な縁で結ばれていると以前お話されていましたが。
野村:毎回、ほかのスタッフがまずデザインを依頼されて、けっきょく自分のところに帰ってくるブーメランみたいなキャラクターです。今回は、初めて自分から描きました(笑)。
──描くときのポイントは?
野村:アヤはライトニングに比べて丸みがあって、クラウドらと同じ時代に描かれたキャラクターなので目が少し大きかったりと、デフォルメが強めです。あとは多少つり目を意識しているという程度。もともとアヤは、最初の依頼で、エアリスみたいな後れ毛をつけてくれ、それからポニーテールにしてくれと坂口さんから言われていました。ですが、どんどん記号化して、バッサリと後ろ髪を切ることにしたんです。
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