出典元 岸本斉史『THE LAST -NARUTO THE MOVIE-』劇場版パンフレットインタビューより一部抜粋

 

 

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 岸本斉史先生 インタビュー

 

──今回、ナルトとヒナタの恋愛を描いた物語に驚きました。

岸本:僕の中では「NARUTO-ナルト」の少年期が終わって、 青年期に入った少し経った頃から「ナルトはヒナタとくっつく」と決まっていました。でも別に二人の恋愛話に僕はあまり思い入れがなくて(笑)、そういう話を描くつもりはなかったんです。ただ、漫画の最後は、ナルトに子供が生まれて、それがナルトみたいなやんちゃな男の子で、 火影になったナルトの火影岩にその子の落書きがあるっていう風にして、漫画の第一話に戻る感じにしたかった。ですから僕の中には当初なかった発想で、今回劇場版を作る時に、 ぴえろの方とか、脚本の経塚(丸雄)さんが「今度の映画でそこを描いたらどうか」と提案されて、こういう形になった感じです。 物語を原作の2年後にしたのも、恋愛話にするなら二人が18歳を超えていないと、という僕のこだわりです(笑)。

──なぜナルトとヒナタがくっつくと決めてらしたんですか?

岸本:ヒナタはナルトが最初から頑張ってるところをちゃんと見て、ずっと応援していた唯一の子なんです。ナルトはうまくいかないけど頑張っていて、諦めないところが格好いいって分かってる。 サクラもそのことに途中で気づきますけど、やっぱり最初から見ていたヒナタが報われないのは可哀想だと思って(笑)。

──赤いマフラーが印象的な使われ方をしていました。

岸本:マフラーは今回の映画のメタファーになっていて、恋愛を象徴するものとして使って頂きました。このマフラーがあったから、最後のセリフは決まったんです。

──19歳になったナルトのキヤラクターデザインを描かれる時、意識されたことは?

岸本:とにかくナルトを格好良く描きたかった。ナルトはちょっと泥臭くてヌケてる感じで描いてきたので、どうしてもライン的にもやんちゃなイメージがあるんです。そのやんちゃ具合が少し抜けて、落ち着いて来た男の子の「艶」みたいなものを出したかった。男は恋愛を経験して一人前と思っているので、僕の中では今回のナルトは大人のイメージなんです(笑)。

──本作でお好きなシーンを教えてください。

岸本:ナルトが告白して断られるところですね(笑)。「ナルトに試練を与えてやった」「図に乗っちゃダメだよ」「頑張れ、ナルト」って思える。そこが好きです(笑)。あと、サクラとナルトがお互いに恋愛対象じゃないと気づく、決別のシーンでもある、サクラがナルトにヒナタの気持ちを代弁するところも気に入っています。

 

 

 

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