幽遊白書 躯 台詞集

躯 幽遊白書

 

 

 

 

 

 

第157話 それぞれの決心!!

 

「初めまして飛影 オレが躯だ
オレは滅多に人前に姿を見せない
危険だからじゃない 顔が売れると動きづらいからな
早速だが お前 オレの目にかなったぜ
部下にならないか
実は、お前の名前は聞いたことがある
"忌み子 飛影"と言えば 13層北東部では かなり有名だったそうだからな
生まれて5年目にはA級妖怪になってた天才少年が…
なんで盗賊に落ちぶれたあげく人間界へ消えちまったんだ?
今からでも遅くない お前ならオレの片腕にだってなれる
ところで…"三竦み"の話は知ってるか?
オレと雷禅と黄泉のことだ
500年くらい お互いニラミあってきたが…そろそろあきた
これは 極秘情報だが お前だけに教えてやろう
実は 雷禅がくたばりかけている
雷禅が死んだら すぐ黄泉に総攻撃をかける
ヤツは 魔界統一とか言って
手前秩序を押し付ける雷禅以上にいけ好かねェ野郎だ
もし黄泉から誘いがあったら断れ それが長生きの秘訣だ
自殺願望があるなら 雷禅のところに行きな くくく
魔界はもうすぐ正常に戻る
お前がまだ 生まれてさえもいなかった昔にだ
オレがお前に見せてやる その時はオレの側にいろ」
 


 

第159話 それぞれの一年 飛影 前編

 

「よォ 目が覚めたか」
「もうA級妖怪じゃ束になってもかなわねェな
そろそろオレの直属戦死とサシでやってみるかい?」
「たった半年でここまで成長するとは正直思わなかった」 
「まあ そうせくなよ お前の親父なんてオチはねェ
だがそろそろ姿くらい見せてもいい頃かもな」 
「よし…」 
「今から連れてくるのはその中で一番弱いヤツだ
そいつに勝ったらお前に姿を見せよう
それとそいつの変わりに戦士の称号をくれてやる」 
「オレは下級兵とは別に側近として常に77人の厳選された戦士を連れている
数に深い意味はない その数字が好きなんだ
今から戦士を一人連れてくる
多分今のお前と互角くらいの力の持ち主だ」 

「そう言うな 
便利だぜ オレの直属の戦士ってだけでたいていの妖怪は協力的になる
探し物も見つかりやすい…」 
「五分程で戻る」

「待たせたな」 

「知り合いか」
「面白そうだ 聞かせろよ」
「ほォ……」  

「さて 思い出話はそれくらいだ
勝負は勝負 命かけてもらうぜ
真剣勝負は技量にかかわらずいいのもだ
決する瞬間互いの道程が花火の様に咲いて散る」 
「はじめ」 
 


 

第160話 それぞれの一年 飛影 後編

 

(疾い)

(浅い)

「素晴らしい勝負だった

ほうびをやろう

お前の氷泪石だ」

「お前が 人生の大半をかけて探した石だ

オレにとっては支配国の貢物の一つにすぎなかったが」

 

"忌み子飛影
氷河の国で生まれた呪われの凶児
名付け親は盗賊
血が噴き出す寸前の真っ赤な肉の切れ目が好きで
悲鳴を聞くと薄く笑う そんな子供
氷河の女がお前を恐れて捨てた気持ちもよくわかる
形見の氷泪石が至高の宝石と知って 盗賊に見せびらかす為 首にかけた
それだけで一日中血に不自由しなかった
氷河の国はもう見つかっても見つからなくてもよくなってた お前は忙しい
時々石を眺めて思い出す そんな程度の故郷になった
ただの殺しに飽きた頃 地元の盗賊もお前を恐れて避けるようになった

石を眺める時間が増えた
そしていつか 石を見ると気持ちが和む自分に気付いた
石と向かい合う時だけ表情が緩む
不思議な力を秘めた石を通して この石と自分を作った人を想う
氷河の国を探そう 理由は変わり始めていた
土地が移れば敵も変わる
なかには手ごわいヤツもいる
一生の不覚
探し物が二つになる
もっとよく見える目が必要だった
邪眼をつけるためには特上の激痛に耐え
せっかく鍛えた妖力も失わなければいけないが
当時のお前にとってそれは都合がよかった
一瞬の油断で石を失くした自分自身が許せなかった

邪眼の力の一つ 千里眼でほどなく氷河の国は見つかる
隠密の帰郷 
氷女は皆どこか暗くいじけて見えて殺す気も失せた
幻滅することでお前の復讐は終わった
城の裏角
早桶の上に朽ちた墓標 それがお前の母親の寝床
しかし腹は立たなかった
これが彼女の意思だったのだろうとお前は考えた
収穫はあった
妹のこと 名は雪菜 失踪して数年らしい
一つの目的を遂げ 新たな目的を得る
まるで漂流するようにお前は生きる

紆余曲折を経て人間界へ…思わぬ出会い
妙な人間との戦い また少しお前は変わる
妹は見つかったが当然お前を知らない
お前も言わない それでいいとお前は思う
あとは自分の氷泪石を見つけるだけ
人間界での戦いもそろそろ飽きた
しかし―― 『もし私の兄に会ったらこの石を渡して下さい』
「これはオレの氷泪石じゃない」
そう思いながらもお前は目的を殺がれたような虚無におそわれる
戦うことだけがお前に残り とうとうお前はいかに死ぬかを考える」

「お前の意識は今までオレが触れたものの中で一番心地いい」
「不思議な石だな
憎しみを全て吸いとってくれるような力を感じる
オレはその石のおかげで救われた」
「オレは生まれた時から玩具奴隷だった 自由の代償として半身を失った
呪うことだけで強くなり 目にとまる者一人残らず殺した時期が続いた
その石がなければこの体はまだ憎悪の象徴でしかなく 
戦闘はその発散の手段のままだっただろう
今では この右半身はオレの誇りだ 治す気もない
お前なら 全てを見せられる 今度はオレの意識に触れてくれ
生きろ 飛影 お前はまだ死に方を求める程強くない」

躯 幽遊白書


 

第164話 幽助の土産

 

「ほう」

「幽助ってのは何を企んでいると思う?」
「ふむ それは本当らしいな」
「お前は よくウソをつくからな」
「幽助と会ったら戦うか?」
「それもまあ 本当だな」
「オレと幽助が戦えば お前はどっちにつく?」
 「それが半分ウソだ
もし今現在そうなればお前は幽助につく
オレと幽助の力が互角なら お前はどちらにもつかないかもしれないが」
 「ちょっと幽助(そいつ)がうらやましい」

「飛影

皆に伝えてくれ 今日から躯はただの妖怪だとな」


 

第165話 来訪者たち

 

「雷禅の墓前に活けてくれ

ついでに『バカめ』とな」

雷禅 躯


 

第172話 SPECIAL DAY

 

「何か用か」  
「パトロールはつまらんか」 

「そうか オレは結構楽しんでいるがな 
行け 今日は気分が悪い」 

「もう…よせ」 

「このまま進め」
「お前も 殺されたいのか?」END

 

 

 

 

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