皆様こんにちは。
一昨日、BEAMSさんのスリップオンの試作が完成したという事でベンチテストのガチンコ対決をする為に私もプロトタイプを持ってBEAMSさんに行って来ました。
ガチンコ対決。。。まぁ、それは冗談ですけどね(笑)
弊社のシャーシダイナモが相変わらずの不調続きでなかなか機嫌を直してくれないので、今回はバイクを共用する事もあってベンチテストをさせて頂いたのですが、結果的に良くも悪くも比較する事になるので個人的にはワクワクしながらBEAMSさんに向かいました。
正直仲が良いとはいえ、市場ではライバルなのでこういった事はBEAMSさん以外とはありえないと思いますし、他社さん同士でもしていないと思うのですが(笑)、切磋琢磨出来る事は互いの成長にも繋がりますし、日頃からマフラー開発のアプローチに関して意見交換や情報共有も行なっている事もあって、比較データの勝ち負けには互いにそこまで気にしていないというか、ジャンケン程度の感覚ですね(笑)
ベンチテストに行く前日の夜、開発担当M氏から「イグニッションコイルから2022モデルはダイレクトイグニッションに変更になっている。」とのメール。。。
ベンチテストでは電気信号を拾う必要がありますので、「頑張ってECUの配線見つけといてね」とお願いしときました。。。準備ありがとう(笑)
ダイレクトイグニッションに変更になった事は旧型式からの進化であり、ダイレクトイグニッションに進化したメリットとしては例えば高電圧での電圧降下抑制や高回転域でも安定して電力供給されるといった電子制御による恩恵が得られる事になるのかと思います。
※ 厳しい環境基準もあり、それだけではないですけど。
YZF-R25ではイグニッションコイルに関してのトラブルを私は聞いた事が無いでのすが、イグニッションコイルの場合、高電圧が掛かる事による負荷が原因でトラブルが発生する事もあり、近年アジア圏で生産される国産メーカーの小排気量バイクですが、このイグニッションに起因するトラブルが思いの外多くなったと感じる事があり、生産国名を出すと車種とメーカーが特定されるので敢えて書きませんが、イグニッションコイルの良し悪しが感じられるバイク。。。例えば信号待ちのアイドリング時にストンとエンジンが止まったり、走っているうちにスタート時に簡単にエンストをする様になったりと、ここ最近のバイクブームで免許を取ってバイクに乗られた方には、自分の腕が未熟なのか、バイクに原因があるのか分からないとは思いますが、バイクの方に原因がある事もしばしばです。
で話が逸れましたので戻しますが、私が行った時には開発担当M氏がしっかりベンチテストが出来る様に用意してくれてました。
白丸下にECUがあり、コチラから電気信号を拾ってベンチテスト開始です。
まずはノーマルデータから。
2022モデルが弊社に来た時のブログで、車両のインプレッションします的な事を書いたのですが、正直、前モデルとの特性差がほぼ全く感じる事が出来ず。。。
2015年YZF-R25と2018YZF-R25の時は馬力変更や倒立フロントフォークが採用された事もあってかなりの違いを体感する事が出来たのですが。。。すみません、ポンコツライダーで(笑)
先日のブログでは、2022モデルは純正マフラーの仕様が大きく異なっている為、「特性的にも性格が変わっている可能性がある」と、エラそうに書いたのですが、乗っていてホントその差を感じられず、無理に違いを探してブログにインプレッションするのもおかしな話になりますので(笑)、今日まで特性的違いの話は書けなかったのが実際のところです。
ただ、前モデルもそうなんですけど、2022YZF-R25は純正でもポジショニングが抜群で、特に倒立フォークが採用された2018年YZF-R25からのフロントの剛性感や旋回性の良さ、信号待ちから発進する際の低速域でのトルク感(味付け)は、おそらくライバル車達よりも乗り味に関して優れている様に私自身は感じています。ホント、R25は良く出来たバイクだと思いますね。
さてさて、インプレ出来ない言い訳みたいな事を書いてしまいましたが(笑)まずは2022YZF-R25の特性を見て行きましょう。
BEAMSさんのシャーシダイナモは弊社とメーカーが違いますので、ここは手馴れた開発担当M氏にお願いして測定開始です。
そしてその結果を前モデル(2BK-RG43J)と2022モデル(8BK-RG74J)と比較したグラフがコチラ。
薄い青色線が前モデル(2BK-RG43J)で濃い緑線が2022モデル(8BK-RG74J)です。
同日に計測したデータでは無いので、あくまで参考データになりますが、凡そ同じパワーカーブと言っていい位のグラフとなりました。
2022モデル(8BK-RG74J)はピークパワー付近で少し力強いのですが、この次の日、開発担当M氏から新たにノーマル比較のグラフをメールで頂きましたが、そちらではピークパワー域も互角のデータで、お見せしたかったのですが、頂いたファイル形式がアメブロで使用出来なかったので上のグラフのみとなります。
最初に純正マフラーの仕様を見た時、ピーク以外は大きく特性が違うのでは?とも思っていましたが、世界で最も厳しい排ガス規制「EURO 5」と同等、あるいはそれ以上とされる令和2年排ガス規制だという事を考えると、ピークパワーはむしろ少し元気がいい位で、低中速域を全く落とす事無く仕上げられている事に驚くというか、賞賛に値する結果だと思いますね。
アフターマフラー開発の担当としては、常々こんな素晴らしいグラフを描ければと思いますね(笑)
さて次はスリップオンを計測していくのですが、グラフではほぼ同じながら2022年モデルのベンチテスト時にほんの少し気になった事として、シャーシダイナモ計測時のピークパワーに達する時の時間軸が少し長かった、単純に言えば時間が掛かった様に感じました。
これはシャーシダイナモメーカーの差という事も考えられますし、一概には言えないところであります。
同じ様にパワーを計測するのですが、シャーシダイナモによって計測方法は同じでもパワーを算出する手法・プロセスが少し異なるので、時間軸が気になったのはその事による物かも知れません。
結果から先にお伝えするとパワーカーブ的には納得する結果が得られたので来週のJMCA認証試験ではしっかり近接・加速騒音値をクリアしてくれる事を願うところですが、個人的にはパワーカーブはもちろん、この時間軸を少しでも短縮出来るのか、この時はそれも結果が楽しみでした。
という事で次回はラウンドタイプスリップオンからベンチテストしていった事をパワーグラフを紹介しながら書きたいと思います。
それではこの週末、皆様方にとっては良い週末をお迎え下さいませ。