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レポーターからの質問タイム
――解説では、こういう局面は勝ちだとわかっていてもつらいという事だったのですが、最終盤はどんな気持ちで指していましたか?
「最後の最後にこちらの勝ちになってからです。将棋は逆転が多いので、斎田さんが投了するまでは気を抜かないで指しました」
――里見さんについて
矢内女王「里見さんのニュースは今まであまり取り上げて頂けなかったところも取り上げてくれたので、もっともっと活躍してくれたらいいなぁと思います」
――初タイトル獲得への意気込みは?
甲斐女流二段「第1期は決勝、今回は挑戦となりますが、結果よりは内容のある将棋をお見せできたらと思います」
――どういう場所で対局したいですか?
矢内女王「どこっていう所は無くて、私はタイトル戦では和服を着ますので、和服と将棋がピタッと合うような場所で指したいと思います」
甲斐女流二段「パッとは思いつきませんが、和服で戦うということは私にとっても名誉なことですので、私もそのような場所で指したいです」
――今期のマイナビの感想は?
矢内女王「私も出来る限りネット中継で見ていました。難しい将棋が多くてみんなもマイナビに賭けている意気込みが強く感じられました」
――甲斐さんは今回居飛車にしましたが、それはどうしてですか?
「居飛車対振り飛車の対抗型は良く指していますし、相振りは展開が広いので、自分の研究が活かせる方を選びました」
甲斐女流二段は対局時にはメガネを掛けていらっしゃいますが、
対局以外では外しているイメージだったのですが、この会見ではメガネ姿で現れました。
もしかしたら、大熱戦のためメガネを外すことを忘れてしまったんではないかと思われます。
質問タイムの時に「将棋に関係なくても、どんな質問でも構いません」と仰っていたので、
この事を質問すれば良かったなぁと反省。
矢内理絵子女王と甲斐智美女流二段のマイナビ女子オープン五番勝負は、
3月28日に熊本県「旧細川刑部邸」で開幕します。
第1局 3月28日(日) 熊本市「旧細川刑部邸」(熊本県指定重要文化財)
第2局 4月11日(日) 岡山県「倉敷市芸文館」
第3局 4月19日(月) 東京・将棋会館
第4局 4月27日(火) 東京・将棋会館
第5局 5月11日(火) 東京・将棋会館
この対局も今回と同様マイナビ女子オープン公式サイト
で棋譜中継が行なわれます。
是非、ご覧ください。
追記
決意表明会見も終わり、すべて終了となると最後に、我々レポーターに毎日コミュニケーションズさんからおみやげを頂けるとのこと。
今回のような機会を提供して頂いただけでもありがたいのに更におみやげまで頂けるなんて・・・うれし涙です。
これは、頂いたおみやげの中に入っていた「週刊将棋」です。
毎週水曜日発行と書いていますが、月曜日や火曜日に発売している地域もあります。
お近くの書店、コンビニ、駅売店等でお求めいただけます。定期購読も行っています。
詳しくは週刊将棋公式サイト
まで。
研修室を出てもすぐには帰らず、しばらく余韻を楽しんでからゆっくりと階下に。
将棋会館を出るとどうやら小雨が降っている模様。
傘が無くても、そんなに濡れてしまうという程の雨ではなかったので、気にせず帰ろうと思うと、ちょうど米長会長がお帰りの様子。雨が降っていることに気付くと、置き傘を準備しているらしく傘を取りに行き、帰路へ。
その後すぐに矢内女王もお帰りの様子。
こんな機会は滅多にないのでちょっとご挨拶。ただ、他のレポーターのかたが先に声を掛けていたので、私も声を掛けられました。それがなければ多分、声を掛けようかなと思っている間にお帰りになってしまったと思います。
間近で見てもとてもお綺麗なかたでした。
支部の定例会を開催するとしたら、是非とも指導将棋にお越し頂きたいのですが、タイトルホルダーのかたを呼ぶのは難しいんですよね。
千駄ヶ谷駅に向かう途中に小雨からみぞれに変わって来ました。ただ、興奮状態が続いていたので寒さは感じませんでした。
以上でレポートは終了です。
矢内女王、甲斐女流二段共にいい将棋を期待しております。
マイナビのサイトにレポーターのブログ・ツイッターの一覧が掲載されていたため、
何名かのプロ棋士の方にもご覧頂いたらしく、このことも今回の観戦と同様とても嬉しかった出来事です。
このような機会がまたありましたら、次も是非参加させて頂きたいです。
私の拙いレポートを読んでくださった皆様、並びに関係者の皆様、本当にありがとうございました。
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感想戦
終局したので、もう一度特別対局室へ。
さきほどの対局中の時の緊張感ほどは無いだろうと思っていましたが、
対局後でも緊張感たっぷりですぐには写真を撮れませんでした。
棋譜用紙です。1枚で150手まで記入できますが、今対局では166手と長手数だったため2枚に。
棋譜用紙からも大熱戦が伝わってきますね。
これは天井です。
なぜ撮ったかと言うと、小説にも天井カメラが出てくるので、実際の物を見てみたかったからです。
写真右下の四角い枠の中にカメラがあって、真上から盤面を映します。
左上に写っているのがwebカメラで、今対局もこのカメラから対局者を含む映像をリアルタイムで中継されていました。
webカメラの前にあるサイコロの5の目が並んでいるようなのはわかりません。なんでしょうか?
知っている人がいらっしゃいましたら教えてください。
やはり、勝ってホッとしているのか、時折表情を緩める事もありました。
対局が長くなりましたが、記者会見は定刻通り18:30に行われるので、感想戦は30分程度と短めで終了しました。
決意表明会見
矢内理絵子女王と甲斐智美挑戦者のお2人が入場。
NHK杯トーナメントをご覧の方にはお馴染みのお2人ですね。
週刊将棋の雨宮さんによる質問
甲斐女流二段
――今日の対局について
「終わったばかりで、まだ頭がぼーっとしていてるんですが、中終盤のねじり合いが長く続いて、一局の将棋でこんなに疲れたのは初めてです」
――レポーターについて
「たくさんの方がいらっしゃいましたが、今日は将棋に集中していたので、普段通り指せました」
――矢内さんと対局することについて
「ずっと追いかけている先輩ですので、また対局できて嬉しいです」
矢内女王
――甲斐さんについて
「今回の五番勝負は第1期よりも厳しい戦いになると思います。甲斐さんとは年も近いですし、奨励会で一緒だったこともありますし、タイトル戦という大きな舞台で戦えるということが嬉しいです」
(注意)質疑応答に関しては記憶に頼る部分が多いので、一字一句正確に合ってはいませんが、大枠は外していないと思います。(part5も同様です)
この後、レポーターからも質問を受け付けることになりました。
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この手で甲斐女流二段が優勢になった模様。
131手目 ▲同飛不成
通常であれば不成ではなく成にするが、時間ギリギリまで読んでいたため裏返す余裕すらなかった。
138手目 △同玉(この手で先手からの有効な後続手が無いということで)
某理事が「(マイナビ女子オープン決勝)五番勝負の予想はどうですか?」と発言。
「今のはフライング発言だよ」「今回はレポーターばかりだからブログに書かれるよ」などと突っ込まれると、
「名前は書かないでください」と某理事。
「じゃあ、某理事としておいてください」と某六段が言うと、
すかさず「『将棋連盟』の某理事としておいてください」と将棋連盟ではない某代表理事。
このやりとりの間中ずっと会場は大きな笑いに包まれていました。
約束通り、一応某理事としておきました。
150手目 △5五桂
ここで、某理事が「今、甲斐さんは何を考えているんでしょうか。『記者会見で何話そうかな?』って考えてるんでしょうか?」とまたもやフライング発言。
しかし、今回はわざと狙って言ったものと思われます。
ただ、この段階になるともうほぼ大勢が決まっていたので、それほどは突っ込まれていませんでした。
投了図 166手△7九飛まで後手の勝ち。時刻は17:54
6九に合駒しても△同飛成で▲同玉なら△6八金の頭金で詰み。
▲同玉とせず▲4八玉と逃げても△4七金打▲同銀△同金で詰みとなります。
1分将棋になってから66手、1時間以上も指していた事になります。
対局が終了したので、解説会も終了ということで、最後に中井女流六段から
「この対局の臨場感を是非ブログで伝えてください」との締めご挨拶を頂きました。
どの程度伝えることが出来るかわかりませんが、自分なりに表現させて頂きます。
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対局室の見学が終わり研修室へ戻ると、そこには勝又清和六段が。
対局が早く終了したため我々レポーターの為に解説会を急遽行って頂けることに。
嬉しいハプニングです。
足を捻挫されているにもかかわらず、我々のために・・・恐れ入ります。
上野裕和五段もいらっしゃいました。
解説会は勝又六段のお食事の後、どうぞごゆっくり。 この時の時刻は午後2時。
ここで、私もやむなく中座。
ここで再参加。
勝又六段がパソコンで駒を動かし、上野五段と共に解説。
女流棋士の中井広恵女流六段、中村真梨花 女流二段も解説に加わって頂きました。
席を外している間には、窪田義行六段や石橋幸緒女流四段も解説されていたようです。
101手目で双方とも1分将棋に突入し、その2手後103手目の斎田女流四段の▲5七歩の手を見て、上野五段が「負けたくないんでしょうね」と発言。
「そりゃそうでしょ!」と突っ込まれて、会場は笑いに。
それからしばらくした後で、興味深いやりとりがありました。
上野五段が「僕は指した後に悪手だと気付くと、後悔してもムダだとわかっていても、その悪手について考えてしまうんですけど、どうですか?」と中井女流六段に訊いたところ、
中井女流六段もその意見に同調し「いやダメだ。こんな事を考えていてはと思い直して、次の手を考えます」とのこと。
勝又六段に訊くと「私は、森下卓九段に『指した手が最善手』と教わりました」と仰っていました。
当日、森下九段は竜王戦1組の対局があり、お昼休憩時に自販機で何か購入されているお姿を拝見いたしました。
対局の結果は森下九段が勝利いたしました。おめでとうございます。
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前回ご報告したとおり、本日2月16日(火)に行われました第3期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦
斎田晴子女流四段-甲斐智美女流二段戦のレポートをさせて頂きます。
対局開始 午前10時
振り駒により斎田女流四段が先手となりました。
斎田女流四段は生粋の振り飛車党。
後手の甲斐女流二段はずっと居飛車党でしたが、4年程前から振り飛車党に変更。
中村真梨花女流二段によると「甲斐さんとVS(1対1の練習将棋)をしている際に『振り飛車党になろうかなぁ』と宣言をして、それから振り飛車党になったんです」との事。
宣言してから転向するのは珍しいですね。
振り飛車党同士の対局ということで、当然、相振り飛車になるかと思いきや・・・
先手のゴキゲン中飛車に対して丸山ワクチンにて対抗。
マイナビ女子オープン公式サイト
にて棋譜中継が行われていて、
そちらで詳しく指し手の解説されていますので、当ブログでは指し手の解説はあまりしません。
47手目▲5五歩と指した後昼食休憩に入りました。
昼食休憩を挟み対局再開後しばらくしてから我々レポーターが入室。
プロ棋士の対局は、公開対局で観たことはあっても、将棋会館の対局室での観戦はもちろんのこと入室も初めて。
その初めてが『特別対局室』でした。とても感激です。
入室時。後手の甲斐女流二段が48手目△3三桂を指した後の様子。
(フラッシュが焚けないので、やや暗めの画像となっております。以下同様)
その時の盤面。
棋譜用紙も撮ってみました。
しばらくしたのち、斎田女流四段が49手目▲9三桂成と着手した瞬間。
我々が退出するときまでには甲斐女流二段は戻らず。残念。
その退出する際に、斎田女流四段は我々の方を見て軽くお辞儀をされていました。
いやぁ、自分の手番ではないとはいえ、重要な対局なのに中々出来ることではありません。
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2月16日(火)に第3期マイナビ女子オープンの挑戦者決定戦
「斎田晴子女流四段 対 甲斐智美二段」が行われます。
この対局の勝者が矢内理絵子女王と「女王」の座をかけて五番勝負が行われる重要な一局です。
当日は、「マイナビ女子オープン」のサイト
にてリアルタイムで「棋譜中継」が行われます。
将棋界初の試みである「対局のリポーター」の1人に選ばれましたので、
当ブログでは対局開始時の対局室の様子や終局後の感想戦の模様および
挑戦者決定戦の勝者と矢内理絵子女王との記者会見の内容などをお伝えいたします。
お楽しみください。
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詰将棋(つめしょうぎ)とは、王手をするもしくは王手をし続けることにより
敵玉を詰ますことを目的とした問題のことです。
王手をしていく側のことを攻め方(せめかた)と言い、
相手側のことを玉方(ぎょくかた)、もしくは受け方(うけかた)と言います。
問題は1手詰、3手詰、5手詰~と奇数の手数になります。
1手詰めの問題であれば、最初の王手だけを考えればいいのですが、
3手詰め以上の問題は、攻める手を考えるだけでなく、玉方の応手も考えなければなりません。
ルール
1.攻め方は王手の連続で詰ます。
2.盤上や持駒以外の残りの駒(自玉以外)は、すべて玉方の持駒として使える。
3.攻め方は迂回手順を避け、最短で詰ます。
4.玉方は最長、最善の手順を尽くして逃げる。
5.玉方はムダな合駒をしない。
6.攻め方の持駒はすべて使い切る。
7.その他はすべて指し将棋のルールと同じ。
説明の補足
3.大抵は、○手詰と表記されていますので、その手で詰まします。
5.ムダな合駒とは、合駒をしてもその駒を取ることで詰みになってしまうことです。
6.例えば、3手詰めの問題で持駒が2つあれば、持駒を打つ王手を2回続けて詰みになります。
詰手順の途中で相手の駒を取った場合は、その駒も使用します。
例題は小説内に載っていますのでそちらを参照してください。
「目次」へ
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「将棋盤と駒」
「駒の並べ方」
「棋譜について」
「先手後手の決め方」
「駒落ちとは」
「駒の動かし方」
「駒の動きと特徴」その1
「駒の動きと特徴」その2
「王手とのがれ方」
「決着のつけかた・詰み」
「詰めろと必至」
「決着のつけかた・その他」
「決着のつけかた・反則」その1
「決着のつけかた・反則」その2
「決着のつけかた・反則」その3
「封じ手」
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「封じ手」(ふうじて)とは、対局の中断時に有利不利がでないよう、次の手をあらかじめ記しておく方法のことです。
ルールとして説明するのはちょっと違うとは思いましたが、一応説明いたします。
プロの公式戦では、持ち時間が8時間以上あるタイトル戦で2日間に及ぶ対局の時にしか封じ手をする場面は現れません。
「次の一手名人戦」などのショー的要素のある公開対局では、1局の対局中に封じ手は何度も現れますが、
これはクイズ的なものなので本来の封じ手とは意味合いが異なります。
封じ手をするタイミングは1日目の規定時刻に手番の者が行うこととなっています。
規定時刻を過ぎても、すぐに封じ手をしなければならないわけではなく、
自らの持ち時間が残されている限りは封じ手を行うタイミングは自由です。
規定時刻の前に封じ手を行う場合は、規定時刻まで持ち時間を消費したとみなされます。
実際の流れ
1.封じ手を行う際には、立会人に「封じます」などと言い、封じ手用紙2枚と封筒を2通受け取ります。
この時に、持ち時間の消費は止まります。
封じ手用紙は、規定時刻に近づいたら記録係が局面図を手書きで2枚作成します。
局面図以外には棋戦名と先手・後手の対局者名が書かれています。
2.封じ手用紙を受け取ったら別室に移動し、赤ペンで動かす駒を丸で囲み矢印で移動先を示します。
もう1枚も同様に作成します。
3.2枚書き終えたら、それぞれを封じ手の封筒に入れ封をします。
封じ手の封筒の表には「棋戦名」「対局会場」「両対局者名」「立会人名」が記載されています。
4.対局室に戻り、封筒のフタ部分をまたぐ箇所に両対局者の署名を2通とも行います。
2通のうち、1通は立会人が保管し、もう1通は対局会場の金庫などに保管されます。
5.2日目の対局開始時刻前に両対局者は1日目の手順を並べ直します。
大抵の場合、対局開始時刻をほんの少し過ぎた辺りで、封じ手がされた局面まで進みます。
その局面まで進んだら立会人がハサミで封筒を2通とも開け、同一であることを確認して、
封じ手を読み上げ、両対局者に封じ手用紙の表を見せます。
6.読み上げられたら、封じ手をした者が着手をして、2日目の対局が開始されます。
なお、立会人が封筒から封じ手用紙を取り出し、立会人自らが封じ手の中身を確認する前に、
対局相手に見せるということもあったので、裁量はある程度立会人に任されているものと思われます。
7大タイトル戦の内、2日制のタイトル戦は名人戦、竜王戦、王位戦、王将戦の4棋戦です。
持ち時間は名人戦のみ各9時間で、他は各8時間です。
王座戦(各5時間)、棋王戦(各4時間)、棋聖戦(各4時間)は1日制なので、封じ手はありません。
なお、順位戦は持ち時間が各6時間の1日制なので終局が日付をまたぎ深夜におよぶことも多々あります。
当小説に出てくるタイトル戦「将聖戦」(当然、架空です)は2日制なので封じ手があります。
ちなみに、「古畑任三郎」第1シリーズ第5話「汚れた王将」では「封じ手」が重要なトリックとして用いられていますが、現行のルールでは不可能です。
しかし、この回は「古畑」と「コロンボ」が夢の共演を果たしているミステリーファンにはたまらない回です。
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