2021年12月京都旅
▼前回までのお話はこちら
この日のディナーは、こちらのブログでも一度ご紹介できたらと、ずっとずっと思っていた、京都の中、、いえ日本の中でもひときわ異彩を放つ、荘厳な世界観をもつ場所
それは、、
閑臥庵
(かんがあん)
寛文11年に開山した、黄檗宗(おうばくしゅう)の由緒ある禅寺、閑臥庵。
その禅寺の中で、黄檗宗に伝わる伝統的な普茶料理をいただくことができるんです。
場所は、鞍馬口駅からほど近い静かな住宅街の一角。
情報がないと、まさかこの門の先に、、
息を飲む幻想的な風景が待ち構えているとは、、なかなか想像できないかと思います。
コメ子も初めて伺った時の、その衝撃が忘れられないので、こちらに知人を案内する時には、あえて事前情報一切なしで、連れて行くようにしています!
さて、それでは中へと。
門をくぐり、
それぞれ表情が異なる、たくさんの石像に見守られながら、境内への道を進みます。
そして、右へ曲がると、、
待ち構えているのは、突如暗闇を裂くように現れる、幻想的なこの風景
灯篭を頼りに神々しく光を放つ本堂へと、石畳の道を進んで行きます。
そして、本堂手前の左手にある入口へと。
お食事はこちらの棟でいただくことになります。
室内から四季折々の風景が楽しめる、枯山水のお庭も
夜はライトアップされ、日中とはまた違う幻想的な雰囲気です。
そして、こちらでのお食事は、
すべて完全個室。
ブラックシャンデリアに金箔が施された襖、ランプの揺らぎ、、
禅寺のイメージとはかけ離れた、煌びやかさや妖艶さも感じる、そんな異空間です。
最初に出していただくお抹茶をいただきながら、
本日のお料理の説明を受けます。
普茶料理というのは、一言で言うならば、中国式の精進料理のようなもので、大皿料理を取り分けていただくスタイルが基本。
さらに彩りや盛り付けもとても華やかなのが特徴です。
そして普茶料理は、魚や肉を使用した料理は一切なし。すべて野菜や豆、穀類を使ったアレンジメニューが並びます。
いわゆる、ヴィーガンメニュー!
コロナ前は、海外の方もよく来られていました。
ところが、メニューには、
うなぎの蒲焼きの文字が?!
これはいわゆる、もどき料理で、野菜などを使ってそれらしくアレンジしたもの。
後述しますが、このもどき料理、レベルが高くて本当にすごいです!
それでは、この日いただいたお料理を簡単に
季節野菜の煮合わせと、梅干しの日の出揚げ
梅干しが最高に美味しかった
揚げ物
胡麻豆腐
くず引き
こちらは、雲片(うんぺん)という代表的な普茶料理の一つで、捨ててしまいがちな野菜の切れ端を胡麻油で炒め、くずよせしたもの。400年も前の時代からすでにフードロスに取り組まれているとは!すごいです。
お浸し
うなぎの蒲焼きもどき
お味はほぼ、うなぎ
皮の部分は海苔を使って再現されています。
炙った感じや、香ばしい香りまでも本当にそっくり。。
以前
「ここまでそっくりに近づけることができるなんて、本当にすごい!」
と感激していたら、
なぜここまで再現することができたのか、、その理由を、教えてもらったことがあります。
答えは、、
「執念」
なのだそうで。
"昔食べたあの味を何とかもう一度味わいたい"と、魚や肉を食せない僧侶たちが少しでも本物に近づけるため、研究を重ねた結果なのだそうです。
こちらは、
湯葉
酢の物
ご飯とすまし汁
そしてデザートは、
おぜんざい
目も舌もお腹も気持ちも、大満足
そしてこの日は、執事長がいらっしゃり、黄檗宗の歴史や黄檗宗ととても関連の深い陰陽道の興味深いお話もたくさん伺うことができて、歴史好きにはたまらない時間でした。
陰陽道にゆかりのある神社といえば、、こちらの晴明神社も有名ですよね
ちなみに閑臥庵では、御朱印もいただけます
帰り際には、ご好意で本堂の中をご案内してくださいました。そして、普段は入れないという場所にも
写真は控えましたが、とても貴重な経験をさせていただき、嬉しかったです。
そんな閑臥庵、メディアが放っておくはずはないと思うのですが、ガイドブックをはじめ、テレビなどでも大々的に取り上げられることはとても少なく、近年メディアの露出はほとんどなし。。それをずっと不思議に思っていました。
その理由を尋ねてみると、、取材など、近年はほぼ(一部を除く)お受けしていないからとのことで。
この雰囲気、このサービス、このお料理を維持するために、、その判断はやむを得ないものなのかもしれません。
そんな、コメ子オススメの京都、閑臥庵。
皆さんの次回京都旅のよき思い出に
何かのご参考にしていただけるようであれば、、コメ子も嬉しいです
さて、翌朝。
リッツで迎えた2日目の朝は快晴!
あっという間に最終日。。ということで?!
朝から、ちょっと、、ひとっ飛びしてきます!
つづく
▼ヴィーガン繋がりの過去記事からピックアップ
コメ子。