ダブルデザインの「統合ブレス」。

佳世ちゃん(本名:中村佳世)は、「Patchouli-kayo* Fairy’s garden」の屋号で活躍している天然石アクセサリー&革細工作家。そして、アロマセラピストでもある。
5年ほど前に出会い、年を経るごとにどんどん仲良くなった。
偶然同い年で、東京で仕事をしていた時期も一緒。
新しい生き方を模索していた頃に知り合い、それぞれ七転び八起きしながら(笑)自分の道を築いてきた。
2年ほど前、革細工をメインにしていた佳世ちゃんが、天然石アクセサリーも作るようになった。
天然石のブレスはあちこちでたくさん売っているけれど、彼女のデザインは一味違う。
遊び心があって、とてもきれいだと思った。
最初に身に付けたのは、水晶にグリーンと紫の石を合わせたブレス

配色がすごく気に入って、購入させてもらった。
そして数カ月後、突然青い石がイメージに浮かぶようになる。
持っていたブレスが大好きだったので、また新しいものを買う気にはならなかったが、1週間経っても「青い石」が見えてくる。
私が知っているソーダライトやラピスラズリではない、ということは確信できた。
では、一体何の石だろう?
あまりにも何度も浮かぶので調べてみると、
「カイヤナイト」という石らしかった。
「突然なんだけど、どうも青い石が要るらしい」と佳世ちゃんに電話をかけ、
去年の冬、盛岡に帰省する直前にサロンを訪ねた。
そこで手に入れたのが、カイヤナイトとアクアオーラのブレス

「不思議とね、最近カイヤナイトがよく出るんよね」と言われた。
カイヤナイトは、「人生の岐路に立ったとき、持ち主を導き、勇気と自信を与えてくれる」といわれる石だった。
腕にはめると石がキラキラ光り出し、「石が喜んでるよ!」と言われた。
とにかく今の私に必要だったんだな、と腑に落ちた。
それからは、毎日欠かさずカイヤナイトのブレスを身に付けた。
特に仕事のときは心強く、サポートしてくれる存在だった。
そして3カ月後、ある日の朝、何も圧力を加えていないのに、ブレスの中の小さな水晶が突然ポロッと割れて落ちた。
その日の夕方、東日本大震災が起こった。
私の実家は岩手。
繋がらない電話をかけ続け、家族の無事を確認するまでは何も手に付かなかった。
震災の日を境に、お気に入りだったカイヤナイトのブレスに違和感を持つようになった。
1カ月経ってもその感覚は変わらなかったが、せっかく買ったんだから…と、貧乏性の私は使い続けていた。
ちょうど別の用事でサロンを訪れたときに、佳世ちゃんに相談してみた。
実は、佳世ちゃんは石の気持ちがわかる。
本人は変な人と思われるのが嫌で隠しているが、その能力は本物だ。
石が元気とか、喜んでいるとか、疲れているとか、石の波動をキャッチできるのだ。
本当にすごい力だと思う。
ちょうどその頃から、手持ちの石が使えるリフォームメニューができていた。
自分の石と新しい石を組み合わせて、新しいデザインができるのだ。
代金はデザイン料と新しい石の分だけなので、かなりお得になる。
ブルーグリーンのアマゾナイトが気になり、今度は明るい色彩のブレスが出来上がった。
このブレスもすごく気に入っていたのだが、
11月、ある出来事を前にして「どうしても黄色い石がいる」と思った。
太陽のような輝きを宿した黄色い石だ。
例によって、何の石かはわからない。
駆け込み寺のように佳世ちゃんのサロンに行き、
あーでもない、こーでもないと言いながら、ルチルクオーツ、シトリン、アラゴナイトなど黄色系の石を組み合わせた「太陽のブレス」ができた。
そして、アマゾナイトのブレスのリニューアルもすることになり、
ムーンストーンとアクアマリンを入れた乳白色の「月のブレス」ができた

まさに陰と陽の2本が同時に誕生した。
この瞬間、二人で感動!「お~!!」と盛り上がった。
「こういうことがあるから、やっぱり石はやめられない」
と、佳世ちゃんがポツリと言った。
「すごいのができちゃったな~!」と上機嫌の私。
もうこれで最終形かと思っていたのだが…、
その考えはまだまだ甘かった。
3月2日、仲良しメンバー3人でパワースポットに行った後、
「統合」というキーワードが浮かんだ。
陰と陽の統合。すべてを一つに。
とうことで、3月10日に生まれたのが、この「統合ブレス」。
ほとんど手持ちの石を使ってできた。
石が多いため、初めてダブルのデザインを採用した。
手持ちの石からどれを使うかは、なんとなくわかっていた。
佳世ちゃんが「これが入るみたい」と選んだ瞬間、やっぱり…と思った。
すべての石を組み合わせたとき、石がピカーッと光った。
「石が喜んでいる。これでいいみたい」
と、作者は満足な笑み。
あまりの美しさにびびってしまった私。
「ちょっと派手すぎない?」
今までより若干大きめのサイズにとまどったが、
このゆとりと遊びを受け入れろってことなんだな、と納得。
かくして1週間、〝統合ブレス″と仲良く過ごしている。
私は、石が人間の願いを叶えてくれる道具だとは思っていない。
私にとって天然石は、願望や潜在意識をシンボル化して見せてくれるもの。
変化に気づく前兆であり、それを持つことによって進むことに弾みをつける。
信頼できるセラピストの存在があるから、石を通してインスピレーションが来るのだろう。
天然石は地球のひとかけら。
きれいな姿に癒されるし、身に付けることで心が落ち着く。
日常生活の中で起こる様々な出来事に振り回されず、自分らしく対応することを思い出させてくれる。
きっと佳世ちゃんの作品を持つ1人ひとりの方に、それぞれの物語があるんだろうな。
さて、これから先、私の天然石物語はどう綴られるのか。
我ながら楽しみである
