「ぅわー!!」
と1人で大声を出してしまった。
後ろにいた2人は、私がすっ転んだのかと思ったらしい。
あまりにも神聖な霊気に圧倒された。
考えるよりも先に声が出て、自分でもびっくり。
ベールのような白い空気は、凛とした威厳があった。
青龍窟はかつて修験者たちの霊場となった場所で、
豊玉姫(とよたまひめ)を祭神とした祭壇がある。
祭壇に向かって手を合わせ、中に入った。
壁面の模様が、大きな目のように見えた。
すべて見ておるぞ…と言われているようで、
身が引き締まる思いだった。
洞口ホールに入ると、佳世ちゃんがすぐに涙を流し始めた。
手にはしっかり水晶のクラスターを握っている。
水晶を通して何か感じているらしい

しばらくすると、今度は月夜美さんが
「なんだかわからないけど、涙が出る」
と言って泣いていた。
ルチルクオーツを水場に置いた瞬間だった。
きっと魂が共振しているのだろう。
浄化の涙のようだった。
自分でも忘れている大切な“何か”が、無意識の領域から引き上げられると、
感情というフィルターを通さずに涙が溢れてくる。
こんな涙を流した後は、必ず現実が大きく変わるものだ。
佳世ちゃんは、人生の一番辛い時期を共に過ごしてきた水晶を、
この日手放すことになった。
静かな儀式を行い、新しいステージに立つ準備をした。
月夜美さんは、いろいろなことを深く感じているようだった。
「あのさ…、女の人の歌う声が聞こえたよね」と遠慮がちに教えてくれた。
もちろん、私と佳世ちゃんには聞こえていない。
原エツコ先生が青龍窟に来たとき、歌いながら磁場調整をしたと聞いていたので、
時空を超えてその声をキャッチしたのかな、と思った。
2人に比べると私はかなり鈍感だ。
よくそんなことがわかるもんだなぁ~と、感心するばかり。
月夜美さんも佳世ちゃんもかなり敏感な人だが、
それぞれキャッチする情報は違う。
みんな異なるセンサーを持っているのだろう。
私は、といえば、洞窟内の涼しい空気が心地よく、
ただひたすら気持ちよく過ごしていた。
不思議と寒さはまったく感じなかった。
衝動的にお誘いした張本人としては、
2人の様子を見て、来た意味があったようでよかったな、とホッとした。
神聖な場所から出た後は、ゴミがやたらと目についた。
片方の手袋やビニール袋が落ちていて、落ち葉の下にはビールの缶まであった。
そのままにしておけず、少しだけ掃除をしようと拾い始めたら、
どんどん古いゴミも見つけてしまい、大きな紙袋がいっぱいになった。
汚れた手を小川で洗い流し、すっきりした気持ちで、青龍窟を去った。
車が出発すると、なんだかとてもうれしくなった。
「おめでとう」「ありがとう」と言いたくなるような気分だった

気がつけば、お昼をかなり過ぎていて、お腹ぺこぺこ。
ランチをしながら、好きなことをしゃべりまくった。
そして、このとき「統合」というキーワードが浮かび、
佳世ちゃんに統合ブレスを作ってもらうことになった。
このブレスのことは、3月のブログ「天然石の物語」で書いている。
そういえば…、天然石ブレスのブログを書いたことで、
出会えた人がいる。
小倉南区で整体院を営む磯部久子さんだ。
整体師としての専門性に加え、メンタル面のケアもできる方で、
幅広く深くいろいろなことを学ばれている。
素晴らしい直感力と行動力がありながら、
客観性を兼ね備えているためバランスがよい。
一歩先を進んでいる同志のような人だと思った。
磯部さんは佳世ちゃんのお客さん。
深いご縁があることは、佳世ちゃんから聞いていた。
私のブログを読んだ磯部さんから連絡があり、
5月の初めに佳世ちゃんと一緒に3人で会った。
初対面のこの日、「3人展」を行うことが決まったうえに、
ライターの仕事でもお世話になることになった。
繋がる人とは脈のようにどんどん繋がっていく。