「米田史学」 大学に入ってからでは遅い | 民営文化センター

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民営の文化センターを開設するのが夢。このブログを書いているうちに何かヒントが掴めると思ってやっています。不器用で華やかさに欠ける画面ですが、少しでも世の為人の為になればとwrite everything forever

 

高校生諸君が一連の米田本を読んだとすると、日本史の入試問題は回答不能に陥る場合が充分に考えられます。

 

従来の説もある程度は知っておくべきと思い、手元に山川出版の『詳説 日本史研究1998』を置いているのですが、その中に日本史においては、常に「一つの正しい歴史」が存在するわけではない。また過去の出来事がすべてわかっているわけでもない。今日、わかっている出来事は、ぼう大なわかっていない出来事に比べれば、ほんの一部――「九牛の一毛」にすぎない。したがって、新しい史料の発見、埋もれていた史実の解明、異なった見方・考え方や解釈の導入が、これまで常識となっていた定説を大きく書きかえ、歴史の意味やイメージを全く変えてしまうことも珍しくはない。その点では歴史をできる限り多角的にとらえ、さまざまな視点から、いわば複眼的に見直す努力も必要であろう。」とあります。この通りなら、とっくに「法隆寺移築説」は世の中に広まっている筈。

 

それはさて置き、これは歴史に向き合う姿勢を示していると思うのですが、高校生にとって当面の問題は大学入試合格です。先ずは定説を頭に叩き込むことが先決です。めでたく入学すると「歴史に向き合う姿勢」はどこへやら、定説が頭の片隅に曖昧でも少し残っていればOKでオシマイ。社会人ともなれば・・・  あとは言うも無駄。  

 

若者たちに迷惑をかけてはいけないと思い、今まで静かにしていました。

しかし、気がつくと『続 法隆寺は移築された 建築史学入門』のコラムの記事の対象は無意識のうちに若者に向けられていました。

 

書いた以上は読んで欲しい、しかも一定以上の影響力を伴うように。行動しなければ、現状のままと考え、米田本を読んでも入試に影響を受けない生徒諸君に著書をプレゼントしようと思いつきました。トップ写真のようなカスタムメイドの装丁にすれば、より愛着が湧くと考えたのですが如何でしょうか?

 

古文の授業で「琵琶湖の鯨問題」、日本史の授業では「白村江敗戦後の唐による日本占領」等のテーマで、教師を教壇に立ち往生させる楽しみが待っています。青春はこうでなくっちゃ!