学習参考書にまつわる思い出話シリーズです。
― 国語
英数国とも旧制愛知一中の先生のお世話になったのだが、受け手の側のレベルがヒド過ぎ“猫に小判”状態は明白だった。
それでも、恥をかきながらも授業にはついていこうと必死だった。
現代文は教科書等教材以外の一般書(小説も含む)の読書量のなさが致命的で、テストで効率的に点を取ることに集中せざるを得なかった。
古文も消化不良は明白で、古代の貴族たちの生活の雰囲気を味わうには程遠かった。
漢文はたまたま使っていた『漢文の研究』(旺文社)の内容が入試問題に命中しラッキーだった。
写真にある『古文研究法』(小西甚一著)は名著の誉れが高かったが、ネットの批評にあるように、内容は難しく感じたことを覚えている。
新刊の『チャート式 古文解釈の研究』に辿り着きホッとしたことを覚えている。
ところで「法隆寺は移築された」で有名な米田良三氏は仮説の鋭さで一目置かれる存在だが、著作の中で、いちいち引用文献を示さない情報とかヒントがいっぱい隠されているように感じたので、直接本人に聞いてみた。
氏は自宅から近い国会図書館に足繁く通い続け、普通の人が手にしない文献にも目を通し、その渉猟態度の激しさに館員がネを上げていたとのことである。
さらに「古文読解の特訓でもやったのですか?」と尋ねると「高校の時の古文だけ」との答えであった。
因みに、三重県立松阪高等学校が氏の出身校である。
米田建築史学の後半4著作(AB&JC PRESS版)にも「古文」が頻繁に登場するが、なんとなく雰囲気を味わうだけでなく、本格的に理解を深めたいと思っている。
『古文研究法』についての引用
今年は古典を本格的に原文で読めるようになりたいと思い、正月から読み始めたのが、やっと読み終わった。
とにかく内容が濃く、一読しただけで全部の内容が頭に入ったわけがないけど、やたら難しい演習問題もボロボロながら一応全て取り組んだ甲斐あってか、勉強を始める前よりは随分古典を読めるようになってきた気がする。
元々は半世紀以上前に受験生向けに書かれた本だが、今はよほど古典が好きで、意識が高い学生でないと難しいかも。
問題の出題の仕方も現在とは大分違いそうだし。
でも社会人が頭を鍛えるにはもってこいの本だった。