「謎の寺」と云われる法隆寺であるが、その謎のほとんどが移築説で説明可能である。「秘密を隠すと謎になる」のは何もこの寺に限ったことではない。NHK-TVの特集で建築学者のS氏が「法隆寺の謎は謎のままでいいのではないでしょうか」と発言した時は思わずのけぞってしまった。完全に守りの姿勢がみてとれる。
しばらく訪れていないので、現在は改善されているかもしれないが、救世観音の御開帳に出掛けた時はひどかった。暗い雨の日だったが、夢殿の中を金網越しに中を覗くも、ぼんやりと金色のかたまりが見える程度だった。金堂の内部も暗い。観光タクシーの運ちゃんが懐中電灯で照らしながら「ここではライトが必須だよ」と教えてくれた。サービス精神が全く感じられない。
一方、人気の百済観音は展示館も新築され、ガラスケースに納まり、かなり近い距離で鑑賞できる。米田説では救世観音と百済観音は夫婦である。妻はスポットライトをあび、夫は注目されないように暗い空間に閉じ込められている。二人がそろって展示されない限り、現在の日本のツキは落ちたままで、国難は解決されないだろう。この二人は九州王朝の法興帝とその皇后であり、二人の間に生まれた子が光源氏(のモデル)である。
わかりますか? この楽しさ!