ホームページでご案内した米田良三氏のAB&JC PRESS版第4作『柿本人麿と倭国・日本国』(仮題)の制作を始めました。
これからしばらくPCと格闘する日々が続きます。
このアナウンスにあたり、著者から寄稿がありましたので以下に掲載します。(S.渡辺)
老いの宣言
71歳の私に残された時間は限られている。肉親の寿命からすると長く
て20年であり、今日明日にもお迎えが来るかもしれない。
柿本人麿が104歳の長寿を全うしたことに関しては『柿本人麿と倭国・
日本国』(仮題)をご覧いただくとして、限られた時間に鑑み、小僧
と言われそうだが、 ここに老いの宣言を発することをお許し願いた
い。
*
突然ではあるが、5年後の2020年の東京オリンピック前後に東京駅辺の
直下を震源とする大地震が起こる予感がある。
東京直下型地震と呼ばれる地震で、規模的にも安政地震の再来と捉え
てよい。地表面の地震水平加速度は980ガル(=1G)以上で、数秒間
は大きい揺れが続く、阪神淡路大震災の震源域を襲ったのと同じ、震
度7の地震である。
丸の内、銀座のビルは、1階部分の柱で剪断破壊が起こり倒壊する。
東京スカイツリーも同様であるが、倒壊によって続いてどのような事
態が起こるかは誰も想像が出来ない。
安政地震の場合、激震地丸の内周辺の被害に終わったのは全ての建物
が地震の被害を免れる技術で造られた伝統的日本建築(神社・寺院・
城・民家など)であったからだが、今回は明治時代に西洋から取り入
れた耐震技術で造った現代建築に代わっており、少なくとも東京都、
埼玉県、千葉県、神奈川県に被害が及ぶであろう。
取り返しのつかない事態になることは明らかだが、さらに時間がな
い。
専門家は伝統的日本建築の地震に対する技術を素直に学ぶべきである
こと、声を大にして言いたい。又私が発明した免震治具アンティシス
モは法隆寺金堂からヒントを得ており、伝統的日本建築技術の現代版だと考えている。ご理解を頂き、導入事例が少しずつ増えているのが現状である。地震対策に役立てば幸いと考えており、ぜひとも試していただきたい。
(2015年1月23日)
米田良三