思索の10月 | Nagoya Double-Reed Ensemble
ぬふぁ~。
ども、こんばんは、だーいしです。
朝晩めっきり涼しくなりましたが、皆さんお変わりありませんでしょうか?

まず名古屋ダブルリードアンサンブルの公演の宣伝です。

北名古屋市文化祭2015
日時:11月1日(曜日) 午後1時30分から(45分間)
会場:北名古屋市文化勤労会館ホール
入場無料

北名古屋市の文化祭でわれわれ今回6人編成で演奏します。詳細はこちらホームページで↓
http://daburi.info/play/index.html#play151101

楽しい曲目をご用意しております。皆様どうぞお越しください!

以下、相変わらずの
ニョロニョロ日記
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にちようび
 岐阜の大垣でチャリティコンサートの指揮をする。あの震災からもう4年半前になるが、福島から岐阜に避難生活を続けている子供はまだ実はたくさんいて、その子たちに少しでもと、収益を図書カードにして送るものである。
「今ある一銭を分かち合いなさい」「人はパンのみによって生きるにあらず」という言葉は本当にその通りだと思い、これは私の信条でもあるが、お金持ちが同情心からボランティアや募金をするのはすでに過去の形で、現在ではわれわれ市井の市民がお互いに助け合う時代だと思う。また、「」が満たされることはもちろんだがそれだけでは決して十分とは言えない。むしろ、「教育」というものこそが本当に大事ではなかろうかと思い、本公演の実行員さんの主旨に添沿えるよう、私のできることであればすべて協力させていただき準備させていただいた。友情出演していただいた中学生さんにも、少ない練習時間のなかではあったが、こんこんとその意義を説明した。この公演はもう4回目であるが、予想以上の収益・募金が集まり、本当に有り難いことだとあらためて皆さんに感謝の気持ちで一杯で終演。で、打ち上げで滅多に飲まない酒を飲んで調子こいて居酒屋の角で足をぶつけ勝手に流血(笑)。


げつようび
 本番。前日の打ち上げ終わって酔っぱらいながら帰宅し、深夜ホテルで削ったリード(激重)を無理矢理吹いたので口がもげるかと思った(笑)。やっぱりあと材料の厚みを0.01mm薄く設定するべきだった。

ようび
 リハーサル、レッスン、レッスン。早朝会議が××で気分が△○×(自粛)。

すいようび
 リハーサル。あのねえ4時間のリハーサルのみで15曲(しかもうち3つはメドレー)を何とかするって死ぬわ(笑)。

もくようび
 本番。映画音楽をオーケストラで。アレンジが素晴らしく吹いていて幸せになる。が、「シン◎ラーのリスト」「ガブ△エルのオーボエ」「タイ●ニック」「ムーン■バー」となぜか後半にソロが集中し
(たぶん合計100小節以上ソロがあった)、アングレとの持ち替えも頻繁で、ヌケガラのようになって帰宅。
 「タイ●ニック」の冒頭、
イーリアンパイプが奏でるメロディをオーボエで代用するのだが、"バグパイプ風に"とわざわざ書いてあるので、こりゃ素朴なイーリアンパイプで風はなく、もっとデコラティブに吹くべきかと悩み、装飾音をいろいろ加えて吹いたら指揮者に遠い目をされる(笑)。途中H-A下降グリッサンドもあり、アンブシュアを緩めたりしてやってみたが、戻す時に一瞬デコボコができてしまうので、アレコレ考えヘンタイ指づかいを編み出し吹いたらもっと遠い目された(笑)。
 ま、それはともかく名古屋の公演に珍しく両親が(特に父は映画好き)聴きに来てくれたが、帰宅してその父に「お前なんか一カ所音程不安定なところあったみたいだがえーのか!?」と言われ、お父様それはグリッサンドといって..と説明するのも面倒なくらいわたくしお疲れちゃんだったので「ウス。精進するっス。」と柔道部みたいな返事のみする。さらに「俺10年振りに地下鉄というもん乗ったけど、何だあれ、改札でピピっと光みたいなので読み取るやつ、あれ何度やっても上手くいかんかったで往生したわ!やっぱり今時のフレッツは難しいでかなわんな。カードは切符入れに挿入したらあかんのやな、やっぱりフレッツ難しいで◎△◇...!」と名古屋弁と愛媛弁が混らせながらフレッツを連呼され、お父様それは光ではなく磁気でたぶんマナカのことですよと訂正する気力も無く、「ウッス、それは名古屋市交通局かNTTに言っときまス」とのみ返事して、爆睡。

きんようび
 リハーサル、のちリハーサル。

ようび
 本番、のち本番(なんか天気予報みたいね)
 吹奏楽の本番終え、知多半島の先っぽに移動しウリャウリャと木管五重奏の本番。「あ~こーゆーナイスな所には次はフグ喰いに来てぇ」とメンバーの意見が一致。1時間半の本番はヘヴィだったが楽しかった、やっぱいアンサンブルっていいね。で、遅くなっちゃったし帰宅途中に健康ランド?みたいな入浴ニョロニョロ施設に寄ることにする。5人激ニョロニョロ。ひとっ風呂浴びてからめいめいに飲むか、ご飯を食べるが、このクソ寒い深夜にわたくしなぜか「フルーツサンデー」なる超女子なものを頼んでしまい、食べてる途中から歯の根が合わなくなる(笑)。結局もう一回風呂に入り。おかげで帰宅が大幅に遅れる。みんなごめん。でもちょっと遊びにいったみたいで良かった。

にちようび-すいようび
 いろいろな予定の変更があり、なんと4日間もoffができてしまう。こんなことは数年来無く、ちょっと本気で旅行にでも行こうと考え、ネットでありとあらゆる行き先を調べ(北の国から南の島まで)、南の島へはポチッと寸前までいく。だが、まてよと冷静になって、今後2月くらいの予定をこなすのにやるべきことは大丈夫か、いま時間をかけるべきことはないか、落ち着いて熟考に熟考を重ねた結果、結局旅行を断念する(ここが自分の人間の小さい所だ)

 とはいえ、いつものバタバタではなく、「ゆっくり時間をかけて作業や勉強する」ことが本当は今の自分に必要だと思ってはいたので、結果としては有意義だったと思う。

というわけで、
4日あったのでとりあえずリードを丸材割り、ガウジング、シェイピングし
7

8
40
本作ってみた。以前M先生とNT先生が「あたしは生徒に1ヶ月で100本リード作ってこいといいます」と言ってて、ヒ~そのスパルタ具合はいくら何でも無理やろと思ってたが、案外イケるかも。しかし超引きこもり生活でほぼ1日ひと言も声を発しないってのはココロに良くないざんす(笑)。

あとやってたのは
 現在受験生の子に楽典
(音楽理論の簡単なやつ)を教えてるんだが、そのなかで「調性判定」というのがあるんですね。数小節からなる楽譜を見て、ペーパーテストなのでむろん歌ったり音を出さずに黙読し、その調(何Durとか何mollとか)を判断するというもの。
 あ、楽典の試験というのは、
1
.作曲者や曲名を当てたりはもちろん、
2.音楽用語(正しくは楽語または発想標語と言います)を当てたり
 問題例) Vivace ma non troppoとはどんな意味かといったを当てたり
    正解はコチラ→「生き生きと活発に,だがはなはだしくなく」
      (→の右側を反転させてみてください、スマホではできないかも)
3
.音程を当てたり
   問題例) ・嬰ホ(一点えいホ)から、・・ロ(二点ロ)までは複音程で何度か 
    
正解はコチラ→減12度 (×短12度、×減5度)

とか、移調を書いたりとかあります。これらはでもそんな難しいものではないので、慣れればできるのでそんなに悩む受験生は居ないのですが、話を戻りまして「この調は何調か」という『調性判定』は、その面倒くささと分かりにくさから、つまづく受験生が多いことで有名です。わたくしも高校時代結構つまづきました(笑)

たとえばですね、こちら譜例12を載せてみました。それぞれ何調かわかりますか...これは簡単ですね。
1
1.はト長調(Gdur)、2はロ短調(hmoll)です。こちらドヴォルザークの交響曲第8番のメロディなのでご存知の方も多いかと思いますが、1は誰が見てもGdurと分かるくらい明快です。2は調号がシャープ1つですが、ド#になっていて、次にミに跳んでいるので(「跳躍する前の音は音階固有音である」の原則)、このシャープは臨時記号と見なすのではなく、この曲が転調していて、hmollであるというのが分かります。

ですが、実際の受験に出てくる問題は、調号なんて親切なものはついてなくて、一見全部臨時記号に見えます。また、もちろん知らないメロディを一部切り取ったものが出題されるので、メロディの終わりの音(終止音)からその調を推測するラクチンな手は使えません。ちょっとわたくし受験風に作ってみましたが、次のがそれです
2
これも途中で終わっているので、Gdurではもちろんありません。
   
正解はコチラ→ヘ長調(Fdur)

どうでしょうか、実際はもう少し難易度が高いものが出ます。音部記号もト音記号ではなかったりします。作ってみましたがこの程度のイヤらしいのもバンバンでます↓
3
 正解はコチラ→嬰ハ短調(cismoll)
7-8小節目がトリッキーなところ(ナポリのⅥがあるため混乱させられる)です。

で、もちろん楽典の本には「どのような順番で」「どのように判別するのか」が載っているのですが、まあこれが同じ日本語と思えないくらい分かりにくく、原則の「例外」「例外」もあったりして油断できません。

また本によって、「増1度進行の除外」からスタートする流儀と、「短二度上行進行の性質」からスタートする流儀のとでやり方が違うので、複数読むともれなく混乱します(笑)。とはいってもこれはコインの表裏と言えるので、実際は同じこと言っているのですが。

 で、この4日間、だーいし流「もっと簡単で分かりやすい判別法法を編み出せないか」ということに費やしてたわけですね。ふと気がつくと6時間過ぎてた..なんて4日間でした。
 それでとうとう「これスゲェ!我ながら大発見、ちょっと自分天才かも!?」ってのを見つけたので、意気揚々と後輩の演奏仲間くんを呼びつけドヤ顔で説明する。

「...そうなんですけど、それって事例が10個に1個ぐらいしか無くないですか」
といわれ、あらためて見るに、そうね(笑)。

「ほんでも、これは『調性音楽』たらしめる最重要要素だから、大発見だと思う!!」
と強がり帰宅。で、あらためてたくさんの事例を拾うに、後輩くん正解。もっといろいろな観点から物を見なきゃアカンわと思い秋の夜風がひとしお冷たく感じたこの頃でした

 でも(くどいようですが)、ここ3ヶ月くらい自分の中でずっとずっと考えていたテーマ「西暦1500年から約100年間で、音楽が、複雑で微妙な表情を見せる12種の『旋法』から、なぜ長調と短調というたった2つの単純ものに収斂・淘汰されていってしまったのか?そこにあったドラスチックな転換とは何だったのか?」ということについて相当はっきりとした答えが見えてきたので、そのアイデアを温めて、年金もどうせもらえない65歳くらいになったら本でも出版しようかなと思っておりますので買ってください。「ニョロニョロ日記数十年分(付録:誰でも分かる調性判定つき)。4万ページ、予想価格30万ドゥカーティ。みなさんもそれまで生きていてくださいね(笑)。
とりあえず11/1(
)の北名古屋市に来てください~! 手品もあるよ~