イスラエルでのワクチン接種が始まって間もなく、日本のマスコミは「ワクチン接種が進むイスラエルで感染者減少!」、「イスラエル、ワクチン効果で感染者減少!」などとしきりに報じていた。

 

どう考えても、ワクチン接種率2割程度で早々に効果など出るわけがないのに。

 

私は当初からクリスマスや年末にかけての人々の気や行動の緩みが原因で感染拡大し、それが、年明けとともに通常レベルに落ち着いてきただけだと考えていた。

 

実際、このようなブログ記事を書いている。

 

2021年1月21日 

「『ワクチン接種で感染者が減り始めた』と大した根拠もなしに報じてしまうのはどうかと思う」

 

2021年1月27日 

「マスコミは『イスラエルがワクチン効果で感染者減少』と報じているが、なぜUAEには触れないの??」

 

2021年1月30日 

「イスラエルの感染者減少をそのままワクチンに結び付けて過大に報じるのはどうかと思う」

 

 

 

数日前の情報番組にリモート出演していた医師も、「イスラエルはワクチンの効果で減少したのでしょうか?」というような質問に対し、「ワクチンの効果はまだ出てないと思います。」という返答をしていた。

 

ワクチンに期待し、ワクチン接種を促したい気持ちもわかるが、報道は現状における客観的な事実をもとに正しく報じるべきだろう。

 

ただでさえ信頼が薄れているのだから。

 

 

 

で、その報道によると、1月26日の記事では、

日本経済新聞 「ワクチン2回で陽性率「0.01%」 イスラエルの速報値 米ファイザー製、新型コロナ対策」

 

 

ワクチンを2回接種した12万8600人のうち、2回目の接種から1週間以上たった後の検査で陽性と判明した人は20人にとどまった。

12万8,600人のうち20人が陽性ということは⇒陽性率(感染率)約0.016%

 

その後の1月28日の記事では・・・

時事通信 「ワクチン有効性『92%』 ファイザー製2度接種で―イスラエル」

 

 

16万3000人のうち、2度目のワクチン接種後10日以内にウイルスに感染したのは31人にとどまった。

16万3,000人のうち31人が陽性ということは⇒陽性率(感染率)約0.019%

 

その後の2月12日の記事では・・・

NHK NEWS WEB 「ワクチンの効果「有効性93%と推定」イスラエルの保険機関発表」

 

 

2回目の接種から1週間以上が経過した52万3000人のうち、その後、検査で陽性反応が出た人は544人だったことを明らかにしました。

一方で、比較のために同じような人口構成で、ワクチンを接種していない62万8000人を調べたところ、陽性反応が出たのは1万8435人だったということです。

52万3,000人のうち544人が陽性ということは⇒陽性率(感染率)約0.104%

 

 

 

0.016% ⇒ 0.019% ⇒ 0.104% と徐々に増えているではないか!

 

陽性率はアップしつつも重症化は防いでいるそうなので、まぁ、良しとしましょう!

 

それに、「比較のために同じような人口構成で、ワクチンを接種していない62万8000人を調べたところ、陽性反応が出たのは1万8435人だった」ということは⇒ワクチンを接種していない場合の陽性率(感染率)約2.936%

 

ということなので、ワクチンを接種した方が感染自体もある程度は減らせるということなのだろう。

 

 

 

ただ、イスラエルや感染者の多い国はそれで万歳かもしれないが、日本に置き換えるとどうだろう?

 

ワクチンを接種しても約0.104%が感染しているということは・・・

 

東京都民1,400万人なら、1万4,560人が感染。

 

日本国民1億2,427万人なら、12万9,240人が感染。

 

ということになり、計算上今よりも遥かに多い感染者数になってしまう。

 

つまり、日本においては、ワクチンを接種しても気や行動を緩めれば今よりも感染者が増える可能性があるということになる。

 

 

 

ちなみに、人口1億2,427万人で1日1,300人ほどの感染者ということは、感染率約0.00105%ということ。

 

ざっくりとした計算上ではあるが、国民の行動で感染率を0.00105%にまで抑えているところに、ワクチン接種による間違った安心感で気が緩んでしまえば、最悪、感染率0.104%にまで上昇する可能性があると言えるだろう。

 

そう考えると、

 

感染者の多い国はワクチンに重症化予防と感染者減少の効果を期待できるが、

 

日本のようにワクチン接種以上に感染を抑えている国においては、重症化予防のみに期待し、感染拡大を抑えることへの過度な期待はしない方がいいのではないだろうか?

 

 

 

現状における客観的な事実によると・・・

 

ワクチンを接種しても(イスラエルでは)約0.104%の人が感染している。

 

ワクチン接種率が2割、3割程度だと、まだワクチンによる目立った効果は出て来ない。

 

日本はワクチン接種せずともワクチン接種した状態以上に感染を抑えている。

 

ということ。

 

今後知りたいのは、ワクチン接種した人が感染した場合に他者への感染も起こり得るのかどうか?

 

ワクチンを接種していれば感染は完全に防げずとも、他者への感染は防げるというのであれば、ワクチンにさらなる期待を持てる。

 

誰か調査・研究して教えてくれないものか・・・

 

こんな時こそ日本学術会議!・・・なんてな、上っ面だけの組織には期待できないな。そもそも、コロナ禍の今、日本国民に対して何か役立つことをしているのだろうか?