Ｓ君「ヲタ夫さん、今度の週末、秋葉原に行きませんか？」
会社の後輩、Ｓ君から突然このようなお誘いを受けたヲタ夫。
ヲタ夫「秋葉原へ？何しに行くの？」
Ｓ君「いや、この間ヲタ夫さん”メイド喫茶に行った”って言ってましたよね？
前々から、Ｍさん（同僚）と
『メイド喫茶って一度行ってみたいよね』て話してたんですよ。」
（ヲタ夫 メイド喫茶に行く はこちら ）
どうやら、未経験者二人では心もとないので、
メイド喫茶経験者であるヲタ夫に連れて行ってもらおうという話になったらしい。
ヲタ夫「メイド喫茶に行くのはいいけどさー。
秋葉原行くのにメイド喫茶だけなの？」
Ｓ君「え？他に何か面白いものでもあるんですか？」
ヲタ夫「は？秋葉原といえばＡＫＢ４８でしょ？！
AKB劇場でしょ？
そんなこともわからないで、秋葉原の改札は通れないよ！」
Ｓ君「あぁ、えーけーびーですか。
秋葉原でえーけーびーが見れるんですか。」
どうやらＳ君はアイドル関係にはまったく疎い青年らしい。
ヲタ夫「わかってないなぁ。
秋葉原に行ったらＡＫＢを見ないと駄目なの！！
そういうものなの！！」
そんなヲタ夫の主義主張にへーと声を上げるＳ君。
Ｓ君「そういうものなんですね。
まぁ、僕とＭさんはメイド喫茶に行けるのであれば、
後はなんでもいいんですけど。」
そんなＳ君にたたみかけるヲタ夫。
ヲタ夫「で？
Ｓ君はチームＡとチームＫとチームＢのどの公演が見たいの？」
Ｓ君「ちーむＡ？ちーむＫ？ちーむＢ？なんですか、それ？」
ヲタ夫「ＡＫＢ４８はチームＡ、Ｋ、Ｂの３チームで構成されているアイドルなの！
そんなことも知らずにＡＫＢ劇場へ行こうなんて、１００万年早いわっ！！」
Ｓ君「はぁ・・・でも、そんなことを言われても。
僕はメイド喫茶に行ってみたいだけなので。」
ヲタ夫「わかったよ。
とりあえず俺がチームＡ公演の抽選に申し込んでおくから。」
Ｓ君「はぁ・・・じゃあ、お願いします。
僕達はとにかくメイド喫茶に行ければいいので。」
就業時間を終え、
我が家へ帰宅してきたヲタ夫はその話を私にし始めた。
ヲタ夫「・・・・・・というわけで、今度の週末、Ｓ君とＭさんと一緒に
ＡＫＢ劇場に行くことになったよ。
あ、ついでにメイド喫茶も行くんだけど。」
私「・・・・・・・うん、話を聞いているとどう考えても
メインが”メイド喫茶”で、
ついでなのは”ＡＫＢ劇場”の方な気もするけど・・・。
まあ、いってらっしゃい。
ところで、後輩のＳ君は知ってるけど、Ｍさんってどんな人なの？」
そんな私の言葉に、嬉しそうに話しだすヲタ夫。
ヲタ夫「いやいや、それがさ、これがまた
すんごく面白い話なんだけどさ。
クックックッ( ´艸｀) ヒッヒッヒッ( ´∀｀)
ハハハ フフ(*^ｍ^)o ヘヘヘヘヘ(´∀｀)
ヒーヒーヒーヒー(ノ∀≦。)ノ
ブハッ∵ゞ(´ε｀●)。」
一人で笑い出し、吹き出す。
ヲタ夫は、自分が面白いと思う話をするときは、
話す前から笑いだしてしまう微妙な癖があるのだ。
しかも、その話は大抵面白くもなんともないからタチが悪い。
ヲタ夫「フフフ ヒーヒーヒー クククッ
いや、それがさ。
ヒッヒッヒッ ククク。
その同僚Ｍさんていうのが、
クックックッ ハッハッハッ ヒーヒー
めちゃめちゃオタクなんだよ！」
えっと・・・
あなたもオタクよね？
ヲタ夫「クククッ フフフ ヒーヒーヒー
いや、ほんとね。
フフフ ヒーヒーヒー クククッ
見た目から、めちゃめちゃオタっぽいの。」
安心して？
あなたも見た目からめちゃめちゃオタっぽいから。
ヲタ夫「ヒッヒッヒー クククッ フフ・・・
Ｍさんはパソコンとか、マシン系が大好きな
いわゆるメカオタクなんだけどね。」
いいじゃん。
そっちのオタクの方が。
アイドルオタクよりもいいじゃん。
ヲタ夫「ククク クックックッ ヒッヒッヒ
でね、この間の日曜日も秋葉原に行ったんだって！！
ね？筋金入りのオタクでしょ？！」
その前日の土曜日・・・
あなたも秋葉原に行ってたよね？
ヲタ夫「はー、笑いすぎて苦しいよ。
面白かったでしょ？」
私「いや、全然。」
ヲタ夫「え？今の話、面白くないの？
のりこ、大丈夫？」
こっちが大丈夫かって聞きたい。
ヲタ夫「でね、Ｓ君とＭさんはＡＫＢをよく知らないっていうんだよ。
チームってなんですか？とか言ってきてさー。
ふざけていると思わない？」
ふざけているのはお前だろ？
ヲタ夫「だから、とりあえずチームＡの公演に申し込むことにしたよ。」
なぜか偉そうに胸を張るヲタ夫。
私「でもさー。Ｓ君とＭさんは、メンバーの一人も知らないうえに
曲も聞いたことすらないんでしょ？
いきなり公演に行って、楽しいのかな？」
ヲタ夫「え？俺は楽しいよ？」
そりゃ、お前は楽しかろう。
私「なら、あなたがたくさん持ってるＡＫＢのＤＶＤ。
１本ぐらい貸してあげればいいじゃない。」
ヲタ夫「断る！！」
なんでだよ！！ヽ(`Д´)ノ
ヲタ夫「もし汚されたら嫌だもん。
キズとかつけられたら嫌だもん。
自分たちで買えばいいんだよ。
だいたいＡＫＢをよく知らないで秋葉原に行きたいだなんて・・・。
なんのために秋葉原に行くんだか・・・。」
なんのため？
だから、メイド喫茶に行くためでしょうがっ！！
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というわけで、後日。
チームＡ公演の抽選に申し込んだヲタ夫。
結果は・・・
はずれ。
本来であれば、本当の目的であるメイド喫茶だけに行けばいいだけの話。
だが、ＡＫＢの抽選がはずれたことですっかりやる気を失ったヲタ夫。
結局、ヲタ夫率いる秋葉原ツアー自体が中止になったのは言うまでもない。
実は１年も前の話。
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