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「インターネットの闇は深い」 匿名の「誹謗中傷」と戦う唐澤貴洋弁護士インタビュー
弁護士ドットコム
2015年5月25日(月)11時0分配信
インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷がたえない。個人に対する悪口から、読むに耐えないおぞましい罵詈雑言まで、毎日のようにネットのどこかで書き込みがされている。インターネットの怖いところは、そんな悪意のある言葉が、匿名の多数の人間によって拡散され、増幅していくところだろう。
---(中略)---
インターネットが社会に広まって約20年。このような問題はこれまで何度も指摘されてきたが、解消されていない。むしろ悪化しているようにも思える。ネット上の終わりのない匿名攻撃に、私たちはどう向き合えばいいのだろうか。
インターネット上の誹謗中傷問題に専門的に取り組み、その副作用として自分自身もネット上で根拠のない誹謗中傷を受けながら、1年で100件を超える個人や企業から相談を受け、被害者を救済すべく精力的に活動している唐澤貴洋弁護士にインタビューした。
●「動物的な感情」のぶつけ合いが野放しになっている
――匿名掲示板をはじめとして、インターネットには誹謗中傷の言葉があふれています。どう見ていますか?
---(中略)---
他人を傷つける誹謗中傷をおこなっている人は、想像以上にたくさんいます。
――どんな恐ろしいことがあるのでしょうか?
いったん、攻撃の対象になってしまうと、情報が本当なのかウソなのかきちんと検証されないまま、悪口がどんどん書き込まれます。しかも、真偽不明であるにもかかわらず、たくさん書き込まれることで、あとから見た人が「本当」のことだと思ってしまう。
---(中略)---
もちろん、きちんとした議論が行われて、成熟した民主主義に貢献するような言論だったら、問題ありません。しかし、あるのはディスカッションではなく、刹那的な「動物的な感情」のぶつけ合いです。そんな状況が野放しになっているのです。こういう状況に対して、弁護士として取り組みつつ、もっと多くの人に、問題があることを知ってもらいたいと思います。
---(中略)---
――ネットの誹謗中傷対策というのは、具体的に、どんなことをやるのでしょうか?
まず、権利侵害にあたる記事の削除を請求します。ネット掲示板では、誹謗中傷が匿名で書き込まれているため、誰が権利侵害をおこなったのかを特定する必要があります。そのため、掲示板管理者に対して、IPアドレスを開示してもらう裁判手続きをとります。それが開示されたら、今度は、IPアドレスを管理する経由プロバイダ―に対して、「発信者情報開示請求訴訟」を起こします。そこで発信者情報の開示を受けることができたら、ようやく損害賠償請求などの手続きに入ることができます。
権利侵害とは、名誉毀損やプライバシー侵害などです。また、刑事告訴も何件もおこなったことがありますし、実際に逮捕者が出たケースもあります。
――難しいことはありますか?
ウェブサービスが変化すると、権利侵害も多様化していく点ですね。たとえば、10年前には、ツイッターというサービスは存在していませんでした。その後、サービスが生まれて、今度はツイッターを使った権利侵害が登場しました。そういった環境の変化に適応していく必要があります。
---(中略)---
――その道を切り拓くうえで、今後どういう制度が必要でしょうか?
権利侵害をおこなった加害者の責任をより追及しやすくする制度が必要だと思っています。発信者情報を獲得するまで、時間とコストがかかりますが、現状では被害者がそれを負担しています。このような状況は、被害者にとって、酷です。
---(中略)---
――私たちは、ネット上の誹謗中傷とどう向き合えばよいのでしょうか?
インターネットを良くするのも悪くするのも、利用している私たちしだいなのだと思います。誹謗中傷をはじめとする権利侵害は、他人ごとではありません。自分の問題として捉えてほしいです。
ネット上の加害者になるのも、自分しだいなのです。どうも、多くの人は、その危険性を知らないのではないかと危惧しています。安易に誹謗中傷を繰り返すことで、人生を棒に振るようなことがないようにしてほしいと思います。
-----引用ここまで-----
ということなのですが、要は、誰が書き込んだ誹謗中傷なのかを特定することは可能で、実際にそうして特定されて逮捕者も出ている、ということなのです。何かネット上に書き込みをしたいと思っている人にはこの事実をよくよくわきまえておいて欲しいものです。
それにしても、ネット上の誹謗中傷の最大の問題点である
「情報が本当なのかウソなのかきちんと検証されないまま、悪口がどんどん書き込まれます。」
「しかも、真偽不明であるにもかかわらず、たくさん書き込まれることで、あとから見た人が『本当』のことだと思ってしまう。」
という部分については、何とかならないものかと思って頭の皮がムズムズしてしまいますね。
『同じことがたくさん書き込まれているからといってそれが本当の意味で真実だとは限らない』、
この点も、ネット利用者としてよくよくわきまえておかねばならない点ですね。ステルスマーケティングも結局はこの理屈を利用しているわけですから。
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