今回は,アフリカ分割に関する地図問題を取り上げます。自作の地図もつけておきました。
19世紀末から20世紀初めの帝国主義の時代におけるヨーロッパ列強のアフリカ分割は,センター試験や私立の入試で頻出のテーマです。どの国がどの地域を植民地支配したのか,ポイントをつかんで覚えておきましょう。
イギリス
北のエジプト・スーダン,南のケープ植民地・オレンジ自由国・トランスヴァール共和国・ローデシアは,イギリスが推進したアフリカ縦断政策を想起すれば把握しやすいので,まとめて覚えておく。
それ以外では,東アフリカのケニアと西アフリカのナイジェリアに注意。
フランス
フランスにとって地中海をはさんだ対岸にあたるマグリブ地方のモロッコ(の大部分)・アルジェリア・チュニジアは重要なのでまず覚える。特にアルジェリアは植民地問題に関連して特に重要。
フランス領西アフリカは,アフリカ横断政策を想起すればわかりやすいし,名前もそのままなので問われにくいが,フランスが西アフリカを中心に広く植民地をつくっていたことは知っておこう。
それ以外では,東アフリカのジブチとマダガスカルが頻出なので注意。
ドイツ
ドイツは,南部でドイツ領南西アフリカ,東部でドイツ領東アフリカを領有していた。名前はそのままなので出題されないが,位置は軽く把握しておきたい。
それ以外ではカメルーンを領有しており,これが出題されやすいので要注意。
イタリア
北岸のリビア(トリポリ・キレナイカ)は,伊土戦争でオスマン帝国から獲得したことで有名であるし重要。
そのほか,東部のエリトリアとソマリランドを領有したことを知っておく。イタリアがエチオピアを狙っていたこととも関連させるとわかりやすい。
スペイン
スペインもモロッコやアフリカ西岸部で植民地を領有しているのだが,少なく,また知名度が高くないので,あまり問われることがない。
ポルトガル
ポルトガルの植民地としては,南西部のアンゴラ・南東部のモザンビーク(ポルトガル領東アフリカ)が重要。
あとはマイナーだが西岸にギニア=ビサウという小さな植民地も持っていた。
ベルギー
ベルギーが領有したのはアフリカ中央部のコンゴのみなので,これだけ確実に覚えておく。アフリカ分割に関するベルリン会議の契機になったことでも有名。
独立国
以上のように帝国主義の時代にアフリカのほとんどの地域がヨーロッパ列強の植民地支配下に置かれたが,エチオピアとリベリアだけは独立を維持したということは覚えておく。特にエチオピアは進出をはかるイタリアをアドワの戦いなどで撃退したことで知られる。