大学受験の世界史の学習上必要となる世界の主要地形について取り上げます。
今回はヨーロッパの山脈について。ヨーロッパの河川については「ヨーロッパの主要な地形 ①河川」を,ヨーロッパの海・湖については「ヨーロッパの主要な地形 ③海・湖」をご覧ください。
山脈
受験上は,①アルプス山脈・②ピレネー山脈・③カフカス山脈の3つだけは必ずおさえましょう。あとは,可能なら④ウラル山脈,⑤カルパティア山脈も覚えておけるとよいです。
ピレネー山脈
ヨーロッパ南西部に存在し,イベリア半島の付け根を北西-南東に走る山脈。
フランスとスペインの領域を分ける自然国境となっている。
世界史上は,中世のイスラーム勢力とフランク王国の抗争や,近世のフランスとスペインの抗争などにおいて重要。
アルプス山脈
ヨーロッパの南部に存在し,東西に走る山脈。
スイス・イタリア・フランス・ドイツ・オーストリアにまたがる大山脈で,西欧・南欧・中欧の境界となっている。
古代ローマの対外進出や,近世・近代のフランスのイタリア遠征などにおいて重要。
カルパティア山脈
東ヨーロッパに存在し,現在のルーマニアからウクライナ・スロヴァキアなどへと続く山脈。
だいたい,西スラヴ人・東スラヴ人・南スラヴ人の境界となっている。
中世のスラヴ人など,東ヨーロッパの歴史を学ぶ際に重要な役割を果たす。
カフカス山脈(コーカサス山脈)
ヨーロッパの東南,アジアの西北に位置し,黒海とカスピ海を結ぶように北西-南東に走る山脈。
西アジアとヨーロッパの境界を成している。
近代のロシアのカフカス地方への進出や現代のロシアに対する民族運動などにおいて必要。
ウラル山脈
現在のロシアのヨーロッパ部分とシベリアの間に位置し,南北に走る山脈。
東ヨーロッパとアジアの境界となっている。
ヨーロッパとアジアを区分する境界として重要。また,民族の原住地などを議論する際にも有用。