東大世界史2014年第2問(3)(b) 過去問題・解答・解説 | 大学受験の世界史のフォーラム ― 東大・一橋・外語大・早慶など大学入試の世界史のために ―

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東大東京大学)2014年第2問(2)(b)の過去問題と,東大世界史講師(管理人)が作成した解答解説です。

問題

オランダ東インド会社は,17世紀から18世紀にかけて,次第にジャワ島内部への支配を強めたが,砂糖生産に関わる技術や一部の労働力は中国から導入された。この背景にある中国側の国内事情を2行以内で記述しなさい。












解答

「清の統治の安定を受け,農業が発展して人口が急増し,また商工業の発展や海禁の解除により東南アジア貿易が活発化していた。」

解説

清の平和

康熙帝から乾隆帝の治世にあたる,17世紀後半から18世紀後半までの清朝の全盛期には,清朝の支配が確立されて政治的に安定し,経済面でも農業や商工業が発展した。

農業の発展と人口増加

18世紀の中国では,江南を中心とする農業生産の発展や,アメリカ大陸から伝来したトウモロコシ・サツマイモの普及のために,人口が急激に増加した。

このような人口の急増は,土地の不足をもたらして移住を促進することになり,華僑の出現の背景となった。

商工業の発展と南洋貿易の発展

商工業の発展や海禁の解除などを背景に,17世紀末から18世紀には海上交易がさかんになった。特に中国南部の福建省や広東省で,東南アジアとの貿易がさかんだった。

このような南洋貿易により東南アジアとの経済的結びつきが強くなっていたことも,福建省や広東省を中心に南洋華僑が多く出る背景となった。