井上千絵です。
先日、
テレビ局時代の先輩ディレクターから、
「退職したことは承知で、
協力して欲しいことがある」
と突然連絡が入ったんです。
今日は、
そのエピソードから改めて考えた
「良い仕事をするとは、どういうことなのか」
について私の思いを書きたいと思います。
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報道記者時代、
ずっと考えてきたことがあるんです。
それは、
報道記者がこれだけたくさんの数いる中で、
誰でも出来ることではなく、
私しか出来ないことは
いったい何なのだろうか、ということです。
記者と言えば、
スクープを出すことが
至上命題のように
思われる節がありますが、
正直、私はあまりそこに興味がなくて。
(正確にはそういうことに
向いていなかったのかもしれない)
それよりも大事なことは、
「このネタは、井上千絵にまず聞かないと」と
皆に思ってもらえるような「何か」と出会い、
伝え続けることなんじゃないのかと。
言い換えると、
例え一つでも良いから、
「何か」に対して
唯一無二の存在になることが
私の中では、
自らが報道記者として
存在する意義だと考えていました。
でも私は、
その存在意義を
見出せたのだろうかー
退職までの10年間、
報道の現場にいる間は、
日々の忙しさに
追われ過ぎていたところもあり、
はっきり答えを出せずにいました。
そして先日の話。
東京キー局の先輩ディレクターから、
下記のような内容で、
連絡が入ったんです。
・番組で○○について放送することが決まり、
企画会議の中で井上千絵の名前が何度も出た。
・具体的には、取材を担当するベテランリポーターが
「○○のニュースは井上千絵が誰よりも詳しく知っているので、
彼女を通して取材を進めた方が良い」と話しているので、
退職したのは知っているけど、協力してもらえないだろうか
と言った内容でした。
正直、驚きました。
確かにそのリポーターの方と
9年程前に○○のニュース報道の際に
何度か現場でお会いし、
(後日放送予定なので、今ははっきり書けずにすみません)
取材対象者の方をお繋ぎしたことがありました。
そして○○のニュースは、
間違いなく
私が報道記者時代に
最も深く向き合ったニュースでした。
9年もの歳月が経つのに、
企画会議で私の名前が
出ていたことにまず驚き、
同時にありがたくもあり。
私が先ほど書いたような
「何か」に対して唯一無二の存在になることが、
もしかしたら果たせていたのかもしれない、
と思えた瞬間でもありました。
そしてこの○○ネタの
取材対象者の方とは、
テレビ局を退職した今でも
繋がっていて、
つい先日も娘を連れて
遊びに行ったばかりなのです。
その時に
言われた嬉しい言葉があって、
「千絵さんは、
本当に私たちのことを考えて
私たちの目線で報道してくれたから、
他の記者と違って印象深かったのよね」
と。
ジーンと来ました・・・
ここで私がブログでお伝えしたいことは、
決して過去の栄光を並べたい訳ではありません。
先日の先輩ディレクターからの突如の連絡と、
この取材対象者からの言葉がリンクして、
改めて考えたんです。
良い仕事をする、ということは、
相手にとって、
唯一無二の存在になることだと。
そしてこれは、
報道記者だけの話ではありません。
PRプランナーとしても、
「このことは、井上千絵に頼みたい」
「このことは、井上千絵だから出来る」
そう思ってもらえるような
相手にとって
唯一無二の存在でありたい。
それが、
私にとって「良い仕事」なのだと思います。
今日も最後まで読んでいただき、
ありがとうございました