こんにちは。WOMenらぼ編集部の塩冶(えんな)です。
今回ご紹介するのは、入社6年目。営業として圧倒的な成果を残している申由和(シンユファ)さん。全社で唯一の社長賞に選ばれるなど、さらなる活躍が期待される営業ウーマンです。
しかし、彼女の入社当初を振り返ってみるとはじめから成果を残せていたわけではありませんでした。彼女の飛躍のキッカケは何か。そして仕事をどのように捉えているのか。彼女の言葉から、キャリアに悩む若手女性に届けたいヒントが見つかりました。
│同期をライバルと思うのではなく、目指せる先輩を見つけること。
-今は大活躍の申さんですが、入社当初はどんな感じだったんですか?
銀行や保険会社を担当する金融グループに配属されたんですけど、とにかく同期をライバル視していました。1人、すごくキラキラした同期の女の子がいて。なんていうか…人当たりがすごくいいんですよね。おじさんにモテそうなタイプ。私はその子のことを「すごいな、負けたくないな」と思っていました。
-バチバチ、と?
いやいや、プライベートではめちゃめちゃ仲がいいんですよ(笑)。でも、仕事では負けるもんか、と。
ただ、結局私が彼女に勝てることはなくて、3ヶ月くらいで心がボキっといきました。たぶん、ムリしていたんでしょうね。
自分には彼女と同じ営業スタイルはできないな、と思ったんですけど、そのときから、「同期をライバルと思うよりも目指せる先輩を見つけよう」と考えるようになったんです。横を見るよりも、1つ上の人を目指したほうがいいんじゃないかと。以来、ずっとある人の背中を追いかけ続けています。
-その方は、どんな方なんですか?
元々同じ金融グループの営業で、今は新人育成を中心とした仕事をされています。人当たりの良さとか、みんなから相談される存在であることとか、すごいな、と。「こういう人になりたい」と思っていました。
実際に営業として活躍している姿は覚えていないんですけど、周りの人から「あの人はすごかった」という逸話を聞くことも多くて。私は先輩の過去を追いかけ続けている感覚です(笑)。
実は、今担当しているお客さんって、元々ほとんどその先輩が担当していて。リーマン・ショックがあってガタッと景気が傾いたときでも、年間1億円売っていたんです。1億円売れるってエンではかなりスゴイことなんですね。それを聞いてから、「年間1億円」という数字は意識するようになりましたね。
│弱みを克服するよりも、強みを伸ばすこと。
-年間1億円という目標はどのように追いかけていったんですか?
1億円という自分で立てた目標も大事なんですけど、まずは会社から与えられた目標を最低限達成しないといけないですよね。私は目標を達成しないと気がすまないタイプなので、いかに確実に達成するか?ということを常に考えていたんです。
そこで行き着いたのが、「目標を調整する」という考え方でした。
-目標を、調整する…?
たとえば「君は今月1000万ね」という目標を与えられたときに、「こういう理由から、900万じゃないと絶対達成できません」と交渉すること。逆に目標が低すぎる月は、「これは低すぎて簡単に達成できるから、もっと目標を上げてください」とか。そういう交渉は、結構やりますね。
長く担当しているお客さんが多いので、この時期はこういう理由で採用活動が控えめだとか、その代わり2ヶ月後にはかなり採用に力を入れるから発注いただけそうだとか、ある程度分かります。今も社名だけ聞けばぱっと思い浮かびますよ。
-言い方は悪いですが、すごすぎてちょっと引きます(笑)。
-ところで、申さんはこれまでどのようにキャリアを築いてきたんですか?
3年目の夏に、初めてリーダーを経験しました。最初にメンバーになったのは年上の男性。経験してきたことも考え方も違いすぎて、チームは3ヶ月で崩壊(笑)。マネジメントって難しいなと痛感しましたね。その後は年次の近い女の子をメンバーに持って、2年くらいリーダーをやりました。
5年目の夏、今後マネジメントの道に進むか、ハイプレーヤーとしてやっていくのかという岐路に立たされて。答えは迷わずプレーヤーでした。そのほうが、組織全体にも貢献できるんじゃないかと思ったんです。
プレーヤーに戻ってからは、効率化を意識するようになりましたね。今まで100の力でやっていたことを7割の力でやるようにして、残り3割で同じ組織のメンバーの相談を受けたり、「もっとこうした方が良いのでは?」と上司に提案してみたり。
実は今、プロジェクトをやっていて。営業部1人あたりの生産性を上げるにはどうしたら良いか?ということを日々考えています。
-リーダーというミッションを減らした分、自分で新たなミッションを作っているんですね。
そうですね。私がこれまで大事にしてきた考え方の一つに、「弱みを克服するのではなく、強みをさらに伸ばす」というのがあって。私の場合、データを分析して定量的に物事を進めていくのが得意。この強みを活かして組織に貢献したいんです。だからこそ、自分から手を挙げて新たなミッションにチャレンジしています。
│やりたいことを、やれる自分でいたい。
-今後のキャリアについて、どのように考えていますか?
やりたいことがないんですよ、私。だから、見つかるまでは今いる場所で最大限のパフォーマンスを出そうと思っていて。やりたいことができたときに、「この人だったら任せられるな」って思ってもらわないと。会社ってそういうものだと思うんです。
たとえば人事をやりたいって思ったときに、それなりの知識を持っているかどうか。お客さんを引き継げる後輩を育成できているかどうか、とか。その辺りはきっと見られているんじゃないかなと思います。
今年の4月、社長賞に立候補したのもそういう理由ですね。目標の「1億円」を達成した、というタイミングでもあったんですけど。やりたいことができたとき、それを選択できる自分でいたいんです。だから今は、目の前のことを全力でやっていこうと思っています。
-自分の強みを伸ばすことで勝負に勝ち続けてきた申さん。ブレない姿勢が本当にかっこいいなと思いました。貴重なお話をありがとうございました!