KATOとTomixどちらも自動車業界に例えるならばTOYOTAです。

Nゲージの捉え方

①1/150(1/160)の縮尺に忠実なミニチュア鉄道車輛

②プラレールの高級版

 

①、②を踏まえて、どうしたいのかを考慮します。

③ジオラマに置いて鑑賞したい(貸し切りレイアウトではたまに走らせる)

④ジオラマの中でがんがん走らせたい(自宅にレイアウトを設置する)

 

おおざっぱですが日本のNゲージャーのこのような傾向を考えると、どちらを選んでも同じという結論になります。

注意点

 改造したNゲージのリセールバリューは低くなる

 

改造には、部分的であっても塗装も含まれます。「ヨゴシ」と言われるようになったことからも分かるように、ウエザリングなどはもってのほかです。

どんなにきれいに仕上げてあっても、自作、サードパーティ製の部品を付けたものは改造とみなされます。

要するに、未使用品に近ければ近いほどリセールバリューは高くなります。

ケースや付属品、その他もすべて揃っていない場合には、Nゲージの価値は大幅に下がります。

ですから、勢いKATOやTomixといったメーカーサイドも売れる製品として(Nゲージャーの実態に合わせて)、取り付ける部品が一切ない特定ナンバーの車輛しか開発、生産しなくなっていくわけです。

Nゲージの線路を求める場合、国内ならば入手のしやすいメーカーとしてKATOやTomixがあります。

どちらも、フロアレイアウトをすぐに組めるよう道床付きの線路を販売しています。KATOは商標「UNITRACK」、Tomixは「Fine Track」と呼んでいます。

両者とも互換性を保つため、接続線路を用意しています。レールはどちらもコード80です。

KATOの線路か、Tomixの線路か?

KATO

・道床の幅が広い。

・複線間隔が33mm。(ホーム用間隔、66mm)

・スラブ軌道、トラム軌道あり。

・カーブ 半径 ※単位はmm

  複線::480/447、414/381、315/282(カント付き)PC枕木、スラブ

  単線::718、481、381、348、315、282、249、216、183、150、117

  木枕木 ※183㎜以下の半径レール3種をcompactと称している。

・ポイント

  4番、6番、2番Y、4番片渡り、6番ダブルクロス

・クロス

  15°左右、十字

Tomix

・道床の幅が狭い。

・複線間隔が37mm。(ホーム用間隔、55.5mm)

・スラブ軌道、トラム軌道あり。

・カーブ

  複線::465/428、391/354、317/280 いずれもPC枕木

    ::539/502、465/428 スラブ軌道

  単線::605、541、354、317、280、243 ※ワイドはPC枕木

    ::177、140、103 トラム

・ポイント

  15°(木枕木、合成枕木)、30°(木)、30°Y(木)、15°ダブルクロス

  15°片渡り、15°ダブルスリップ(左右)、317/280カーブ、

  541/280スリーウェイ

・クロス

  15°(左右)、30°、十字

 

評判

Tomix製のポイントは、耐久性に問題があるらしいです。

 

筆者見解

筆者は、現在のように豊富なラインナップが揃う前に一時中断していたため、手元に両社のレールがありません。あるのは、KATOのフレキシブル線路ぐらいです。

フロアレイアウトを組むならば、どちらでも大差はないと思えます。

 

両社製とも道床にはバラスト表現がありますから、固定式レイアウトでもこのまま利用して十分でしょう。というよりも利用するべきです。

バラスト表現があるのにその上にバラストを撒くなどしてトラブルを引き起こすのは自己責任の範疇で、メーカーに製造責任を問うのは酷でしょう。

 

両社製とも車両の精密化ほどに、線路は精密化していませんが、走らせる以上はある程度の簡略化は致し方ないと思います。

流行のジオラマのようなレイアウトを目指す、あるいは鉄道模型としてのシナリー付きレイアウトを作る(線路の間にもバラストを撒きたい)のならば、両社製の道床付き線路を使うべきではありません。

KATOは、フレキシブル線路を発売していますが、道床なしの直線、カーブ、ポイントレールは発売していません。UNITRACKの製品ラインナップに入っていますから、サードパーティ製の鉄橋等に線路を引くために用意されているのかと思われます。

 

両社のNゲージへの姿勢に大差はないと思います。

 

なお、実物の精密な縮尺模型を目指すという方は、当ブログの他の記事などを参考にしてください。(実物の線路間隔、レール形状、枕木本数等)

KATO、Tomix以外の線路

道床なしの線路について紹介します。

ジオラマ用

・マイクロエンジニアリング製コード40レール

全高1mmですから、かなりスケールに近づけることができます。レールのみですから枕木等は自作になります。スパイクして本格的な線路を作ることができるでしょう。ポイント等も当然自作となります。

・コード55レールもあります。

 

いずれにせよ、入手は非常に難しいです。個人輸入しかないでしょう。

ジオラマレイアウト用

市販車輛が走行できるレールとなると、コード55、コード65のレールが限界ではないかと思います。安定走行をとなるとコード80レールが無難です。

 

枕木の形状等から日本型に向くものとなると、アトラス製がお勧めです。

コード55が国鉄時代の枕木配置によく似ています。ただ、日本製の車輛はフランジが高いので、脱線の可能性が高いです。

アメリカ型を扱っている輸入専門店で手に入ると思います。

固定レイアウト用

手に入りやすく有名なブランドはPECOです。KATOがOO9の機関車をOEM生産する関係から、取り扱うようになりました。

 

PECOは、Nゲージの黎明期に関水金属(KATO)がレールの生産まで手が回らず、線路が不足していたため、Nゲージの普及を進めていた「鉄道模型趣味」誌の出版元、機芸出版社が取り扱った関係で、昔からのNゲージャーに知名度が高い製品です。

 

形状等はヨーロッパタイプで枕木の配置(ポイント関係、例えば日本のフログ番数は偶数ですが、奇数番だったりと)形状にかなり相違があります。また、レールの頭部が平らではなく、色も鉄の感じではなく黄色味を帯びています。この点では走りに徹した製品と割り切る必要があるでしょう、と書きたかったところなのですが…。

最近のPECOのNレールはfineと称するコード80レールをコード55に見せかけるという製品に移行しており、走行重視の点で、お勧めとしてよいか分かりません。

筆者見解

篠原模型が廃業したのは非常に残念です。

 

日本の鉄道模型は車輛一辺倒なところがあり、レール関係にもお金をかけるモデラーがあまりいなかったからですね。

 

※筆者は最近の鉄道模型事情に疎いため、加筆訂正が多くなってしまいました。

C12は、中村精密製を持っていたけれど、鉄道模型をやめようと思った折に捨ててしまった。

大事なものというのは、失ってから後悔するもので、Nで鉄道模型を再開しようと思っても入手困難。しかし、KATOの製品が再生産されたので、予約を入れて購入した。

勘違いから、同じくKATO製のC56-160も予約購入してしまった。C56は、小海線のを持っているので必要なかったのだが、ヘッドライトを普通型にしたくて、購入したからいいやのつもりだったが、特定ナンバー機の模型化製品でがっかりした。

それと比較してC12は特定機ではなく、一般的なC12の模型。日本のNメーカーは特定機だけを企画、生産する傾向が強まっている。それでは、単なるミニカーの鉄道版となってしまい、コレクターズアイテムに過ぎなくなる。

わたしが目論む鉄道模型のベクトルの向きと違う。Nゲージといえど、思い出の再現、過去を懐かしむという意味合いはなく、自分で手を入れ、自分の鉄道の再現をしたいのだ。

製品の概要

1970年代晩年の姿の再現。(KATOの製品ページより)

付属ナンバーについて

42…日本車輛名古屋1933年製

  1967年4月~中津川区(岐阜県) 1973年廃車

46…川崎車輛兵庫1934年製

  1968年10月~高崎第一区(群馬県) 1970年末廃車

51…川崎車輛兵庫1934年製

  1948年?~西舞鶴区(京都府) 1973年廃車

67…日立製作所笠戸1933年製

  1965年?~1972年 上諏訪区(長野県)

  1972年~中津川区(長野県) 1973年廃車

 

3桁ナンバーがないのは、ナンバー取付枠の横幅制限のためだろう。

 

サードパーティである銀河モデルのC12用ナンバーには、66と199がある。

 

66…日立製作所笠戸1933年製

  1944年~上諏訪区

  1970年 中込区に借入

  1972年~会津若松運転区・廃車

  1994年~車籍復活・真岡鉄道 動態保存中

199…日本車輌名古屋1938年製

  1961年~木曽福島区 入換専用

  1974年 廃車・静態保存(奈良井宿観光駐車場)

  ※シールドビーム・C11の排煙版を装備する

改造が大変そう。特定機で模型化されるかも知れないが、観光列車を引かないのでは難しいだろう。

 

銀河のナンバーは入手が困難だと思われる。KATOのナンバーを切り継げば、

41,47,52、56,57、61,62,66 が得られる。

 

41…日立製作所笠戸1933年製

  1967年~桐生区(群馬県)

  1968年~高崎第一区

  1970年 廃車

47…川崎車輌兵庫1934年製

  1968年~高崎第一区

  1970年 廃車

52…川崎車輌兵庫1934年製

  1960年~直江津区 休車解除・入換専用

  1969年 廃車

※排煙版・回転式火粉止め装備 廃車時にはデフレクター(排煙版)は未装備

56…汽車製造大阪1934年製

  1950年~茨城交通(譲渡)

  1951年~雄別炭礦鉄道(譲渡)

  1957年 廃車・雄別炭礦に移管

  1970年 廃車

57…汽車製造大阪1934年製

  1957年 鹿児島工場

  1961年 廃車

61…汽車製造大阪1934年製

  1958年 高砂工場

  1961年 廃車

62…汽車製造大阪1934年製

  1959年 奈良区 集検入換専用

  1965年 奈良運転所(組織改正による)

  1968年 ボイラー代用

  1969年 廃車