Nゲージの線路を求める場合、国内ならば入手のしやすいメーカーとしてKATOやTomixがあります。

どちらも、フロアレイアウトをすぐに組めるよう道床付きの線路を販売しています。KATOは商標「UNITRACK」、Tomixは「Fine Track」と呼んでいます。

両者とも互換性を保つため、接続線路を用意しています。レールはどちらもコード80です。

KATOの線路か、Tomixの線路か?

KATO

・道床の幅が広い。

・複線間隔が33mm。(ホーム用間隔、66mm)

・スラブ軌道、トラム軌道あり。

・カーブ 半径 ※単位はmm

  複線::480/447、414/381、315/282(カント付き)PC枕木、スラブ

  単線::718、481、381、348、315、282、249、216、183、150、117

  木枕木 ※183㎜以下の半径レール3種をcompactと称している。

・ポイント

  4番、6番、2番Y、4番片渡り、6番ダブルクロス

・クロス

  15°左右、十字

Tomix

・道床の幅が狭い。

・複線間隔が37mm。(ホーム用間隔、55.5mm)

・スラブ軌道、トラム軌道あり。

・カーブ

  複線::465/428、391/354、317/280 いずれもPC枕木

    ::539/502、465/428 スラブ軌道

  単線::605、541、354、317、280、243 ※ワイドはPC枕木

    ::177、140、103 トラム

・ポイント

  15°(木枕木、合成枕木)、30°(木)、30°Y(木)、15°ダブルクロス

  15°片渡り、15°ダブルスリップ(左右)、317/280カーブ、

  541/280スリーウェイ

・クロス

  15°(左右)、30°、十字

 

評判

Tomix製のポイントは、耐久性に問題があるらしいです。

 

筆者見解

筆者は、現在のように豊富なラインナップが揃う前に一時中断していたため、手元に両社のレールがありません。あるのは、KATOのフレキシブル線路ぐらいです。

フロアレイアウトを組むならば、どちらでも大差はないと思えます。

 

両社製とも道床にはバラスト表現がありますから、固定式レイアウトでもこのまま利用して十分でしょう。というよりも利用するべきです。

バラスト表現があるのにその上にバラストを撒くなどしてトラブルを引き起こすのは自己責任の範疇で、メーカーに製造責任を問うのは酷でしょう。

 

両社製とも車両の精密化ほどに、線路は精密化していませんが、走らせる以上はある程度の簡略化は致し方ないと思います。

流行のジオラマのようなレイアウトを目指す、あるいは鉄道模型としてのシナリー付きレイアウトを作る(線路の間にもバラストを撒きたい)のならば、両社製の道床付き線路を使うべきではありません。

KATOは、フレキシブル線路を発売していますが、道床なしの直線、カーブ、ポイントレールは発売していません。UNITRACKの製品ラインナップに入っていますから、サードパーティ製の鉄橋等に線路を引くために用意されているのかと思われます。

 

両社のNゲージへの姿勢に大差はないと思います。

 

なお、実物の精密な縮尺模型を目指すという方は、当ブログの他の記事などを参考にしてください。(実物の線路間隔、レール形状、枕木本数等)

KATO、Tomix以外の線路

道床なしの線路について紹介します。

ジオラマ用

・マイクロエンジニアリング製コード40レール

全高1mmですから、かなりスケールに近づけることができます。レールのみですから枕木等は自作になります。スパイクして本格的な線路を作ることができるでしょう。ポイント等も当然自作となります。

・コード55レールもあります。

 

いずれにせよ、入手は非常に難しいです。個人輸入しかないでしょう。

ジオラマレイアウト用

市販車輛が走行できるレールとなると、コード55、コード65のレールが限界ではないかと思います。安定走行をとなるとコード80レールが無難です。

 

枕木の形状等から日本型に向くものとなると、アトラス製がお勧めです。

コード55が国鉄時代の枕木配置によく似ています。ただ、日本製の車輛はフランジが高いので、脱線の可能性が高いです。

アメリカ型を扱っている輸入専門店で手に入ると思います。

固定レイアウト用

手に入りやすく有名なブランドはPECOです。KATOがOO9の機関車をOEM生産する関係から、取り扱うようになりました。

 

PECOは、Nゲージの黎明期に関水金属(KATO)がレールの生産まで手が回らず、線路が不足していたため、Nゲージの普及を進めていた「鉄道模型趣味」誌の出版元、機芸出版社が取り扱った関係で、昔からのNゲージャーに知名度が高い製品です。

 

形状等はヨーロッパタイプで枕木の配置(ポイント関係、例えば日本のフログ番数は偶数ですが、奇数番だったりと)形状にかなり相違があります。また、レールの頭部が平らではなく、色も鉄の感じではなく黄色味を帯びています。この点では走りに徹した製品と割り切る必要があるでしょう、と書きたかったところなのですが…。

最近のPECOのNレールはfineと称するコード80レールをコード55に見せかけるという製品に移行しており、走行重視の点で、お勧めとしてよいか分かりません。

筆者見解

篠原模型が廃業したのは非常に残念です。

 

日本の鉄道模型は車輛一辺倒なところがあり、レール関係にもお金をかけるモデラーがあまりいなかったからですね。

 

※筆者は最近の鉄道模型事情に疎いため、加筆訂正が多くなってしまいました。