『動機づけ研究の最前線』第2章 自律性と関係性からみた内発的動機づけ研究
社会心理学のレポート、第1稿を書き終えました。といっても、とりあえずは書き散らかしたもの。あるテーマについて、テキストにある3つの理論を用いて検討してみたのですが、それぞれバラバラの文章になっているので、全体としてのまとまりがありません。これから全体を見直して、レポートとして整合性が出るように、ちょっと考えてみます。動機づけ研究の最前線/北大路書房¥3,240Amazon.co.jpさて、第1章の紹介の後半で、最近の動機づけ研究をリードしているのは、自己決定理論だ、と書いたのですが、その自己決定理論の研究史をもう少し詳しく見たのが、第2章です。自己決定理論とは、要するに、自分でやろうって決めたことはやる気も起きるよネ!という理論です。自分でやろうって決める、これを難しく言うと「内発的動機づけ」と言います。正確に言うと、この「内発的動機づけ」の研究史ですね。で、結論から言っちゃうと、研究では、有能さ(competence)に注目 ↓自律性(autonomy)に注目 ↓関係性(relatedness)に注目というふうに、その時々でスポットライトをあびるところが変遷していきました。最初は、有能さ(competence)への注目が流行っていた。人間は、「わたし、出来る!」と感じることが大事、そういうことを感じたいという欲求を持っている、というのが最初の出発点ですね。ええ、ええ、うちのサル(娘3歳)も、「○○(自分の名前)がやる!○○がやる!」が口癖です。出来ないこともやりたがる。自分の力で対象を操作する、ということから得られる快感=自己効力感を得られるために人は行動する、というのが、1950年代からの動機づけ研究の基本的視点です。でもさ、子どもの頃って誰でも好奇心に満ちていたのに、どうしてだんだん人は好奇心とやる気がなくなっていっちゃうの?ってことを考えたのが、Deciさん。Deciさんは、実験をして、何かをやったらご褒美をもらえる、というシステムは、人のやる気を奪う(つまり、何かをもらえないときは何もしなくなる)ってことを明らかにした。この辺から、有能さcompetenceだけでなく、自分で決めたのか、他人から押し付けられたのか、みたいなことを考えることがトレンドになってきた。80年代までは、自律性autonomyに注目した動機づけの研究が隆盛だったわけです。で、80年代の終わりから90年代初頭にかけて、もう一回理論上の転換期がやってきます。自分で決めるのがいいっていったってさ、人はひとりで生きてるんじゃないんだもん、人は社会とのかかわりで生きてるんだもん、他人からの期待とか、他人からの評価とか、そういうの、関係するんじゃない?やっぱ。というわけで、内発的動機づけの研究は、関係性が動機づけにどう関わるか、というテーマに大きく舵を切ることになりました。そして、一番最初に何がいいって価値観が決められるのは、やっぱり親の影響って大きいよね~とか、でも、その後何かを頑張ってやっていくには自律性が大事なのよ、とか、その自律性をまた他者に認められていることが大切でね、なんてことが分かってくるわけです。(心理学ってなんだか当たり前のことばかり言ってる気もしますが)そこでふと思うのは、でも、親の期待とか、自分で決めるとか、そういうの、アメリカ人と日本人ではけっこう違わない?ということ。(こういう心理学の研究史で扱われるような理論や研究は、大体アメリカにおける知見なんです。)Oh, it's a good question.そのお話は第3章のテーマになります。