社会保険労務士 白石多津子のブログ -3ページ目

利用者の負担増見送り  介護保険改正基本方針

厚生労働省は24日、2012年度の介護保険制度改正の基本方針を発表しました。
〈1〉財政安定化基金の取り崩しによる介護保険料の軽減
〈2〉24時間対応の訪問介護サービスの創設
〈3〉11年度末で廃止予定だった介護療養病床の廃止延期――が柱。
ケアプラン(介護計画)作成の有料化や高所得者の自己負担割合の引き上げなど、利用者の負担増は見送るそうです。来年の通常国会に介護保険法改正案を提出する方針です。
 厚労省の試算では平均月額保険料は現在の4160円から12年度には5200円に急上昇する。
厚労省は当初、サービス利用者の負担増で保険料を抑える方針でした。しかし、来春の統一地方選への影響を懸念する民主党内の声に配慮し、来年通常国会に提出予定の関連法案に負担増案を盛り込むことを断念したそうです。
 12年度から最大で月5200円程度と試算されている高齢者の月額の保険料については、
「負担が大きすぎる。5000円を超えないような金額で検討している」と話しています。



平成21年国民健康・栄養調査結果の概要


厚生労働省は12月7日、平成21年国民健康・栄養調査結果の概要について発表しました。

これは、健康増進法(平成14年法律第103号)に基づき、国民の健康増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得るために行われ、無作為抽出した約6,000世帯及び当該世帯の1歳以上約18,000人を対象に実施されました。

調査結果の概要について

(1) 歯の健康に関する状況

ー80歳(75歳~84歳)で自分の歯が20本以上ある人は4人に1人。子どものむし歯予防対策も大幅に向上ー

(2) 朝食の習慣、体重管理に関する状況

ー朝食を食べない人は、朝食の欠食が子どもの頃から習慣化している。朝食を食べるために必要なことは「早く寝る、よく眠る」 ー

・ 習慣的に朝食をほとんど食べない人は、男性10.7%、女性6.0%。男女とも20歳代(男性21.0%、女性14.3%)、30歳代(男性21.4%、女性10.6%)では比率が高くなっている。

・ 習慣的に朝食をとらない人のうち、その習慣が「小学校」又は「中学、高校」の頃から始まった人は、男性32.7%、女性25.2%。さらに、朝食を毎日食べるつもりがない人は、男性38.1%、女性30.3%。

・ 習慣的に朝食をとらない人が、朝食を食べるために必要なことは、男女とも「早く寝る、よく眠る」が最も多い(男性29.8%、女性31.0%)。男性は女性に比べ、「家族や周りの人の支援」(男性18.6%、女性6.3%)、「残業時間の短縮など労働環境の改善」(男性17.7%、女性8.4%)との回答も多い。

ー 体重管理を心掛けている人は男性で7割、女性で8割。しかし、メタボリックシンドローム予防・改善のための食事や運動をしている人は3割に満たない ー

配偶者控除 所得制限を検討へ

来年度の予算編成で「子ども手当」の上積みが焦点となるなか、政府税制調
査会は、財源として、配偶者控除に所得制限を設ける方向で本格的な検討に入
る方針です。民主党は慎重な対応を求めており、調整は難航するものとみられ
ています。
 政府は、来年度の予算編成で、子ども1人当たり月額1万3000円として
いる今の子ども手当の支給額を、
 3歳未満の子どもに限って7000円を目安に上積みすることを検討してい
ます。これについて政府税制調査会は、年収が103万円以下の配偶者を扶養
する場合に適用している配偶者控除に、所得制限を設けることで財源に充てる
ことを検討しています。具体的には、年間の所得が1000万円を超える高額
所得者の配偶者控除を廃止することを軸に議論を進めていくことにしています。
これに対して、税制改正を議論する民主党の作業チームは、政府税調に提出す
る提言の中で、配偶者控除の廃止に関して、「消費税など税制の抜本改革の中
で議論すべきだ」として、来年度からの所得制限の導入には慎重な対応を求め
る方針で、調整は難航するものとみられます。
 自治体が廃止を求めている地方負担については「(一定の負担を求めた)
昨年の4閣僚合意も踏まえつつ、自治体等の意見を丁寧に聞いて意見交換しな
がら進める」との表現にとどめた。党内の意見を踏まえ、「児童養護施設など
への入所児童に安定的な対応になるよう検討すべきだ」との条項も新たに加え
ています。

会社員の「時給」減少止まらず 、民間推計で9月2408円


 給与総額を労働時間で割ったサラリーマンの「時給」の減少に歯止めがかかっていないという分析を第一生命経済研究所がまとめました。 同研究所は、国税庁の民間給与実態統計調査や厚生労働省の毎月勤労統計をもとに、サラリーマンの給与水準や労働時間を分析、9月時点の時給は2408円で、1990年代後半の2500円前後から大幅に減っていることが分かりました。

 今年に入って給与総額は増えていますが、労働時間も伸びており、時給の減少傾向に歯止めがかかっていないようです。同研究所は、サラリーマンの時給が減少傾向にあるのは賞与カットが主因だと指摘しており、賞与が直近ピークの1997年に比べて38%減ったことが響いたとみています。



昨年度 残業代不払いでの是正支払総額は116億円超

全国の労働基準監督署が平成21年度中、残業代不払で是正指導した事案のうち、「1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案」についての集計が発表されました。

 それにより、割増賃金の支払額は、1企業平均で950万円、1企業での最高額は12億円を超えていることなどが明らかになりました。

■■ 割増賃金の是正支払の状況 ■■■■■■■■■■■■■■■■

 ・是正企業数           1,221企業

 ・支払われた割増賃金合計額    116億298万円

 ・対象労働者数          11万1889人

 ・割増賃金の平均額は1企業当たり950万円、労働者1人当たり10万円

 ~そのうち、1企業当たり1,000万円以上の割増賃金の支払が行われた事案~

 ・是正企業数は162企業で全体の13.3%

 ・払われた割増賃金の合計額は85億1,174万円で全体の73.4%

■■ 業種別等の状況 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

・企業数、対象労働者数、支払われた割増賃金額の全てにおいて製造業が最も多い

・1企業での最高支払額は「12億4,206万円」(飲食店)、次いで「11億561万円」(銀行・信託業)、

 「5億3,913万円」(病院)の順

 ※対象事案は、平成21年4月から平成22年3月までの間に、定期監督及び申告に基づく監督等を行い、その是正を指導した結果、不払になっていた割増賃金の支払が行われたもののうち、その支払額が1企業当たり合計100万円以上となったものです。



 労働基準監督署の定期監督や労働者からの申告に基づき監督等が行われ、不払になっていた割増賃金の支払いを命じられた事案がこんなにあります。

 労働基準法など法律をよく知らなかったために、不払い割増賃金の支払いを命じられたケースもあるでしょう。100万円以上支払った企業が1,200企業を超え、支払額が1企業平均で950万円という現状を踏まえると、企業側が知識を備え、適切に対応していくことが重要です。

 平成22年4月1日から、労働基準法の改正により、割増賃金率の引上げ等が実施されています。この改正に対応した就業規則の改訂、労使協定の締結等の体制整備はお済みでしょうか? 不安があれば、お気軽にご相談ください。