昨年度 残業代不払いでの是正支払総額は116億円超
全国の労働基準監督署が平成21年度中、残業代不払で是正指導した事案のうち、「1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案」についての集計が発表されました。
それにより、割増賃金の支払額は、1企業平均で950万円、1企業での最高額は12億円を超えていることなどが明らかになりました。
■■ 割増賃金の是正支払の状況 ■■■■■■■■■■■■■■■■
・是正企業数 1,221企業
・支払われた割増賃金合計額 116億298万円
・対象労働者数 11万1889人
・割増賃金の平均額は1企業当たり950万円、労働者1人当たり10万円
~そのうち、1企業当たり1,000万円以上の割増賃金の支払が行われた事案~
・是正企業数は162企業で全体の13.3%
・払われた割増賃金の合計額は85億1,174万円で全体の73.4%
■■ 業種別等の状況 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
・企業数、対象労働者数、支払われた割増賃金額の全てにおいて製造業が最も多い
・1企業での最高支払額は「12億4,206万円」(飲食店)、次いで「11億561万円」(銀行・信託業)、
「5億3,913万円」(病院)の順
※対象事案は、平成21年4月から平成22年3月までの間に、定期監督及び申告に基づく監督等を行い、その是正を指導した結果、不払になっていた割増賃金の支払が行われたもののうち、その支払額が1企業当たり合計100万円以上となったものです。
労働基準監督署の定期監督や労働者からの申告に基づき監督等が行われ、不払になっていた割増賃金の支払いを命じられた事案がこんなにあります。
労働基準法など法律をよく知らなかったために、不払い割増賃金の支払いを命じられたケースもあるでしょう。100万円以上支払った企業が1,200企業を超え、支払額が1企業平均で950万円という現状を踏まえると、企業側が知識を備え、適切に対応していくことが重要です。
平成22年4月1日から、労働基準法の改正により、割増賃金率の引上げ等が実施されています。この改正に対応した就業規則の改訂、労使協定の締結等の体制整備はお済みでしょうか? 不安があれば、お気軽にご相談ください。