母に頂いたお花。

母は紫が好きであること知らず

贈ってくださいました。

 

 

「子供の頃から、

私は親との死別に恐怖心がありました。

いつか必ず自分のもとからいなくなる親。

順番でいけば、見送ることになるのは当然私。

 

そして、その順番を望んではいるものの、

想像するだけで身震いがし、特に母親との

別れを思うと、胸が貫かれる痛みが走るくらい

親の死が怖くて仕方がなかったのです。」

(拙著・あなたは別れでもっと輝ける 幻冬舎

 Chapter4 188ページ親との別れより引用)

 

 

 

そんな母親の死だけを恐れていた私が、

この本出版の1年後に母を見送り、

備忘録を兼ねてではあるのですが、

親の死を恐れている人がとても多いので、

いつか誰にでもやってくるその日が

少しでも軽くなればと思い綴っています。

まずこちらをご覧ください。

約5年前に書いた記事です。

親をおくるとき

 

 

色んな別れがあるものの、

身近な人の死、という試練は

自分にとっても大切な区切りであり、

それにしっかり向き合わないと、

メンタルがやられてしまう可能性を

秘めているものでもあります。

 

 

何回かに渡って母のことを書きます。

あふれるほど書きたいことがあり、

そして、今回私が生きる上での母からの

メッセージもシカと受け取ったので、

母からの使命と思うことにして

これから生きていこうと思います。

少しだけ経緯を書きます。

 

 

約1年前に母が地元の病院で

ガンの疑いがあるとのことで、

母にはガン告知しないで、

仙台市内の総合病院に移転が決まりました。

 

 

そこで、母にガンを内緒にしていたのに、

若い医者が、母に膵臓ガンであることを

勝手に告知して、そこからガンとの生活が始まりました。

 

 

この時から、暴君者だった父の態度が一変し、

母を気遣い、優しくなり、そして

往復2時間以上かかる病院に通って

献身的に付き添ったり、母の身体を気遣う

人を思いやることができる父に変わったのです。

 

 

そんな人が変わった父を見て、

母はすごく幸せを感じたのと、

そして、父自身も、人を気遣うことの喜び、

子供や妻から感謝される幸せを

はじめて経験したようでした。

 

 

今まで父は、他人には良い人ですが、

母と兄と私にだけひどい仕方で接する

暴君者でしたので、私達からひどいことを

言われることはあっても、感謝されることなど

一度もなかったので、そのはじめての感覚に

喜びを感じていたように見えました。

 

 

昨年の12月に大きな病院に入院したものの、

手術を断ったら、すぐに退院されられて、

その後は、今月の4日に入院するまでは

ずっと家で生活していました。

 

 

色んな西洋医学と代替医療を組み合わせた結果、

今年の6月の検査では腫瘍が小さくなっていて

一安心したものの、次の三ヶ月後検診の9月には、

一気にガンが悪化して末期宣言されました。

 

 

それでも、本人を含め誰ひとり母の命を

諦める人は居ませんでした。

 

 

亡くなる前日でさえ、母は急に、

「ダメだ!死んでられない!がんばる!」と

自分を励ますくらいでしたから。

しかし、潜在意識下では、11月4日に

入院した時点で母は死を覚悟していたと思います。

 

 

11月4日は救急車で運ばれました。

翌日5日は、私はトークショーのために

東京に前乗りする日でしたから、

後ろ髪惹かれる思いで、東京入りしました。

 

 

医者からは、余命1ヶ月宣告を

されていたので、今日明日どうこうなるわけじゃ

ないから、と言い聞かせ、一度断っていた、

12、13日の2000冊のサイン本を書く

というミッションも、再び予定に組み込みました。

 

 

今から5年ほど前ですが、

母にはこんなことを言ったことがあります。

「私は仕事柄、お母さんの死に目に

会えないかもしれないからね。」と。

 

 

母は「死ぬ時は一人でも二人でも同じ。

仕事をしてなさい。」と言っていました。

母は、私が仕事をしているのが好きでした。

 

 

私が離婚しても心配していなかったのは、

経済的に自立していたからです。

だから、仕事は私にとっても

すごく大事と知っていたし、私が高額な

サプリメントを1年間に渡り

母に買ってあげられたことも、

仕事があるから、と母も私の読者さんたちに

感謝していたくらいです。

 

 

 

 

 

 

11日の夜に、病院から戻り、

家について、一息したところで電話があり、

母が危ない、という知らせを受けました。

翌朝早く、私は東京に行くことになっていましたが、

とりあえず、病院に駆けつけ

血圧が下がっている母ではありましたが、

モウロウとしている中でも意識があり、

話をしていました。しかし、

今夜危ないのには変わりないのです。

 

 

病室には、父と兄と私と母の弟である

叔父がいました。今のところ落ち着いている。

数時間様子を見てましたが、

さて・・・私はどうしたらいいのか。

迷いに迷っているところ、叔父が私に言いました。

 

 

「行け。明日、早いんだろう?」

 

 

都合のいい解釈かもしれませんが、

今となっちゃ、母が言ったようにしか

思えないのです

 

 

父は脇でブツブツと

「キャンセルできねーもんなのか?

どうしても行かなきゃないのか?」と

私の後ろ髪をグイグイ引っ張る。

 

 

しかし、「ごめん。行くわ。お母さん、

12と13日、私は東京だからね!わかった?」

と母にいい、母は「うん、うん。わかってる。気をつけて」と

言い、私はこれが最後かも、なんてことは

1ミリも思わず、顔さえじっくり見もせず、

病室を後にしました。生きて会えると信じてたから。

 

 

私は人は死ぬときを自分で選んでいる、

という説を信じています。

モモの時もそうでしたし、

死に目に会えなかった人の状況を聞いても、

逝く者がわざと会えなくした、としか

思えない状況などを何度も見たり

聞いたりしてきました。

 

 

ですから、まさか母が、

私が居ない時を選ぶなんて1ミリも

思わなかったのです。

きっと逝くときは私が居るときに違いない!

と信じて疑いませんでした。

 

 

12日、サインを1000冊書き上げて

ホテルに戻り、こんなことがありました。

部屋にマッサージ師を呼びましたら、

来た方が母に似た、白髪のおばあちゃんでした。

 

 

こんなに年を取った方が来るなんて

生まれて初めてのことでして、

年齢を聞いたら76歳。母よりも3つ下。

この道60年の大ベテラン。

力強くて温かい手で揉みほぐしてもらいました。

 

 

私も兄も、両親とはスキンシップたるものが

全くない状態で育ちました。

頭を撫でるとか、手を握るとか、抱きしめるとか

小さなときに膝に乗るとかの記憶もなく、

しかし、私は母に甘えたかったのかもですね。

 

 

そのマッサージ師に

身体を揉んでもらっているうちに、

まるで母に「疲れただろう?頑張ったな。

身体、楽になるといいな」なんて

言われているかのような錯覚に陥り、

私は揉まれながら泣いてしまいました。

 

 

マッサージ師は「お客さん、どうしたの?

なんかあったの?つらいことあったの?」と

優しく聞いてきました。

「私は、親が危篤状態だというのに、

出張に来た親不孝娘なんです・・・」と

泣きながら答えました。すると彼女は、

 

 

「そんなことないよ。お母さんね、

あなたのこと、誇りに思っているよ。

あなたが仕事するのはうれしいんだよ。

それに、あなたが帰る日までお母さん死なないよ。

大丈夫だから。あなたのこと待っているよ。

私からも神様にお願いしとくから、大丈夫」と

慰めてもらったら、力が抜けて、

最近眠れぬ日々が続いていたからか、

その言葉を聞いて、グゴォーーーー!と

爆睡したのでした。

 

 

まるで、母がその人を使って自分の意志を

伝えに来たかのようでした。

たぶん、そうなのかもしれません。

 

 

しかし、彼女の祈りは届かず、

翌朝13日7時過ぎに、

父から電話の電話で起こされ、

母の死を知らされました。

 

 

母の死を知らされた私は、

あまりにも冷静で、涙ひとつも出ず、

淡々と準備をはじめ、ホテルの朝食会場に行きました。

広い朝食会場で、今日親が死んだ人など

私だけだろうな、なんてどうでもいい想像をして

食欲もないのに、ただ食べ物を口に運び

口に詰めみ、無理やり飲み込む・・

 

 

ふと力が抜けて涙が出てきて、

ひとり泣きながらご飯を食べました。

 

 

明日につづく

 

 

関連記事・

年老いていく母を想う

母の手

お母さん

 

・・・ずいぶん母に関する記事ばかり

書いてきたもんだわ(笑)

さて、本日19日は初七日ですので、

また実家に行ってきます。

見送る側の務めですね。

 

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