風と共に送る日常~With the Wind~ -8ページ目

バーガーの日

「俺はこの日をバーガーの日と制定する!」


人間何かしらの記念日ってありますよね。誕生日や結婚記念日、付き合って1年だの初めてチューした日だの色々あると思うのです。そこで冒頭のセリフ。オイラ達は忘れもしない、忘れられない記憶に残るあの日をバーガーの日と名付けたのです。


時はオイラが大学生の頃、暇をもて余していたオイラと友人2人。そう(可愛い子には旅をさせよ)に登場した奴等と
「暇だ」

「じゃあ講義にちゃんと出ろ」

「もう始まって20分以上経つ。今さら遅い」

等とダメ人間全開トークを繰り広げておりました。

「なぁ、マック行かねぇ?」

「また鹿児島のマックですか?」

「いやいやいや、そんな馬鹿な事はもうしませんよ。近場で済ませましょう。近場で」

「今なら安いしねぇ…100個喰っても6900円だし…」
「行きますか?」

「行きましょう」

という訳で約10分後にはマックに到着。

「いらっしゃいませぇ~」
「いらっしゃいました」

「コチラでお召しあがりですか?」

「はい」

「ご注文をどうぞ」

「ハンバーガー100個」

何の打ち合わせもなく見事に3人の声が揃う。まさに阿吽の呼吸!

「はい?8個ですか?」

「いえ、100個です!」

「少々お待ちください。」
多少顔を引きつらせながら奥へと消えていくお姉さん。

と同時にマックのスタッフが一斉に慌ただしく動き出したのでした。

「ハンバーガー100個となるとお時間かかりますので、出来上がった物から順にお出ししてよろしいですか?」

「いえ、全部一緒にお願いします。」

さらに顔が引きつるお姉さん。いかん!可愛い顔が台無しです。

「はい、かしこまりました。他にご注文は御座いますか?」

「スマイルお願いします。」

もうそれはスマイルじゃなかったね。敵意丸出しの顔ですよ……だって目は笑ってないもの…

という訳で待つこと20分。僕らの前にはマウント富士を彷彿とさせるハンバーガーの山。圧巻です。

周りの客がクスクス笑っているように思えましたが気のせいでしょう。

とりあえず食べます。初めの5個位は簡単に食べれたのですが、単調な味、食べても食べても減らぬ山。パン、肉、ピクルス、パン、肉、ピクルス……戦いです。ある種の格闘技です。
もうここまで来たら己を信じるのみ。

可愛い子には旅をさせよパート3

悪魔や、この人悪魔やで!

とりあえず反論。


「いゃ、でも…車を引っ張ってくれるって言ったのはソチラですし……僕らが頼んだ訳じゃないですし…」


「黙れ!ボケェェェェ!だったら最初からJAFでも呼ばんかい



正論である。確かにJAFを呼べば一番手っ取り早いし金もかからない。



イヤァ~ぐうの音もでません。正に正論。
反論する理由も御座いません。確かにJAFを呼べば早いんです。間違いなく助けてくれます。


JAFという選択肢を思い付かなかった。オイラ達の完敗です。


しかもココで支払いを拒むと間違いなく殺されます。間違いなく殺られます。


「そ、せうですよね。助けてもらったんだからお金払うのは当然ですよね。」




情けなくも金を払うオイラ達。



情けないです。……でも殺されるよりマシです。



結局、お兄様に金を払いガスを入れて帰る僕たち……


はい、すでにマックがどうこうの問題じゃ御座いません。


結局マックのハンバーガーも食べず、鹿児島にも行かずという無駄な旅でございました。





滑稽で、くだらないですね!……

可愛い子には旅をさせよパート2

決めました。高速を使っても約4時間近くかかる道のりを一般道を使って行くという無謀さ。



オトコです。漢と書いてオトコです。


という訳で国道3号線に乗り南下しだしたのが午前11時頃だった気がする。




移り変わる景色に目もくれず赤い彗星シャアのごとく一般道を爆走中!



しかし、ここで思いがけないトラブル発生!



「ヤバい…ガス欠になるんですけど……」


いや、未然に防げたトラブルだったんです。しかし、マックの魔力に取りつかれた僕たちにはガソリンという燃料は頭の中に微塵も御座いません


一気に速度を落とす赤い彗星……


そしてついには路肩に墜落してしまう赤い彗星なのでした。



いや、そこにあるのはもはや彗星ではありません。只の鉄の塊です。

路肩にある鉄の塊。それを前に呆然と佇む男が3人




滑稽です。実に滑稽です。


いくら国道とはいえ山あいの道。ガソリンスタンドまではまだまだ先です。


とりあえず車を押してガソリンスタンドまで行かないことには話しになりません。


「ガソリンくらいちゃんと入れておけ!ボケ!」


「ウルセー俺に車を出せと言ったお前が悪い!ボケ!」

などとなじりあい罵倒しながらひたすら車を押して歩く男が3人。

もはやこの時点ですでに当初の目的を忘れてます。そりゃそうです。とりあえず車を押してガソリンスタンドを目指すことが先決!


ひたすら車を押して歩く僕たち。すると目の前にガソリンスタンドの看板が!

Oh~神よ!以外と近いじゃないの。等と思いつつ天使の舞う看板を目指してダッシュ!




本日定休日……



あぁ看板を舞っていたのは天使じゃなくて堕天使だったのね……
そう思いながら意気消沈しているとそこに本当の神が降臨したのです。

「どうしたん?お兄ちゃん達ガス欠か?」


まぁ恐い見た目は明らかにそっち系のイカツイお兄様が声をかけてきます。しかもセルシオに乗ってます。

「俺が引っ張ってやるよ」

はい?マジですか?優しいじゃないですか!ここで遠慮したら逆に殺されるんじゃないかという雰囲気だったのでお言葉に甘えることに…

社内でのお兄様も奇策な感じでいい感じ!

あっという間にガソリンスタンドへ到着。


すると先ほどまで優しかったお兄様が


「はい、10000円ね。」


はい?今なんとおっしゃいました?

「今時、ただで車運ばないぜ!」