この辺りで幅をきかせている大手の塾の中の一つだった。
○○高校何名合格
と外に垂れ幕がかかっているような所。
その塾へ行っていると必ず良い結果が出るのではないか。
私はそんな幻想を抱いていた。
でも、徐々に馴染んで、上手に塾を利用していた上の子とは対照的に、
息子はその塾の利点を何一つ利用できなかった。
塾では最下位のクラスにいた。
さらには、その中でも出来ない立ち位置で、
常に劣等感に苛まれていた。
確認テストで理解出来るまで付き合ってくれる塾の方針は、出来るまで帰してもらえない軟禁に思えていたようだった。
周りは全員が自分より出来る。
劣等感を常に抱えている息子は、その場に必要最低限しか居たくなかったようだった。
だから、いつでも自由に使える自習室もほとんど使うことがない。
せめてテスト前には自習室に行ってもらいたいのに、行こうとしない。
それどころか、テスト前にはまとめて出される学校の各教科の提出物がなかなか終わらず、
塾を休んでやらないと間に合わない。
なので、テスト前にはよく塾を休んでいた。
中学入学前から数えて1年と少し。
毎月高い授業料を払い続けたけど、
それは何の意味もなかった。
それどころか、
その後長きに渡って拭い切れない
「強烈な劣等感」
を植え付けてしまった事に、
その時の私は気づいてなかった。
そして、こんなに追い詰められている息子の状況にも何とかなるだろうと楽観していた。
上の子もだんだん馴染んできたのだから、
なんとかなるよと。
なのに、ひとつも良い方向に向かわないまま、
中1の3学期に、
ついにその塾からクビを言い渡された。
つづく