扶養是正 扶養の条件(昨年の政府発表から勘違いの話) | 源泉所得税を専門にやってきた国税OBのブログ

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  税についての相談窓口|国税庁 (nta.go.jp)

   

 

  本日の話は・・・

  一昨年末に掲載した内容ですが

  「扶養」の話をします。

 

  どうしてかというと・・・

  知人の奥様が

  税務署の源泉担当の方らしいのですが

  その知人から聞いた話では

 

  昨年、

  こんなトラブルが多くなったえーん

  と聞いたからです。

 

 

   2年間は扶養から外れないはず?

 

  扶養是正とは、

  「扶養に入らない親族や

   配偶者を扶養から外す(是正)

   することいいます」

 

  通常は、税務署からの通知を

  指すことが多いのですが

  税務署では市区町村での調査を行い

  扶養となっている家族の所得金額が

  扶養の条件から外れていたことを

  把握した場合

 

  給与所得者に対しては

  その勤め先(会社=源泉徴収義務者)に対して、

  税務署から

  この従業員の扶養親族や配偶者の方

  「扶養から外れますよ」とか

  「配偶者特別控除額違いますと」と、

  通知書を送ります。

 

  この通知書が来た

  勤め先(会社)は、従業員に対して

  配偶者の方や親族の

  所得金額を調べるように伝えます・・・・

 

  すると・・・・

  「2年間は扶養のままに変わったでしょプンプン 

  とか

  「扶養は130万円までOKでしょムキー

  従業員や配偶者の方から

  直接苦情の電話が来るそうなのです

 

  会社も、説明が大変なので

  通知書が送られてきたときに

  連絡先が記載されているので

  「直接聞いて」と言って・・・ショボーン

 

  こんな電話が、担当者に来るそうです

  しかし、なかなか納得してくれないため

  相当な時間説明したケースが多く

  他の仕事に支障が・・・あったそうです

 

 

誤解の原因 

 

  誤解の元はこれですね

  昨年、

  「130万円を超えても扶養から

   2年間扶養からはずれない

   措置を講ずる」と、政府から発表がありました

 

 年収の壁対策、130万円超でも2年まで扶養 政府正式発表 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

 

  しかし、これは

  「社会保険」上の扶養の話

  なのです。

 

   税務上の扶養に入る条件は

  

 改めて「税務上の扶養の条件」を

 説明しますと

 

 ① 生計を一にしていること

 ② その扶養親族等の

    「合計所得金額」

    「48万円以下」

       金額(所得)基準
 ③ 事業者の事業専従者でないこと

  

 になります。

 

 「生計を一にしている」かについては

 ①  同居の場合は、特段の理由がない限り

    「生計を一にしている」とみなされます。

 ② それ以外は生活費や教育費などの送金等を

    しているか否かが要件になります。

 

 社会保険の扶養については

 専門外のため、説明はしませんが

 一般的には「106万円の壁」とか

 「130万円の壁」と言われています

 

 なお、この金額基準の捉え方も、

 税務上とは少し異なります。

 詳しくは、社会保険労務士先生や

 日本年金機構や加入にしている社会保険組合に

 お尋ねください

 

 なお、税務上の扶養でも

 勘違いが多いと思われる例を

 2つ紹介します。

 

 1 収入103万円 

 

  よく相談である勘違いが、

  収入が103万円以下なら扶養に入るとした

  勘違いです。  

 

 103万円の収入金額とは、

 給与所得者の目安となります。

  

  給与所得の場合、

  給与所得控除額が最低55万円あるため

  給与所得金額の計算方法

  103万円 - 55万円 

                    = 48万円 となるので

  目安として言われている金額になります。

 

 

  業務委託やその他・・・

  事業所得や雑所得になる収入の場合

  所得金額の計算方法

  収入金額 ー 必要経費

                          = 事業(雑)所得 

  となりますので

  仮に収入金額が103万円以下であっても

  所得金額が48万円を超えることがあります。

 

  なお、内職など

     特定の者へ人的役務の提供をしている者の場合は

    「家内労働者等の特例」を選択できますが

  (必要経費として55万円を控除できる)

 

  それ以外のかたは

  原則での計算になります。

 

   

 2 副業20万円以下 

 

  アルバイトやパートなどの給与収入がある方で

   「本業の給与の他に

    20万円以下の副業があったとしても、

    確定申告をしなくていい。

 

    だから、

    本業の給与収入金額が103万円以下なら

    扶養に入る」と

  勘違いされている方もいます。

 

  20万円以下の「申告不要制度」と

  「合計所得金額」は別の話です。

 

  給与所得の金額 + 副業の所得金額 = 48万円

  以下なら扶養に入りますが、

  超えていましたら扶養から外れることになります。

 

     

  なお、

  この副業が給与所得に該当する場合

  本業の給与収入 + 副業の給与収入 =103万円

  以下なら扶養に入りますが、

  超えていましたら扶養から外れることになります。

 

  また、

  副業の給与の源泉徴取が正しくされており、

  副業の給与の収入金額 + その他の所得金額 

              =20万円以下 の場合

  「申告不要」とすることができます。

 

  ただし・・・・「申告不要制度」を採用したとしても

  住民税の申告は必要ですし、

 

  2か所からの給与の場合は、

  確定申告をすれば所得税の還付を

  受けられる可能性があります。

  ※所得税の確定申告をした場合、

   住民税の申告は必要ありません。

 

    

 

 

  参考 

 

所得税法第28条(給与所得)

所得税法第30条

所得税法第36条

所得税法第190条(年末調整)

 

所得税基本通達 30-5

所得税基本通達 36-9

所得税基本通達190-5

所得税基本通達194~198共-1

国税庁作成 「令和5年年末調整のしかた」

 

 

国税庁HP タックスアンサー

No1900「給与所得者で確定申告の必要な人」

 

 

No1180「扶養控除」

 

 

No1191「配偶者控除」

 

 

No2671「年末調整の後に扶養親族等の人数が異動した時」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2671.htm

 

No.2668「年末調整の対象となる給与」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2668.htm

 

No.2668「年末調整の対象となる給与」

 Q 「給与の支給日が翌月の場合の年末調整」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2668_qa.htm

 

 

No.2736「解雇予告手当や未払賃金立替制度に基づき国が弁済する未払賃金を受取ったとき(退職手当)」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2736.htm

 

 

国税庁HP

社会保障・税番号制度(マイナンバー)/FAQ(令和2年1月6日現在)

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/mynumberinfo/FAQ/index.htm

 

年末調整はよくわかるページ

http://www.nta.go.jp/users/gensen/nencho/index.htm

 

年末調整に関するQ&A(タックスアンサー)へ

http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/gensen33.htm

 

国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/kokugaifuyou-QA.pdf

  

 

 

 

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  「国税局電話相談センター」をご利用ください

    ⇓

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