事業(報酬)か給与か 時間的拘束 | 源泉所得税を専門にやってきた国税OBのブログ

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  急に夏になりましたね~~~

  こんな時大変だなと思う仕事が

 

  大工さんや道路工事の方々・・・炎天下のなかお疲れ様です

  熱中症には十分気を付けてください。

 

  

  だからというわけではありませんが

  今回は、

  「大工、左官、とび職等の受ける報酬の取扱い」の

  別冊(質疑応答)から

  「第一 時間的拘束・空間的拘束」の

  質疑を紹介します。

  ※少しアレンジしています

 

  何が「第一」かは、

  最後の「ここで一言」を読んでね

 

 質問 

  

  当社は、建築業を営んでおりますが

  工事によっては

  いわゆる一人親方の方に

  依頼をすることがあります。

 

  そこで、

  大工さんたちへの報酬が

  給与となるか外注費となるかを判断するにあたり

 

  「時間的な拘束を受けるか否か」が

  重要な判定要素と聞きました

 

  次の場合は、

  「時間的な拘束を受けるもの」に

  該当するのでしょうか。

 

  ① 作業時間が

    午前9時から午後5時までとされている場合

 

   イ 午後5時までに、

     予定されている作業が終わった場合には

          予定されている作業以外にも従事する。

 

          また、午後5時までに予定されている作業が終わらず

          午後5時以降も作業に従事した場合には、

          午後5時以降の作業に対する報酬が加算されて

     支払われる。

 

   ロ 作業時間の指定は

      近隣住民に対する配慮によるものであり、

      午後5時までに予定されている作業が

           終わった場合には、午後5時前に帰宅した場合

          であっても所定の報酬を受けることが出来る。

 

 

  ② 作業の進行状況等に応じて、

     その日の作業時間を自らが決定できる場合

 

 

 回答  

 ①のイは 

    「時間的な拘束を受けている」ことに該当します。

 

 ①のロ及び②は、

    「時間的な拘束を受けている」ことに該当しません。

 

 

 解説 

  

  報酬の支払者から作業時間を指定される、

  報酬が時間を単位として計算されるなど、

  時間的な拘束を受けることは、

  その報酬に係る所得が給与所得に該当すると

  判定するための要素の一つとなります。

 

  

  ※ 昭和56年最高裁判決には

    「なお、給与所得者はとりわけ、

     給与支払者との関係に

     何らかの空間的・時間的拘束を受け

     ・・・・その対価として支給されるものであるか

         どうかが重視されなければならない」との

        記述があります。

   

 

 更に解説    

    

  ①のイの場合は

  作業の内容にかかわらず、

  午前9時から午後5時までの間、

    作業に従事したことに対して報酬が支払われる、

    すなわち、指定された時間作業に従事したことに

  基づいて報酬が支払われるものであることから、 

    「時間的な拘束を受けている」ことに該当します。

 

  ①のロ及び②の場合は、

  作業時間に関係なく

  作業内容に応じて報酬が支払われるものであることから

    「時間的な拘束を受けている」ことに該当しません。

 

  なお、「①のロ」については 

  騒音を発生する作業を行う場合に、

  近隣住民への配慮から作業時間が

  指定されているものであり、

  作業実施上の条件であることから、

  ここにいう時間的拘束にはあたりません。

 

 

   

 

 ここで一言    

  つくづく思うこと

  源泉所得税は、地味だけど、身近で

  身近だけど分からない・・・

 

  特に「報酬・料金」になると

  「限定列挙」の限定に入るのどうか・・・

 

  しかし・・・・それ以前に

  「事業(報酬)なのか給与なのか」

  問題があります

 

  時々契約書の標題が

  「業務委託契約 = 事業又は雑(報酬)」と

  勘違いされている方がいますが

  イエイエ内容で判断します。

 

  ではどのような内容なら・・・

  と一言では言えず

  結局「総合的に判断する」ことになるのですが

  これが難しい

 

  私の判断基準は?と聞かれると

  第一に 時間的拘束・空間的拘束の 有無 

  第二に 他人の代替えができるか できないか

       (外注ができるか できないか)

  第三に 自分の看板背負って仕事をしているか いないか

 

  この辺りを重視したうえで

  裁決や判決を参考にチェックしています。

 

  

      

 

 

 

 参考      

 所得税法第28条

 所得税法第204条第1項第1号

 

 法令解釈通達

 

 大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて(法令解釈通達)|国税庁 (nta.go.jp)

 

 

国税庁HP

  大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いに関する留意点について(情報)|国税庁 (nta.go.jp)

 

  留意点と質疑応答

 別冊 (nta.go.jp)

 

 

 

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