非現実的思考主義【第3話『夢の中へ』】
『行こう』
ひじきが私の腕を掴んでいった
「どこへ?」
『決まってるじゃん、神社だよ』
「・・・、なんで?」
『神隠しだよ?そういう時は神社に行くって相場は決まってるんだよ』
なんというドヤ顔・・・
神が隠したから神社って、安易過ぎでしょその発想
『ほら、早く!』
導かれるまま、
彼女と共に走り出す私の目に留まったもの
それは、靴箱近くに設置されたゴミ箱
の上に乱暴に突っ込まれた、私のローファー・・・・
やっぱり近場だった
っていうか、超近場
手抜き過ぎませんか、
名も知らぬいじめっ子さん
だったら隠さなくていい気もするんだけど・・・
「ひじk・・・、高城さん!靴あったから、手離して」
しかし、時既に遅し
私の発言は、彼女の陽気な歌声によってかき消された・・・
『探し物は何ですか~♪見つけにくいものですか~♪』
「いやだから、見つかったんだって!」
『カバンの中も机の中も
探したけれど見つからないのに~♪』
悲しすぎる一方通行
何度ツッコミを入れようと、
ノリノリな彼女には届かない
数回同じやり取りを繰り返し、
私は彼女が飽きるまで付き合うことにした
――神社にて――
『ないね~』
「まぁ、うん・・・」
ある筈も無い物を探すひじきと、
それに付き合って探すフリをする私
神社を徘徊する女子高生2人は、
近所の人から見れば異様な光景だろう
『ん~』
ふと立ち止まって、腕を組むひじき
私はそれに倣い、探すフリを止める
『私の時はあったのにな~』
「えっ?」
予想外の言葉に、
私が発した言葉は裏返ってしまった
『亜樹も靴なくなったことがあって、その時も”神隠しだ!”と思って神社に来たんだけど』
「う・・・、うん」
『その時はちゃんと神社にあったんだけどな』
「高城さん・・・。もしかして、その時も”神隠し”って口に出した?」
『う~ん、出した気もする』
やっぱり・・・
あぁ、神様
さっきは取り乱し、
怒鳴ってすいませんでした
そうですよね
私がいじめられて、
この子がいじめられないなんて、
そんな理不尽な事ある筈が無いですよね
ただ、いじめに気付かずに神隠しって騒いでただけだなんて・・・
この子はなんてポジティブなんだろう
ってか、いじめっ子もいじめっ子だよ
神隠しって騒いだからって、
何も隠し場所神社に変更してあげなくたって・・・
気の使えるいじめっ子なんて、
聞いた事無いよ
この学校、
いじめる方もいじめられる方も、只者じゃない・・・
私は先行きの不安に襲われた
仰ぎ見る空は
鈍き色を発す
沈む陽は止められず
ただ黒に染まり行く
沈むは陽か、心か
染まり行くは空か、己か
深さを知らず
色付を見ず
人を見るは憐れなり
非現実的主義【第2話『神隠し』】
振り返った先にいた少女
名前は高城亜樹
15歳
10月3日生まれの天秤座でB型
口を開けば意味不明な発言をし、
度々見かけられる天を仰ぐような不思議な行動
全てにおいて、理解不能
飽くまで、
入学時に流れた噂話でしかないんだけどね
そんな彼女について知ってる事がもう一つ
”ひじき”というあだ名が付いていると言う事
非現実的な事を口走るから、”非現実的”を略して”ひじき”
ってのは後付で、色黒でひょろいからってのがホントの命名理由らしい
誰が付けたかは知らないが、
なんてネーミングセンスなのだろう・・・
『なにしてるの?』
彼女の質問で私は現実に引き戻された
私としたことが・・・
皆様への説明に時間をかけすぎて、
彼女を放ったらかしにしてしまったようだ
しかし、
質問にどう答えるべきか・・・
答えるも地獄、
答えぬも地獄な気がしてならない
「え~っと、、」
答えに迷う私をよそに、
彼女は顔を輝かせて言った
『分かった!靴が無くなったんでしょ?』
その言葉に戸惑いを隠せなかった
なぜ分かったのだろう?
まさか、彼女が隠したとは考え難い
『亜樹ねぇ、それ知ってるよ』
「えっ、知ってるの!?」
やはり、
やはりこいつが隠したのか
ヘラヘラした笑顔の裏は、
とんでもない悪女だったなんt・・・
『それね、”神隠し”っていうんだよ?』
はい?
神隠しってあの、
人間がある日忽然と消えうせる現象の事?(by信頼のWikipedia←)
彼女の答えは、
私の予想のはるか右斜め上空を飛んでいった
なるほど、
これが彼女が”ひじき”と言われる所以か・・・
いや、ダメだ
冷静になれ里英
これは彼女なりのボケなんだよ
「人間じゃなくて靴だしww」とかツッコミ待ちなんじゃね?
そうだ、そうに決まってる・・・
勇気出して、つっこむんだ里英!
「いや、人間じゃなくて靴だしww」
『うん・・・、だから?』
違ったーーーーーーーー!!
まさかの素で言ってるパターンだったよ
なんだよこの状況
正論言った私が恥ずかしむなんて・・・
いや待て、おかしいだろ
普通に考えてこの子じゃね?
えっ、なんで私いじめられてんの?
この子じゃなくて私がいじめられてるなんて・・・
神様!
こんな理不尽な事あっていいんですか!?
そんな悲痛な私の叫びは、
誰に届く訳もなく消えていった
非現実的思考主義【第1話『いじめ格好悪い』】
突然ですが皆さん、
”いじめ”ってご存知でしょうか?
Wikipediaによれば、
「肉体的、精神的に自分より弱いものを、暴力やいやがらせなどによって苦しめること」
だそうです。
あっ、失礼。
ご紹介が遅れました。
私、北原里英と申します。
一応この物語の主人公兼、語り部を勤めさせて頂いております。
さて、何故急にいじめについて尋ねたかと言いますと・・・
北原里英15歳、
只今絶賛いじめられ中なのですww
いや、まぁ、「なのですww」とか言ってる場合じゃないのが実際のところ
私が下校しようと靴箱を開けてみれば、
そこは見事に空っぽ
一応聞いておきますが、
誰か私のローファー知りませんか?
買ったばかりの新品で、
中の内側に”北原里英”って書いてあるやつなんですけど・・・
あぁ、騒がなくても大丈夫
ありがとう
靴がなくなったのは入学して3回目
さすがにもう慣れっ子です
さて、どうしたものか
1回目は焼却炉のすぐ横
2回目は裏庭のウサギ小屋の中
3回目は・・・、どこに隠すんだろう?
3回目だもん
いじめる側も飽きてきてるよね
うん、そうだ
きっと近場にあるに違いない
『ねぇ、なにしてるの?』
靴の在りかを考えている私の背後から、
妙に間延びした声が聞こえた
何の気なしに振り返った私は、
すぐにそれを後悔した
振り返った先にいたのは、
同級生から影でひじきと呼ばれる
本名を高城亜樹という同じクラスの少女
彼女の中学が一緒だった子はこう彼女を称す
「関わってはいけない。
話してはいけない。
目を見てはいけない。」
要注意人物
危険度Aランク
”いじめれれてる”なんてまだラッキーだったのかも知れない
そんな彼女と、
私は関わっていく事となるのだから
初めに言い訳
小説、
出だしが「池袋ウエストゲートパーク」っぽくなるのは必然(・∀・)ノ
愛読書だもんww
登場人物がAKBメンバーの名前になってるけど、
書き始めた頃は普通に男子校の設定でした(・∀・)ノ
ただ、人物の名前決めんの面倒で、
AKBメンの名前拝借しただけっていう・・・
口調とかなるべく直してみたけど、
違っても気にしないように(・∀・)ノ
既に20個くらいネタ出来てるんだけど、
どれをどこに配置するか考え中
つっても、後半の話ばっかり出来上がっちゃてんだけどねww
非現実的思考主義【第0話『プロローグ』】
私の名前は北原里英
15歳
6月24日生まれの蟹座でA型
客観的に見れば、
落ち込みやすくネガティブな性格
今年高校に入学したばかりの1年生
そう、俗に言う”ピカピカの1年生”
それが私
1年生だからといって、
「友達100人作ろう!」なんて希望に満ちた世間知らずな歌を持ち出すわけではないが、
これはそんな1年生の夏に起こった出来事
地球温暖化だかが、歴史的猛暑と共に連れてきた
100人の友達にも勝る、
たった1人の不思議なヤツとの出会いの話
クラスメイトから”ひじき”と呼ばれた
高城亜樹との話