龍の棲み家④《クル病予防について》 | 蒼空の霽月

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もう何でもあり。

孵化から2年。カナヘビ姉妹今日で2歳になりました。


左、ハオ
右、キルル

手前、ハオ
奥、キルル

誕生日が一緒のこのふたりは、色や顔立ちもよく似ていて、なぜかポーズもよくシンクロしています。





先に亡くなってしまったパフは孵化の時点で手を貸した子でしたが、キルルハオも生まれてしばらくは食べ物が飲み込めないだとか、排泄が上手くいかないだとかで、実はひそかにてんやわんやしていたものでした。


今はおそらく年齢的に体力が充実している頃なのでしょう。ふたりとも食餌も排泄も自力で難なくできています。

いずれの心配は無くはないけど、しばらくは安定していてくれそうかな。



さてさて、タイトルの《クル病予防について》です。

カナヘビ飼育の関門として、カルシウムとビタミンD不足によるクル病の発症がよく取り上げられます。

それを防ぐために、餌のカルシウム添加と、紫外線、この2点が課題となってくるのですが…。


(カルシウムとビタミンDと紫外線の関係については、たくさんのサイトで書かれていると思うので、ここでは割愛)



紫外線に関しては、我が家では初期の頃はベランダでひなたぼっこをさせることで対応していましたが、



こう暑くちゃ無~理~(T▽T)

紫外線云々の前に煮えてしまう(T▽T)


ということで、ここはスパッとお高い紫外線ライトを頼ることにしました。

使っているのはこちらです。

これで足りてくれますように…。


 

 


そして、カルシウム。


最近では『ダスティング』といって、生餌となる昆虫にパウダー状のカルシウムをまぶして生体に食べさせることが主流となっているようです。


だけど、自然下では当然カルシウムをまぶしたコオロギなんか歩いていないわけで。

じゃあ野生のカナヘビたちはどうやってカルシウムを補給しているんだろう?


となると、それは餌と一緒に口に入る土のミネラル分だったり、コンクリートに溜まった雨水だったり、餌になる昆虫そのものが体に蓄えているカルシウムだったりと、『環境それぞれから得られる複数の方法』で補っているのだそう。


だったらここはそれに近づけてみよう、と。


第一、我が家は途中からバランスド・テラ方式に切り替えたため、生き餌にまぶすやり方はできないしね。



(あと、ダスティングは昆虫の扱いが可哀想で、ね)



①まずは飲み水で


飲み水も昔は「霧吹きで水槽壁面にスプレーして水滴を舐めさせる」と聞いたものですが、それだとすぐに乾いてしまって好きなときに飲めないし、ガラスも水垢で汚れない??

と思い、うちの子たちには水は最初から水入れで与えています。


そこにカルシウムパウダーを投入。


炭酸カルシウムは厳密には水には溶けないので、水を少なめに、舌を伸ばしたときに沈んだ粉に触れるくらいの水位で入れています。

普通の水だけの頃より、ものすごく喜んで飲むようになりましたよ。


あとはときどき、この水をスプーンで直接あげています。
これで確実に一定量を摂取できているのを確認。





②土中のカルシウム

そのカルシウム入りの水を換えるときに、バシャッと土に空けるだけ。
この土からコオロギやワラジムシたちが補水することで、それを食べるカナヘビたちも間接的にカルシウムを取ることができます。
土の水をカナヘビ自身が舐めていることもありますよ。よきよき。


③虫たちの栄養の充実

補助的に爬虫類用の餌を水槽内に撒いています。
これも直接カナヘビではなく、まず虫たちに食べてもらうことにより(以下略)。


④カルシウムの多いおやつ

バグプレミアムという、アメリカミズアブの幼虫を乾燥させた市販品を、ときどき与えます。
これ、高カルシウムでかつ嗜好性が高いらしいのですが、うちの子たちは抱卵前後にしか食べてくれません。

あと、同じく抱卵前後にはワラジムシも捕食します。
普段は見向きもしないのに、ちゃんと分かるんだよね。


⑤ワラダンの石

ワラジムシ・ダンゴムシのミネラル補給ための石(サンゴ石)というのを見つけたので、最初はこれを水入れに入れてありました。
パウダーに代えてから外に出したんだけど、今でもここに付いた水を飲んでいることもあります。

写真左上の白い石(もはや白くない)ですね。
今ではワラジムシたちの溜まり場ですが(笑)。




前回の《龍の棲み家シリーズ》からずいぶんと間が開いたのは、これに関しては長期的に様子を見ないと答えが出せないと思ったからです。
ネットって本当に誤情報が多いから、僕の発信も疑いまくってほしいんだけど、こんな個人ブログでもひとつの情報になってしまう時代でしょう。
だから少し慎重に。

しかしカルシウム補給をこうして「餌にダスティングする」以外の方法で試行してみて、無事に2年が過ぎました。
そろそろ結果として出してみても大丈夫かな…?と。

(真似する人もいないと思うけど)



バランスド・テラにしてからは、人間が手間をかける機会は本当に少なくなりました。
この1年ほどは、僕はほぼ見ているだけ…。

でも、もう手から餌もやらないのに、今でも呼ぶと走って来てくれるこの子たちが、とても愛おしいです。