4-4-2 2度追いハイプレスでハメる イングランドプレミアリーグ8節 アーセナルvsシティ | 相手の守備を見ればサッカーは100倍上手くなる、ジャイアントキリングの教科書  〜最新サッカー戦術考察ブログ〜

相手の守備を見ればサッカーは100倍上手くなる、ジャイアントキリングの教科書  〜最新サッカー戦術考察ブログ〜

技術があるのに上達しない?相手の守備を見れていないことが原因です。年間300試合は観るサッカー観戦大好き指導者が、M・シティの試合を中心に、各チームがどのように挑むのか、そしてどのようにプレスを剥がすのかを分析します。サッカーが上達するヒント満載です。




冨安選手が絡んでの劇的勝利!!シティ相手にリーグ戦でアーセナルが勝利するのは数年ぶりだそうで、負けはしましたがシティもすごいですね!


シティ相手にハイプレスを仕掛けるチームはそう多くはないですが、アーセナルは積極的に前からプレスをかけていくスタイルです。前からプレスをかけていく場合、高い守備能力を持ったディフェンス陣は必須です。なぜなら守備が脆弱であれば、手薄になった背後のスペース目掛けてハーランドにロングボールを入れれば良いわけですから。


強固な守備陣を備えている、という前提のアーセナルですが、ハイプレスを仕掛けていくには、守備のどこでスイッチを入れるかが鍵となります。試合を何度も見返してみると、アーセナルは守備を①前線からの守備(ハイプレス ②ミドルサードでの守備 ③ゴール前での守備とハッキリ分け、なおかつハイプレスを仕掛ける際の2度追い ②守備のスイッチ、③中間 ④プレスバック

を徹底していました。今回はそれらの守備の鍵となる要素について見ていきたいと思います。それでは行きましょう!


目次

・アーセナル布陣

・シティ布陣

・アーセナル前線からの守備

 ①2度追い

 ②守備のスイッチ

 ③中間

 ④プレスバック

・ミドルサードでの守備

・ゴール前での守備

・総括


・アーセナル布陣

 アーセナルは4-3-3です。


 守備時にはウーデゴールが前に出て4-4-2の形を取ります。


・シティ布陣

シティは変わらず攻撃時3-2-5もしくは2-3-5の形を取ります。


ボール保持がうまくいかない時はB.シウバがディフェンスラインまで下がり数的優位を保ちます。



・アーセナル前線からの守備


 2度追い

アーセナルの狙いどころはシティのバックパスでした。縦を切って、シティがボールを下げたところで、2度追いします。2度追いとは、プレスをかけた選手が、そのまま連続でプレスをかけることです。



2度追いするか否かの判断は、十分なプレスをかけられるかどうかでした。バックパスされても距離が遠過ぎてプレスがかからない場合、2度追いしないという判断をします。

(中途半端にいくと数的不利になるため。)


 ②守備のスイッチ

守備のスイッチはシティがGKにバックパスをしたところから始まります。





この合図を機に激しくプレスをかけ、一気にボールを奪いに行きます。



中央を使って攻めたいというシティの意図を崩すように中を閉じて外へ外へと追い出します。


サイドに追い込んだ際は、周囲に赤い選手しかいない、というくらい人に対して厳しくプレスをかけます。


 ③中間

サイドにボールを追い出すためにも、中寄りの中間ポジションを取ります。中間ポジションという言葉がよく使われるようになりましたが、その立ち位置を取ることによって、1人で複数の相手を見ることができます。


あまり外に開きすぎると中央へのパスを通されてしまうので、やや内側寄りの中間ポジションを取ります。こうすることでシティが出しどころに迷う状況を作り出します。


 ④プレスバック

足元で繋いで上手くいかない場合の選択肢は当然ロングボールになりますから、前線に蹴られた場合、素早くプレスバックをしてセカンドボールに対処する必要があります。




・ミドルサードでの守備

しかし相手はシティですから、当然全てハイプレスで奪えるわけではありません。剥がされた、あるいは運ばれた時には、守備戦術②に切り替えます。それがミドルサードでの守備です。



ディフェンスラインをペナルティエリア前に設定し、FWはセンターサークルの自陣頂点くらいに立ちます。このフェーズでは、ただ人についていくのではなく、よりスペースを守ることを意識します。そのため、シティが後方で数的優位を作ろうとも、自分のスペースの穴を空けないように、むやみやたらにボールを奪いにいくことはしません。ディフェンスライン〜FW縦幅を2025m位に保って非常にコンパクトな陣形でシティにスペースを与えません。


・ゴール前での守備

ミドルサードでの守備も打破され、ペナルティエリア付近まで侵入された場合は、ゴールを守ることがより強く意識されたフェーズになります。


ゴールエリア近辺に人を配置し、スペースを守りつつ、ゴールを守るという守備です。状況により人につかなくてはならない場合もありますが、なるべく余計なスペースを生まないよう、コンパクトに保ちます。今回はシティにしてはあまりゴール前でのシーンが見られなかったので、その前の段階の守備で、アーセナルがしっかり守れていたと言えます。


・総括

上述したように、①前線からの守備 ②ミドルサードでの守備 ③ゴール前での守備 とフェーズごとに守備を整えていましたが、これはある程度どのチームもやっていることですので、やはり1番の特徴はハイプレスのかけ方です。GKにバックパスをさせるような追い方をし、下げたのを守備のスイッチとして、全体がサイドに追い込み、奪いにいく。これは相当ハマっていました。


冨安選手が絡んでの劇的ゴールでの勝利でしたが、そこに至るまでには、やはりデザインされた守備戦術がありました。シティ相手にこれだけボールを奪え、また保持できるというのは、アーセナルもトップレベルのクラブなのだなと痛感させられました。

11人の能力の高さはさることながら、チームとしての約束事、戦い方が徹底されているのを強く感じ、とても勉強になりました。


今回学んだジャイアントキリングの教訓

・守備のスイッチを入れる2度追い

・フェーズごとに守備を整理

・中央を割らせない。外に追い出す守備。


今回は守備戦術のみになってしまいましたが、リーグでの再戦では、攻撃面も触れられたらと思います。


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