プレミアリーグ第6節マンチェスターシティvs ノッティンガムフォレスト シティプレーモデル研究 | 相手の守備を見ればサッカーは100倍上手くなる、ジャイアントキリングの教科書  〜最新サッカー戦術考察ブログ〜

相手の守備を見ればサッカーは100倍上手くなる、ジャイアントキリングの教科書  〜最新サッカー戦術考察ブログ〜

技術があるのに上達しない?相手の守備を見れていないことが原因です。年間300試合は観るサッカー観戦大好き指導者が、M・シティの試合を中心に、各チームがどのように挑むのか、そしてどのようにプレスを剥がすのかを分析します。サッカーが上達するヒント満載です。

6vsノッティンガムフォレスト




ノッティンガムフォレストを2-0で下し、破竹の開幕6連勝のシティですが、後半相手の挑発に乗りロドリが一発退場。首を絞めるような行為が、心象が良くなかったかと思いますが、10人になってからは流石のシティもボール保持はできませんでしたね。それでも勝ち切るあたりが凄いのですが、ノッティンガムもボールを握る展開には慣れていなかったのか、アタッキングサードのアイディア、精度不足が目立ってしまいました。

と、いうわけで今回は11人の前半のみに焦点を絞り、シティのプレーモデルについて分析していきたいと思います。


目次

・シティプレーモデル

・対策 ノッティンガム5-4-1は悪手か

10人にすることが勝利の鍵?

・総括


・シティプレーモデル


①ハーフスペースを取りに行く


中盤3枚、4枚の脇、ピッチを縦に5分割した2番目、4番目のレーン、ここを取りに行きます。


3バックの1枚が取りに行くこともあります。


こうしてインサイドハーフが取りに行くこともあります。


相手DFを動かし、中盤の間隔が開いたら縦パスを入れますし、CBが食いついてきたらペナルティエリア端のポケットと呼ばれる場所を狙いに行きます。


②ポケットを狙う。


先ほど述べたポケットです。


CBが空けたスペースに侵入します。


優先順位として、ウィングも縦に走るのではなく、常にペナルティエリア内への侵入を試みます。


1点目のシーン。ウォーカーがロドリのロングボールをポケットで受ける。


③攻撃し直す


味方と合わなかったり、成功確率が低いと思ったら、あまり無理はしません。ですので、ゴールから遠い位置よりクロスを上げる、12の状況なのにドリブルで突破しようとする、ということはあまりしないです


合わなかったら無理せず攻撃をやり直す。


余計な体力を使わないようにボールを保持しながら、相手を押し込んでいきます。体力が残っていることで失った後もすぐに守備に行けますし、相手を押し込むことによってショートカウンターのリスクも減らしていきます。


④サポートの距離を縮める


ボール保持をするために、前進できないのであれば中盤が落ちてきますし、味方が困っていたらサポートの距離を縮めます。


攻撃をやり直す。ただし味方がプレッシャーを受けて前進できないのであれば、ボールに寄って助ける。



⑤ローテーション


流れの中でポジションが変わることもあります。誰がどこにいなければならないというルールはあまりありませんので、チャンスであればCBが相手ペナルティエリア内に侵入することもあります。


右サイドウォーカーが内側に入ってくることもあります。


重ならないように周囲がローテーションする。


このように立ち位置を変えながらボールを保持し、チャンスがあれば縦パスを差し込む、又は背後のスペース、特にポケットを狙って相手ゴールに迫ります。個人的には一昔前の典型的10番=ファンタジスタがいたサッカーも好きなのですが、当時に比べると非常にシステマチックな現代的サッカーと言えます。


・対策 ノッティンガム5-4-1は悪手か



赤がノッティンガムです。5-4-1で守りますが、中盤4枚にすると横スライドはしやすくなる分、中の2枚が相手中盤2枚に食いつくと、縦パスのコースを空けてしまいます。




上の図は5-3-2ですが、シティ相手にはこのように対応するチームが多いです。前線2枚がシティボランチのバスコースを遮断し、中盤3枚で前線3枚のパスコースを遮断します。


個人的には、この形の方が守れているクラブが多かったように思えるので、シティ相手には5-3-2、もしくはマンツーマンハイプレス、どちらかが有効だと感じています。


・シティ布陣 10人にすることが勝利の鍵?


後半ロドリが一発レッドで退場しますが、10人にすることが攻略の鍵なのか!?というより、10人にするより打開策がないのでは!?

と思うくらいのシティの強さなんですね。

とにかく一人一人の能力が高いので、能力さを考えると献身的に守備を行わなくては絶対に勝ち目がありません。


しかし、流石のシティも10人だとボールを保持することができなかったことから、パスコースを消しつつサイドに追い込むなどして、相手が1人少ないような状況を意図的に作り出せば、ボールを奪いやすくなるということになります。



・総括


5-4-1と後ろの枚数を多くすることが失点を防ぐわけではない、ということがよくわかりました。むしろ中盤4枚の守備はパスコースを多く作ってしまうことになりますし、ワントップなので容易にCBがボールを保持できてしまいます。もちろんシステムだけの話ではないのですが、いかに相手を困らせるか、という点においてはもって研究しないとな、、、と感じました。まだまだジャイアントキリングのために、考えを深めていきたいと思います。


今回得たジャイアントキリングの教訓

5-4-1と後ろの枚数を多くすれば良い、というわけではない。

・ポケットに侵入させない、背後の警戒

・数的同数。もしくは優位な状況を意図的に作り出す。