おさらい・2 | 孤高の珈琲人

孤高の珈琲人

京都市で自家焙煎「珈琲だけの店」windy(ウインディー)を1972年から営業しています。

windy outsider coffee

 

まずい(悪い)コーヒーの多くは品質・処理・抽出に問題があり、化学的に味がくずれたものです。上質のコーヒーには見られない酸化変質の雑味成分を、コーヒーというカプセルに包み込んで一緒に飲んでいることになります。 

 

酸化や濁りを生じたコーヒーはたしかに飲んだあと、あのすっきりした爽快感がないばかりか、胃にもたれ重苦しく、時には軽度の嘔吐感を伴うことがあります。大体あと味の悪さは、コーヒーの濃度がその人の体質や嗜好に合わないこともありますが、主にコーヒーの「質」による場合が少なくないのであります。 

その反対に、良質のコーヒーは消化液の分泌を促し、胃腸の働きを活発にすることは医学的にも立証されています。 

 

コーヒーをメインに味を大切に維持しているコーヒー店、もっと平たく言えばコーヒーについての豊富な知識を持っている店のコーヒーは、やはり健康的な味わいがあります。 

 

しばしばコーヒーの知識(理論)よりも技術を主張し、技術優先のあまり、あえて理論を軽視する傾向が見られますが、技術と理論は一つであって、理論を重視しない技術はえてして独断に陥りやすい。知識や理論を養う気持ちと、技術を身につけることは、同じ目標に向かう一つの道であります。

 

確かな知識をもっている店のコーヒーから有害説が生まれることはあり得ないのです。

 

珈琲研究家 伊藤 博さん 「珈琲を科学する」から参照