台湾ではなぜ注音符号を使っているのか | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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注音符号というのは、ボポモフォ、ㄅㄆㄇㄈ…つまり、台湾における「国語」(華語)の発音記号、日本語で言うとひらがなのようなものです。


これもざっくり言うと、中華民国時代(1911年〜)は中国大陸でも注音符号が使われていたけれど(台湾では1945年〜)、1949年に中華人民共和国が成立してから中国では独自の漢語ピンインに変わった。でも台湾では変わらなかった。ということです。


ただし漢語ピンインの歴史もそれほど長くはありません。ピンインが制定されたのは1958年、その後定着するまではやはり時間がかかっています。ちなみに注音符号が正式に制定されたのは民国初期の1918年です。


台湾ではなぜ変わらなかったのかいうと、繁体字の経緯と同じです。1945年から政権を握っていた国民党の政策で、この注音符号が正式な音標であると認定され、現在に到るまでそれがずっと続いているからです。


もちろん、台湾でもローマ字は使います。でも日本でのローマ字の扱いと同じで、地名や人名の外国人向けの表示とかに使うだけ。日本の小学生がまずはひらがなやカタカナを習うように、中国の小学生がまずはピンインのアルファベットを習うように、台湾の小学生は入学後、まずは注音符号を徹底的に習います。


漢語ピンインが完璧にできる人には注音符号もそれほど難しくはありません。基本的なところは漢語ピンインのシステムと同じなので、注音符号の文字さえ覚えてしまえばだいじょうぶなのです。



なので、漢語ピンインはだいたいわかる、という方が注音符号も覚えようと思われたなら、まずは漢語ピンインのシステムを完全に理解することを優先なさったほうが、意外に注音マスターへの早道かもしれません。