このテーマも以前書いてますが、長過ぎ&硬すぎのため、もう少し短くわかりやすく書き直してみました!
ざっくり言うと、ずっと繁体字だった漢字を中国では簡体字に変えたけど、台湾ではそのまま使い続けている。ということです。
共産党は民国時代、国共内戦の時代から労働者つまり一般庶民もわかる使える「国語」にしたいと考えていました。が、国民党は中華の伝統を頑なに守り保守的な「国語」のままであろうとしていました。国民党の保守性を象徴するのが、この漢字(繁体字)へのこだわりです。
戦後、国民党が保守的・伝統的な「国語」を台湾に持ち込んできました。そしてその後50年以上国民党政権が続いていたので、台湾の言語政策には国民党の保守性が色濃く残っているわけです。
「繁体字」は台湾で、60年代の簡体字化の動きや、第1期民進党政権時代の激しい「台湾化」の荒波も乗り越えて現在に至り、中華文化の真髄としての地位を確立していると言っていいでしょう。「台湾」にアイデンティファイする人々にとってももう、繁体字はプライドや愛着を感じるものとなっています。
ちなみに中国における簡体字の歴史は意外と浅く、簡体字が正式に公布されたのは1956年です(簡体字方案)。それ以前は中国でもふつうに繁体字が使われていたし、公布後しばらくはまだ定着せず、50年代の出版物には繁体字簡体字まぜまぜで表記されているものも多いです。