台湾ではなぜ接続詞&前置詞「和」を「hàn」と読むのか【簡易版】 | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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以前書いたのは長すぎ&詳しすぎ&話それ過ぎ、だったので少し簡単にわかりやすく書き直してみました!


日本で中国語を勉強した方や、中国で中国語を学んだ方は、接続詞&前置詞「和」の発音は「hé」だと習われたはず。これが台湾で「hàn」と発音されていることに気づいている方は少ないかもしれません。

もちろん、台湾でも「hé」という人はいますが、今は圧倒的に「hàn」がスタンダード。

それは、標準中国語が台湾の「国語」になった1945年以来、ずっと「和」は「hàn」だったから。小学校の「国語」教科書でもずっと「hàn」。今でも「hàn」。台湾のこどもたちは学校で「和」は「hàn」だと教えられてきました。


民国時代の規範(実際の発音はわからない)としては「hàn(ㄏㄢˋ)」。『國音常用字彙』(1932年)は民国期の発音や表記の「きまり」が書き記されたものですが、そこには接続詞「和」は「hàn」だとはっきり書いてあります。『國語辞典』(1947年)でも同じ。つまり、中国でも以前は「和」は「hàn」だったのです。

それが中国では中華人民共和国設立後まもまく規範の変更が行われ、中國大辭典編纂處出版の『學文化字典』(1952年)ではすでに「hé」となっています。『新華字典』(1954年)でもやっぱり「hé」。ではなぜ中国では「hàn」から「hé」に変わったのでしょうか。これにはいくつか説があります。

最も一般的な説は、接続詞「和」を「hàn」と発音するのは「老北京人」だけが使う北京土着のことばで、その他の北方方言話者はみんな「和(hé)」を使用していたから、というもの。


もう一つは「和(hàn)」が北京の「伝統的」な発音だったけど、それが「和平(hépíng)」などの発音と混同されてしまい、徐々に「和(hé)」と読まれるようになってしまったのだという説。


ざっくり言うと、接続詞「和」の読み方のきまりは元々は「hàn」だったけど、それが中国では「hé」に変わり、台湾ではそのまま変更なしに踏襲された・・・。ということになりますね。これは繁体字と注音符号と同じ運命であるとも言えます。


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