読めば読むほど面白い『流』 | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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あんなに敬遠していた『流』(東山彰良著)、すっかり虜になってしまった。直木賞受賞以来、本屋さんでチラ見の立ち読みを繰り返し(コラッ)、ついに観念して中国語版を読み、意を決して日本語オリジナルをサッと読み、そしてもう一度じっくり読んだ。

いやあ、読めば読むほど面白い。見れば見るほど好きになる台湾映画『海角七号』と何か共通点のようなものを感じるのは私だけ? もちろん『海角七号』は土着の台湾ピーポーが主人公で、この『流』は戦後大陸から国民党とともに渡台した外省人ジュニアが主人公。ストーリーも背景も何もかも違うが、なぜか同じような心の惹かれ方をするのだ。

現在、中国語版を読み返しているところ。体は日本にありながら魂は完全に『流』の世界に飛んでしまっている。秋生(小説の主人公)の青春があった台湾に。秋生のルーツ、中国東北の乾いた大地に。