台湾語由来の語彙 「卡油」と「羅漢腳」 | 台湾華語と台湾語、 ときどき台湾ひとり旅

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台湾のドラマを見ていてよくわからない言葉があって、辞書をひいても載ってなーーい。そんな経験はありませんか?台湾には古い言葉が残っているので一般の辞書で解決しなければ『中日大辞典』で。それでもダメなら新しい外来語か、超新しい流行語か、或いは固有名詞。それでもなければおなじみ、台湾語からの借用語である。

というわけで、これまでもいくつか取り上げてきた台湾語由来の語彙、今日も二つほど。「卡油(kǎyóu)」”と「羅漢腳(luóhànjiǎo)」である。

「卡油(kǎyóu)」はドラマ『我可能不會愛你(イタズラな恋愛白書)』で、又青の兄ちゃんが自分の奥さんに言う、次のようなセリフで出てくる。

  妳又在卡又青的油喔?

離合詞「卡油」が離れて使われているパターンだが、「卡油」なんて何の辞書にも載ってなーい。そう、これはまさに台湾語なのである。教育部が推薦する漢字は 

 敲油khà-iû)

で、意味は「得する、甘い汁を吸う、ねだる」といったところ。中国語だと「占便宜」が近い。で、セリフの意味「おまえはまた又青にねだっているのか?」となるのである。

もう一つは「羅漢腳(luóhànjiǎo)」。これもねえ、なんだかねえ。わたしは『快讀台灣史』という本を読んでいてぶつかりました。長いけど引用;

    鄭氏王國時代及清領前期,渡台者多為單身男子,他們有許多人與在地的平埔族通婚,這種「天作之台」,使得漢語族人「羅漢腳」從此不再浪跡天涯,‧‧‧‧
(鄭氏時代と清朝前期、台湾に渡った男性はその多くが独身であった。彼らの多くは台湾の平埔族と通婚した。この天与の結びつき(結婚)が漢民族独身男性を天涯孤独の身から救った・・・)

「羅漢腳」とはつまり、適齢期を過ぎた独身男性のことを表す台湾語である。もうすでに華語と一体化している言葉でもあるが、もともとの台湾語はこれ↓。

  羅漢跤仔 lô-hàn-kha-á)

なんだかねえ…。