思わず手が出てしまったんだろうけど謝罪はすべき
社員50名ほどの、ある家財メーカーに勤めるNさんの話です。
Nさんは、自社製品のサンプルを注文に応じて発送する部署にいました。
問題の暴力女Aは営業職で、取引先からの注文を取る部署にいます。
Aが取引先から依頼を受けた商品の注文番号をNさんに伝え、Nさんが注文番号の商品サンプルを発送するという関係性です。
あるとき、Aがものすごい剣幕でNさんのところにやってきました。
取引先から、
「届いたサンプルが注文した商品ではない」
と、クレームがきたのです。
Aは、Nさんのもとに来るなり、
「届いた商品が違うってものすごく怒っているんだけど、どうしてくれるの!あたしの大事な取引先なんだよ!」
怒鳴り散らしています。
「Aさんから渡された注文書に書かれた番号のサンプルを発送しているから間違えるはずはないんですけど…、ちょっと待ってください。いま、確認してみますね」
そう言って、Nさんが席を立ち上がった瞬間に、
「なに!言い訳?まったく。Nさんはいつも間違えるんだから!」
と、突然、右のこめかみを平手で叩いのです。
Nさんのかけていたメガネが飛ぶほどの力でした。
Nさんは、突然のことに呆然。
もちろん、声も出ません。
Nさんの記憶によると、そのとき、Aも、「あっ」と、口が開いたまま、驚いた表情になっていたそうです。
これは、想像ですが、Aは、Nさんの肩のあたりを叩こうとしたのではないでしょうか。
そのタイミングでNさんが立ち上がったことで、タイミング悪くこめかみに当たってしまった。
それが、あまりに見事にヒットしてしまったので、どちらも固まってしまった。
しかも、そのタイミングで別の女性社員が入ってきたのです。
にらみ合ったまま固まる二人。
床に落ちているメガネ。
「えっ?どうしたの?」
三文ドラマのような見事なトライアングルです。
「ううん。なんでもないの。じゃあ、Nさん、急いで確認してきてくれる?そのあと、急いで発送してね。きちんと謝罪の電話も入れといてね」
Aは、Nさんに諭すような口調でそう言うと、その場を離れて行きました。
Nさんは屈辱で、まだ言葉が出ません。
そして、涙がこみ上げてきました。
「どうしたの?なにがあったの?叩かれたの?」
同僚女性は、Aさんの暴力性を知っていますから、矢継ぎ早に聞いてきます。
しかし、Nさんは何も答えることができませんでした。
Nさんはすぐに倉庫に行き、伝票を確認します。
やはり、AがNさんに渡した注文書の製品番号と、Nさんが発送した製品番号は一致。
少なくともNさんは間違いを犯していないことがわかりました。
Nさんはすぐに取引先に電話を入れて、確認を取りました。
すると、取引先の担当者が送ってほしい製品番号と、口頭でAに伝えた製品番号を間違えていたことがわかったのです。
注文したい製品とは違う別の製品の番号をAに伝えていたのです。
Aはそれを確認もせず、そのまま製品番号だけを注文書に書き込んでNさんに渡していました。
つまり、Aが、注文を受けた時に、製品名と製品番号を確認していたら起きなかったミスでしたし、製品名と製品番号を両方ともきちんと注文書に書いていれば、その間違いにNさんは気づくことができたのです。
もちろん、NさんがAに、
「製品番号だけしか書いてないが、この製品で間違いないですか?」
と、確認していれば防げたことにもなります。
そういう意味では、Nさんにも確かに落ち度はありました。
しかし、怒られっぱなし、叩かれっぱなしのNさんは納得がいきません。
NさんにとってAの方が入社年が先なので一応先輩ということになりますが、年齢はNさんの方が4歳も上でした。
Aは海外留学経験があり、英語が堪能なため、花形部署である営業部に長年いますが、Nさんは業務部という、いわゆる営業の下請けのような部署です。
そういう意味でも、Aは普段からNさんや業務の人を下に見るような言動が多く、そのことにもNさんは不満を感じていました。
とはいっても、Aは暴言が多い上に、手が出ます。
直接、対峙するのは面倒な相手です。
これまでにも、同じようなAのミスでNさんがフォローしてきたことが何度かありました。
もちろん、その逆もあります。
だから、いつもだったら受け流していました。
しかし、不可抗力だったとしても、人の頭を叩いたにもかかわらず、「ごめんね」のひと言もない。
さすがのNさんも猛烈に腹が立ってきました。
泣き寝入りだけはしないという意識が自分を変える
Nさんは、事の経緯をAに話しました。
取引先が間違っていたこと。
Aが、確認を怠ったこと。
そして、もちろん自分もきちんと確認をしなかったこと。
「あ、ほんと。だったら、仕方ないね。じゃあ、取引先が一番悪いんじゃん。わたしから言っとくわ。ムカつくね。じゃあ、発送だけよろしくね」
露骨なまでに感情のこもらない、ビジネスライクにそう言うと、すぐにパソコンを叩き始めました。
「ミスを犯したのはわたしだけじゃないですよね」
Nさんは、言いました。
「わかった。わかった。ご・め・ん・な・さ・い。これでいいんでしょ」
Aは抗議されることを待っていたように立ち上がり、「ごめんなさい」を露骨に機械的にそう言うと、その場から離れようとします。
「ミスしたからといって人の頭を殴ってもいいの?」
Nさんがそう詰め寄ると、
「なによ。軽く小突いただけじゃない。ちょっと!謝ったんだからここだけの話にしてよ。人にチクるような卑怯なマネだけはしないでよね」
そう言い捨てると、その場を立ち去ったのです。
わたしは、会社員ではないですし、男ですから、それ、本当なの?と、申し訳ないですが、聞き返してしまいます。
それくらい、耳を疑ってしまうような話ですが、そういった話が少なからず、
「あるよ」「あるある」
と、女性なら誰しも、そうおっしゃいます。
ただ、こういう話は、山のようにあるのに、
「で、結局、最後はどうなったの?」
と、聞くと、
「最後もなにも、この話はここでおしまい」
と、いつも尻切れとんぼで終わってしまいます。
結局、
やられたほうは、泣き寝入り。
そういう状況がほとんどのようです。
たしかに、それも仕方のないことだと思います。
ほとんどの社会人は、その狭いオフィスという世界で、人生の半分近くを過ごすのですから。
好き嫌いにかかわらず、その中の住人同士で、協力しあい、肩を寄せ合って生きるしか道はないのですから。
社内の常識が、社会では通用しない非常識であっても、それを受け入れて生きていくしかないのですから。
その中の権力者が我がもの顏で好き勝手に振る舞う人間だとしても、自分の本心に蓋をして、迎合して生きてゆくしかないのですから。
でも、もうそろそろ、そんな非常識な世界とは決別してもいいんじゃないでしょうか。
もっと、広い世界へ飛び出してみてはどうでしょうか?
ダサいことを言うようですが、
人生は短い。
間違った生き方よりは、正しい生き方をしたほうが後悔はないと思います。
Nさんは、今度という今度は、我慢ならなくなりました。
Nさんは、社長に、直接、このことを話すことに決めたのです。
いわゆる、直訴です。
つづく
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