海水浴特急【全国保存蒸気機関車めぐり】

海水浴特急【全国保存蒸気機関車めぐり】

全国各地470余りの保存蒸気機関車を訪ねています。現在の訪問数450機です。




お越しいただきありがとうございます。昭和の国鉄時代の車輛や風景が大好きな鉄おやじのblogです。
全国の保存蒸気機関車を訪ねています。引退から40余年、保存されている蒸気機関車がその地域の方々とどのように余生を送っているのかを見るのが楽しみです。綺麗な機関車を見ると嬉しい気持ちになりますね。京浜急行沿線在住なので、京急も大好きです。つたないblogですがよろしくお願いいたします。
 
※2019年9月yahoo!blogより移転しました。

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2016年、全国の保存蒸気機関車をほぼ訪問しこのblogも休止していましたが、amebloに移転したのを機会にまたネタがあった際に更新することにしました。
今回はまだこちらでレポートしていないC11207です。現在は東武鉄道にてSL大樹として動態で活躍しています。

 

C11207
1941-12月:日立製作所笠戸製番1488 配属札幌局配置静内区
1967-10月:苫小牧支区
1973-12月:長万部区
1974-6-30/日:瀬棚線SLさよなら列車牽引(長万部-国縫-瀬棚)
1974-10-01/火:廃車、静内町山手公園にて保存
2000-9月:JR北海道の動態保存機に決定・復籍 配置 旭川運転所
2014-11月:全検見送りのため廃車
2015-08月:東武鉄道が2017以降に借入れて鬼怒川線下今市-鬼怒川温泉間での観光列車の運行を予定するという公式発表あり
2017-08-10/木:東武鉄道鬼怒川線 下今市-鬼怒川温泉間で営業運転開始

 

C11207は製造後一貫して北海道日高本線、瀬棚線で働いた機関車です。最後に瀬棚線SLさよなら列車を牽引し長年働いた静内町に保存されました。霧が多い日高本線での運用のため通常1つの前照灯が2つついているのが大きな特徴で、カニの目のように見えることから「カニ目」とよばれています。これは前後ともに装備されています。珍しいカニ目機関車は倶知安町文化福祉センターで保存されている79615もカニ目でしたが、こちらは私訪問時(2015年6月26日)には片目が脱落して残念な状態でした。


カニ目のほか回転式火の粉止め通称クルクルパー、そしてJR動態保存機の特徴でスノープラウ(こちらも前後に装着)の下にATS車上子・機器類が設置されています。また後部タンクの上部に東武鉄道用のL字型無線アンテナが増設されています。しかし一番大きな特徴は、機関車の後ろに車掌車ヨ8000が必ず連結されていて、それがないと運行できないということ。東武鉄道は大手私鉄でATSも高度なタイプをほぼ全線にわたって採用していて鬼怒川線も例外ではありません。新型ATSは機器類が多く新型車両はあらかじめ車上装置の場所を設計に反映できます。蒸気機関車は炭水車を連結した大型機関車であれば、炭水車側に設置できますがC11のように小型タンク式蒸気機関車には搭載場所がありません。そこで車掌車を連結しATS車上装置を搭載したのです。これはすごいアイデアですね。そのため転車台も大型のものが設置されています。


鬼怒川温泉駅の機回しでC11207を撮影しました。これほどの手間をかけてC11207の動態運転を実現した東武鉄道。駅や機関区の設備、乗客を乗せる14系客車、補機となるDE10、そして何と言っても運用する人材の育成。これまでのローカル私鉄のSL復活とはまったく規模の違う東武の蒸気機関車運行は本当にすごいと感心しました。


※2019年9月28日訪問
※累計訪問数  450機

 

諸事情により3年近くblogを更新していませんでしたが、yahooから移転したのでテストを兼ねて地元保存機D51516の近況を報告します。。

 

1941-11月:国鉄大宮工場NO.29 新製 配属 東京局
1941-11月:配置 新鶴見区
1944-11月:新鶴見区→大宮区
1963-03月:借入 尾久区
1963-03月:返却 大宮区
1963-04月:借入 尾久区
1963-05月:返却 大宮区
1969-04月:大宮区→新鶴見区
1970-11月:廃車(新鶴見区)
1970-12月:東京南鉄道管理局長と横浜市長との間で無償貸与契約締結
1971-06月:横浜市本牧市民公園にて保存
2019-07月:整備


このカマは新製後、新鶴見~大宮区の首都圏だけで活躍した生粋の地元首都圏の機関車です。この場所に保存後すでに48年、劣化も進んでいますが横浜市は定期的に整備を施し、今年も塗装整備が行われとても綺麗な状態に蘇りました。
今回の塗装時には旧塗装のケレンもされたようでとてもキャブ内も含め綺麗な塗装面となっています。また塗装業者さんは現役時代の写真等を確認のうえ塗装してくれたようで、嫌味のない落ち着いた色使いとなっています。これからもD51の力強い雄姿を見せ続けてほしいものです。

 

※2019年8月31日訪問

 

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青森・秋田の保存蒸気機関車めぐりも最後の機関車となりました。9機目は鷹巣町米代児童公園に保存されているC11372です。


C11372
1947-1月:日本車輌名古屋製番1463 配属仙台局配置小牛田区
1951-4月:小牛田区
1955-1月:会津若松区
1959-4月:小牛田区
1969-9月:米沢区
1973-10月:弘前運転区
1974-3-25/月:阿仁合線SLさよなら列車牽引(阿仁合-鷹巣間)
1974-10月:鷹巣町米代児童公園にて保存


C11372は製造後一貫して東北地方で働いた機関車です。最後に阿仁合線SLさよなら列車を牽引した縁からここに保存されました。

地元の愛着のある機関車のはずですが、状態はあまり良くありませんでした。一番目立つのが前照灯および補助灯の欠落。ステーだけが残っていて痛々しいです。後照灯も取り付け部分が腐食し、外れかかっています。キャブまわりの状態も良くありません。窓は窓枠ごと無くなってアクリル板が張られています。キャブ外板も錆びて穴が開いています。外装がこんな有様なのでキャブ内の状態も良くありませんでした。

この機関車は地元ロータリークラブの創立10周年記念事業として保存され、創立40周年記念事業として2004年に整備されたと看板にありました。保存を継続していく意思はあるのでしょう。次回は徹底的な整備を施していただくと共に、ぜひ屋根の設置をお願いしたいものです。


※2016年10月9日訪問
※2016年新規訪問数 52機
※累計訪問数  449機

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青森・秋田の保存蒸気機関車めぐり、8機目はウェスパ椿山駅に保存されている78653です。

78653
1924-10月:日立製作所笠戸製番138 配属神戸局配置姫路区
1932-5月:湊町区
1937-12月:高島区
1939-4月:常陸大子区
1960-1月:佐倉区
1961-2月:平区
1969-10月:水戸区
1970-4月:廃車
1970-9月:日立市神峰公園にて保存
2006-7月:深浦町ウエスパ椿山駅に移設保存


48640に続き8620の保存機です。しかし78653は五能線を走った機関車ではなく、主に関東で働いた機関車です。最初の保存先だった日立市で状態が悪化し、解体の話が出たところでこちらに引き取られました。鯵ヶ沢に保存されていた48640は新里駅に移転後もさらに状態は悪化し復活は厳しいでしょう。そこで同じ形式機関車を招聘したものと思われますが、対面した78653もあまり状態は良くありませんでした。

ロッドには錆が浮き、窓ガラスの代わりのアクリルも変色しています。キャブ内のメーターもすべて失われ、荒廃ぎみです。やはり露天で海に近いという環境が機関車の保存には厳しいものと思われます。それでも48640よりは良好な状態であり、かつて8620の走った五能線の活性化に役立てるかも知れません。78653は化粧煙突に標準型のデフ、そして蒸気ドームには「日立製造」の銘板が取り付けられている特徴ある機関車です。48640の二の舞にならないようしっかりと整備していただき、これからの五能線の顔となって欲しいものです。


※2016年10月9日訪問
※2016年新規訪問数 51機
※累計訪問数  448機

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青森・秋田の保存蒸気機関車めぐり2日目、7機目は弘南鉄道新里駅に保存されている48640です。


48640
1921-9月:汽車製造大阪製番519配属仙台局配置不明
1931-1月:会津若松区
1939-11月:盛岡区
1962-2月:秋田区
1965-11月:弘前運転区
1973-6月:廃車
1973-11月:鯵ヶ沢町役場にて保存
2011-11月:五能線活性化クラブの手により整備され弘南鉄道新里駅に移設保存


とても状態の良いD51892訪問後弘南鉄道新里駅へ移動しました。そこで見た48640にはまさに絶句、天国から地獄へと突き落とされた感じです。

遠目からも状態の酷さは見て取れたのですが、機関車に近づくといきなりキャブ内から数百匹もの鳥の大群が飛び立ったのです。全国でたくさん状態の悪い機関車は見てきましたが、機関車が鳥の巣になっているのは初めてでした。そんな状況ですからキャブ内は悲惨な状態でした。いたるところに鳥の糞がこびりついているし、鳥が巣をつくろうとした草木が散乱しています。機関車の外観も腐食箇所多数、キャブの窓枠はアルミサッシ、部品も崩落寸前とすさまじいものでした。

元々鯵ヶ沢保存時に酷い状態に陥った48640は、解体の危機から救われこの場所に移転されました。それから5年、どうしてこんな状態になってしまったのでしょうか。五能線といえば8620。地元で働いた機関車がこの状態というのはあまりに可哀想です。


※2016年10月9日訪問
※2016年新規訪問数 50機
※累計訪問数  447機