ある会社の粉ミルクから,1キロあたり30.8ベクレルの放射性セシウムが検出されたと12月6日に報道されました。
「放射性物質,放射線,放射能」といった言葉を聞いて不安が高まっている人も多いのではないでしょうか?焦って行動する前に報道で耳にすることは,実際にはどういうものなのか確認しておきましょう。
まず,「放射性物質」が「放射線」を出す能力が「放射能」です。
詳しく説明すると,
①放射性物質・・・放射線を出す能力を持つ物質でウランやプルトニウムが有名。原発事故で,住民の健康への影響が問題になっているのは,放射性ヨウ素131やセシウム137。
②放射線・・・ガンマ線や,中性子・ヘリウム原子核などの大きなエネルギーを持った粒子。
③放射能・・・不安定で大きな原子核は,放射線を出して安定で小さな状態になろうとし,その時放射線を出す能力。
「シーベルト」や「ベクレル」とは何をあらわす単位なのでしょうか?
「ベクレル」は,放射線を出す能力(放射能)を表すときに使われる単位で,放射性元素が1秒間に1つの割合で崩壊し別の元素に変化すれば1ベクレルです。
「シーベルト」という単位は,放射線を照射された物質が吸収する質量1kgあたりのエネルギーに放射線荷重係数をかけてあらわします。
体重や体の大きさで吸収する放射線の量が異なるので,人体に与える影響を考えるには,「1kgあたり」で考えます。
また,放射線にはさまざまな種類があり,「物」ではなく「人」が放射線を浴びた場合は,その放射線の種類(アルファ線,ガンマ線など)により受ける影響が異なり,同じ吸収量でも,人体組織が吸収した場合,例えばアルファ線だとベータ線の20倍ほど影響が大きいとのことで,これに応じて放射線荷重係数をかけて。物理量ではなく「人体への影響」を基準に考えた単位なのです。
つまり出す側の大きさを表すのが「ベクレル」,受け手側の大きさを表すのが「シーベルト」です。これは地震のマグニチュードと震度の関係に似ていますね。
「ミリ」と「マイクロ」の違いは簡単です。
ミリは m=10-3 , マイクロは μ=10-6 を表しますから,
1シーベルト(Sv)=1000ミリシーベルト(mSv)=100万マイクロシーベルト(μSv)
これは,1km=1000mや1m=1000mmと同じ様な事です。
人間は地球上のどこに住んでいても常に放射線を浴びています。世界で平均すると,人体は年間およそ2.4ミリシーベルトの自然放射線に常にさらされています。放射線を短期間(1時間ほど)に全身被ばくした場合の致死線量は,5%致死線量(被ばくした人の20人に1人が死に至る線量)が2シーベルト,50%致死線量が4シーベルト,100%致死線量が7シーベルトと言われ,200ミリシーベルト以下の被ばくでは,急性の臨床的症状(急性放射線症)は認められないとされています。
1時間当たり0.3マイクロシーベルト以下なら全く安心ですし,毎時1マイクロシーベルトあったとしても,1年くらいならそれほど心配することもないらしいです。
シーベルトからベクレルへの換算ですが,1年間通常通り摂取したとして計算するのですが,
新米では,「1キロあたり200ベクレル以上は警戒,500ベクレル以上は出荷停止」ということで行く政府の方針は妥当だと思えます。
大量の放射線は人体に有害ですが,微量なら人体に影響はありません。むやみに焦ったり,不安になりすぎたり,不要な行動をしないよう気をつけたいものです。
三輪






