生徒の中によく「暗記が苦手」と言う人がいます。
ですが,学習とはそもそも,「知識を記銘し,保持し,想起する」ことであるから,
まず暗記しなくてはどうにもならないのです。
暗記する事から逃避していては,なかなか成果は得難いものです。
みなさんは,何か楽しかったことや自分が好きなことはよく記憶しているという経験はありませんか?
暗記の秘訣はそこに隠されている模様です。
暗記をするにもコツがあるようなので,
今回は自分なりに研究したことを書いていきたいと思います。
記憶の中枢は,脳の『海馬(かいば)』という部分で,この部分は,なんでもかんでも記憶するわけではなく,記憶する必要があるものと必要が無いものとを区別しています。
とくに,感情を伴わない事柄は記憶に残り難いそうです。
(海馬はタツノオトシゴ<別名海馬>に似ているらしいのです。これだけでもう記憶に残りやすいでしょ。)
ここで,記憶するプロセスを確認しておきましょう。
脳では,まずA10(エーテン)神経群で,情報に感情のレッテルがはられ,前頭前野で理解し,自己報酬神経群を介してダイナミック・センターコアにおいて思考し,記憶が生まれるのです。
A10神経群がプラスのレッテルをはった情報や,自己報酬神経群によって「自分にとってうれしい」と判断された情報は,思考する過程に入る段階で,情報が強くインプットされます。
詳しく言えば,「楽しい」や「好き」,あるいはプラス思考をしているときに,脳内では『βエンドルフィン』という物質が放出されて,この物質が,A10神経を活性化させ,A10神経が放出したドーパミンという物質が海馬を活性化させるのです。
このことから「おもしろくない」「嫌いだ」「役に立たない」と思っていると,記憶するのが難しくなることがわかります。
『プラス思考』も大切です。
マイナス思考をしていると,脳内では『ノルアドレナリン』という物質が増え,結果的にβエンドルフィンが減少してしまう。
こじつけてもいいので,勉強しているときだけはプラス思考をするといいですね。
また,自己報酬神経群を働かせるためには,主体性が重要です。
記憶力を高めるには,「人に言われたから」ではなく「自分から」覚えようとしなければならないことはいうまでもありません。
人からいくら「テストでいい点を取りなさい」と言われても,本人が「高得点を取ってやろう」と思わなければ,本人の記憶力は発揮されません。
自分から「覚えてやるぞ」と思うことが,学習記憶を機能させるのです。
好きなこと,感動したこと,主体的に取り組んだこと,心を込めたことは,記憶に深く残ります。
一方,「我慢して勉強している」という状態では,どんなにがんばっても,脳がもっている記憶力は働かないのです。
「暗記が苦手」という人は,興味をもち,好きになり,おもしろいと思って取り組んでいくことが大切なのです。

