大きなものの小ささと
小さなものの大きさを
宙に舞う砂一粒が土になり
海は陽に熱せられ風になり
星の粒
月の海
銀河の端の名もない星の欠片が歌った歌が
宇宙の果てまで広がっていき
子どもの小さな手が覆(くつがえ)す空から
大笑いが落ちてくる
この星は熱砂のように膨れ上がり
朝露の水晶玉に吸い込まれて光り出す
平衡と混乱の絶妙なコンビネーション
街中にぶちまけられた花の香り
木陰に置き忘れられた自転車の
サドルの上の二頭の蝶がひいていく風の馬車
小枝の上の鳥たちの煌(きら)めくシンフォニー
大樹がそよ風に微かに揺らぐ緩(ゆる)やかな音
初夏の大扉の前の蟻の隊列
また夜が来て
森の傍(かたわ)らの泉から出る小川を囲む蛍の平野
大きなものの小ささと
小さなものの大きさを
代わる代わる知ることになる
この季節
それこそは
生きる意味をそのままに具現する時間